【実はソレ長崎が発祥!】日本の食文化を変えた「西洋料理店」やジャパネットたかたなど!各スポットの観光情報も紹介

Posted by: あやみ

掲載日: Dec 8th, 2025

日本各地にはさまざまなはじまりの場所、つまりは発祥の地が点在しています。それらは私たちが普段よく目にするものだけでなく、その地域ならではのユニークなものまでがあり、人によってはその始まりの地を、聖地として訪れる人もいるのだとか。そんな都道府県各地のはじまりを紹介する本連載、今回は長崎の発祥をご紹介します。

九十九島

九十九島

長崎県が発祥!観光におすすめのスポットも

西洋料理店

旧自由亭

旧自由亭

長崎が西洋料理店の発祥地とされる背景には、草野丈吉という料理人の存在があります。農家に生まれた丈吉は、出島でオランダ人に仕えながら洗濯や料理の見習いとして働き、西洋料理の技術を身につけました。

1863年、日本で初めての西洋料理専門店「良林亭(のちの自遊亭・自由亭)」を開業。六畳一間・高額という不利な条件にもかかわらず、思いのほか繁盛しました。

さらに1868年の大阪開港後、五代友厚氏に見込まれ「川口居留地外国人止宿司長」として抜擢されます。丈吉氏は長崎の店を閉じ、1869年に大阪で「自由亭ホテル」を開業。オランダ語と西洋料理に精通した彼はまさに適任でした。その後、神戸・京都・長崎へと支店を広げ、自由亭は日本の洋食文化の礎となっていきました。

長崎市馬町で開業した西洋料理店「自由亭」は現在、「旧自由亭」として長崎のグラバー園に洋風の意匠の部分のみ移築されています。優雅なティータイムを楽しめるので、ぜひ訪れてみてくださいね。

旧自由亭
長崎県長崎市南山手町8-1
公式HP:https://glover-garden.jp/about/jiyu-tei/

ジャパネットたかた

家電量販店

※画像はイメージです

株式会社ジャパネットたかたの歩みは、創業者・高田明氏が1986年、実父経営の「たかたカメラ」から独立し、「株式会社たかた」を設立したことから始まります。

1990年にはNBC長崎放送でラジオショッピングを初開催。その反響を受けて翌1991年には北海道から沖縄まで全国のラジオ局へと一気に拡大しました。

1994年には、「さらに多くのお客様に商品と感動をお届けしたい」という想いから、KTNテレビ長崎にて、「ジャパネットたかたテレビショッピング」を開始。1999年には、社名を「株式会社たかた」から「株式会社ジャパネットたかた」へ改称します。

その後も、スポーツ中継と連動した生放送ショッピングや、情報番組とのコラボなど、常に新しい挑戦を続けながら通販の新しい形を切り開いていきました。

なお、高田氏の実家である「カメラのたかた(たかたカメラ)」は現在も営業中です。電化製品やカメラ、写真雑貨などを販売しています。

カメラのたかた
長崎県平戸市木引田町449

カステラ

カステラ

カステラ

カステラは、16世紀の南蛮貿易によってポルトガルから日本へ伝わったとされる洋菓子です。1624年創業の老舗「福砂屋」は、ポルトガル人からその製法を学んだと伝わります。

ただし、当時のカステラは現在のものとは大きく異なり、長い年月をかけて材料や製法が改良され、いま私たちが親しむカステラが形づくられていきました。

また、「カステラ」という名は、スペイン中北部を治めた古王国「カスティーリャ(Castella)」のポルトガル語呼称に由来するといわれています。

長崎を訪れた際には、ぜひ「福砂屋 長崎本店」へ。伝統の技が息づく、しっとりと柔らかく上品な甘さのカステラを購入できますよ。

福砂屋 長崎本店
長崎県長崎市船大工町3-1
公式HP:https://www.fukusaya.co.jp/index.html

缶詰

イワシ缶

缶詰のオイルサーディン

日本の缶詰づくりは、1871年に長崎で松田雅典氏がフランス語教師のレオン・ジュリー(デュリー)氏の指導を受け、いわしの油漬缶詰を製造したことが始まりとされています。

その後、1877年には北海道に日本初の本格的な缶詰工場「北海道開拓使石狩缶詰所」が設立され、さけ缶の製造がスタート。これを機に缶詰の工業生産が進み、昭和初期にはさけ・かに・まぐろ・いわし・みかんなど多様な缶詰が海外へ輸出されるようになりました。

しかし1955年以降、海外市場での価格競争力が低下したことなどから、国内需要へ軸足を移す動きが活発化。現在では、伝統的な魚介缶に加え、肉・フルーツ・惣菜・ご当地グルメなど、多彩な缶詰が食卓を彩るようになっています。

長崎市炉粕町には、「日本最初の罐詰製造の地」の石碑が建っています。

「日本最初の罐詰製造の地」の石碑
長崎県長崎市炉粕町32

マンション(RCアパート)

端島

軍艦島(端島)

日本で初めて鉄筋コンクリート(RC)造のアパート(現・マンション)が建てられたのは、軍艦島(端島)です。1916年に完成した「30号棟」がその第一号で、当初は4階建てとして建築され、のちに増築されて7階建てとなりました。

この建物はロの字型の構造で、中央部分が大きな吹き抜け空間になっているのが特徴。その周囲を取り囲むように階段が設けられています。

日本最古のRCアパート「30号棟」は現存。残念ながら見学はできませんが、軍艦島上陸クルーズで眺めることができます。

軍艦島(端島)
長崎県長崎市高島町
公式HP:https://www.gunkanjima-excursion.com/

鉄橋

銕橋

銕橋から見た景色

日本で最初の鉄橋は、1868年に長崎・中島川に架けられた「銕橋(くろがねばし)」とされています。「鉄」は金を失うと書くため縁起が悪いとされ、あえて旧字の「銕」が使われたとか。橋の建設には、海外から輸入された鋼材が使用されました。

現在見られる銕橋は3代目で、浜町アーケードの西側に位置しています。歴史を今に伝える長崎のランドマークとして、静かに佇んでいます。

銕橋(くろがねばし)
長崎県長崎市浜町1
公式HP:https://www.city.nagasaki.lg.jp/page/2625.html

長崎は異文化が息づく始まりの宝庫

長崎県には、日本初の西洋料理店「良林亭」や、近代建築を象徴する軍艦島のマンション、いわし油漬に始まる缶詰製造、カステラ文化など、多彩な発祥が点在しています。異国との交流が盛んだった長崎だからこそ生まれた文化や技術の発祥地をぜひ巡ってみてくださいね!

[All photos by PIXTA]

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PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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