
2026年9月現在、ナミビアは「レベル1:十分注意してください」に指定されています。渡航検討の際は、外務省の最新情報の確認、十分な安全対策と慎重な行動が不可欠です。
おすすめ度:第1位|デッドフレイ

世界中の旅人やカメラマンが「一度はこの目で見てみたい」と憧れる奇跡の絶景が、ナミビア南西部のナミブ砂漠にあります。それが、筆者が選ぶおすすめスポット第1位でもある「デッドフレイ」です。
赤い砂丘に囲まれたこの場所は、極度に乾燥した気候のため、数百年も前に枯れたアカシアの木々が当時の姿のまま残されており、他では見られない独特の景色を楽しむことができます。
デッドフレイのお目当ては、なんといっても枯れ木と砂丘が織りなす奇跡のコントラストです。朝日が昇り始めた直後、背景の巨大砂丘には光が当たり、手前の枯れ木はまだ日陰のままという時間帯があります。すると、木が真っ黒なシルエットとなり、息をのむような異世界の写真が撮れるのです。日頃からカメラを持ち歩く身として、この絶好のシャッターチャンスはどうしても逃せません。
その景色を追い求めてキャンプ場からデッドフレイへと向かった筆者ですが、到着した頃にはすでに朝日が顔を出し始めていました。「早くしないと太陽が昇りきってしまう!」と少し焦りながら、愛用のFUJIFILMのカメラを片手に砂漠を猛ダッシュ。

息を切らしながら砂漠を登る途中、ふと背後を振り返ると、遠い地平線から力強い朝日が昇ってくるのが見えました。見渡す限り、オレンジと黒しかない世界。まさに異世界そのものです。

なんとか心惹かれる1本の木を見つけ出し、砂漠に朝日が当たるまでスタンバイ。幸いにも、狙っていた奇跡のコントラストが広がる絶妙なタイミングに無事間に合いました!
うれしいことに筆者が訪れたときは観光客もそれほど多くなかったので、自分の思い描く構図で撮影に集中できるのも大きな魅力です。そうして光のバランスが完璧になったその瞬間に、夢中でシャッターを切りました。
デッドフレイ・キャンプ場情報
デッドフレイを早朝に鑑賞するためには、公園内にある「セスリム・キャンプサイト」に宿泊するのが一番のおすすめです。
セスリム(デッドフレイの拠点となる街)から砂漠のエリアに向かう際、実は「外側のゲート」と「内側のゲート」という二つの関門があります。
外側のホテルやキャンプ場に泊まった場合、朝は「外側のゲート」が開く日の出時刻まで待たなければなりません。そこからさらに車で約45分かけてデッドフレイへ向かっても、現地に着く頃にはすでに朝日が昇りきってしまいます。
一方で、園内にあるセスリム・キャンプサイトに泊まれば、「内側のゲート」が日の出の1時間前に開きます。まだ暗いうちから出発し、そこからデッドフレイの駐車場まで車を約45分走らせれば、太陽が昇るベストタイミングにデッドフレイへ一番乗りできる可能性が高まります。
なお、セスリム・キャンプサイトは事前の予約が不可欠です。日程が決まったら、数カ月前を目安に早めに予約しましょう。
住所:Namib-Naukluft National Park, Sesriem, Namibia
電話番号:+264 61 285 7200(Namibia Wildlife Resorts 予約センター)
営業時間:24時間
定休日:なし(年中無休)
シャワー・トイレ:共同シャワー・水洗トイレ完備(温水あり)
電源・Wi-Fi: 各サイトに電源コンセントあり。Wi-Fiはレセプション・バー周辺のみ利用可能(キャンプサイトはWi-Fiなし)
おすすめ度:第2位|エトーシャ国立公園

首都のウィントフックから車で北へ約5時間。そこに位置するのが「エトーシャ国立公園」です。筆者はこれまで、ケニアのアンボセリやボツワナのチョベなど、大小さまざまなサファリを巡ってきましたが、なかでも最もお気に入りなのがエトーシャ国立公園です!
その理由は、動物の圧倒的な多さはもちろんのこと、自分たちで車を運転してサファリを巡れる点にあります。ツアーで巡るサファリでは、ドライバーの力量や気分によって出会える動物が変わったり、「もう少し見ていたいのに車が出発してしまった」ということがよく起こります。しかしエトーシャなら、自分たちのペースで動物を観察し、直感を信じて車を走らせることができます。まさに冒険そのものです!

実際、筆者はゾウやキリンなどの大型動物だけでなく、捕食中のチーターやハイエナの親子など、他のサファリではなかなか見られないような貴重な場面にも出会うことができました。
エトーシャ国立公園・キャンプ場情報

そして見逃せないのが、エトーシャ国立公園では園内でキャンプができるという点です。動物たちが活発に動く時間を狙って、早朝からサファリへ出かけられるのもここならではの魅力。国立公園の広大な敷地内には、オカウケジョ、ハラリ、ナムトニといったいくつかのメインキャンプが点在しており、筆者らが拠点に選んだのは、エトーシャの中央に位置する「ハラリ・キャンプ」です。1人1泊あたり550ナミビアドル(約4,560円)と、キャンプ場としては決して安くはありませんが、ここに泊まる価値は十分にありました。(宿泊した2025年9月時点)
さらに、ハラリ・キャンプの隣には水飲み場があり、夜になると水を飲みにやってくるクロサイなどを観察できます。クロサイの観覧スペースはキャンプ場から歩いて行くことができ、筆者たちはなんとわずか数十メートルの視線の先に4〜5頭のクロサイを見ることができました。もちろん安全のための柵はありますが、巨大な野生動物が水を飲むかすかな音まで聞こえてくるほどの距離感。他では味わえない圧倒的な迫力でした。
住所:Etosha National Park, Namibia
電話番号:+264 61 285 7200(Namibia Wildlife Resorts 予約センター)
営業時間:日の出~日没 (翌日の正確な時間は毎日ゲートに掲示されます)
定休日:なし(年中無休)
シャワー・トイレ:共同シャワー・水洗トイレ完備(温水あり)。各サイト専用のBBQ炉あり
電源・Wi-Fi: 各サイトに電源コンセントあり。Wi-Fiはレセプション・レストラン周辺のみ利用可能(キャンプサイトはWi-Fiなし)
Halali Resort 予約ページ
※料金・予約条件などは変更されるため、予約時に公式サイトで最新情報を確認してください。
おすすめ度:第3位|スピッツコッペ

ナミビアという国名は、ナミブ砂漠に由来します。そして現地の言葉で「ナミブ」とは「何もない場所」「広大なところ」などを意味するそうです。実際に車で走っていても、視界を遮るものが何一つなく、どこまでもまっすぐな地平線が伸びていきます。
しかし、この圧倒的な「無」があるからこそ、そこにたたずむ岩山が際立ちます。今回ご紹介する「スピッツコッペ」は、まさにそんな地平線の真ん中に突如として姿を現す巨大な岩山です。高さは約700m。非常に硬い花崗岩でできているため、長い年月の中で周囲の地層が風化し削られてもここだけが残り、こうした孤立峰(平らな大地にぽつんと立つ山)になりました。

日中の雄大な姿もさることながら、筆者が特に心を奪われたのは夕暮れの深まる時間帯です。人知の及ばない大自然が描き出すオレンジ色の世界は、まるで火星に降り立ったかのような光景です。
やがて太陽が沈むと、周囲は静寂に包まれ、頭上には満天の星空が広がります。人工の光が一切届かない砂漠の真ん中で見る夜空も、忘れがたい魅力のひとつです。
スピッツコッペ・キャンプ場情報
スピッツコッペのキャンプ場は、その敷地内にあり、孤立峰の岩陰にサイトがぽつぽつと点在しているため、大自然を独り占めしているようなプライベート感を味わえるのが魅力です。費用は、キャンプ宿泊であれば1人1泊あたり300ナミビアドル(約2,500円)で、宿泊せずに日帰りで訪れる場合は、入園料として1人あたり180ナミビアドル(約1,500円)がかかります。
実は筆者らは事前にこのキャンプ場を予約をしておらず、当日は満員状態。ダメもとでキャンセル待ちをしてみたところ、運よくキャンセルが出たとのことで、無事に宿泊できることになりました。 こちらのキャンプ場は、敷地内であれば好きな場所に車を停められるシステムになっており、自分たちのお気に入りの場所を見つけて車を横付けし、そこでバーベキューを楽しみました。
ここに泊まらない理由はないと言い切れるほど、最高の体験ができるおすすめのキャンプサイトです。
住所:D1918, Spitzkoppe, Erongo Region, Namibia
電話番号:+264 64 530 882
営業時間:7:00~19:00(レセプション)
定休日:なし(年中無休)
シャワー・トイレ:レセプション近くに共同シャワーあり(利用は22時まで/あまり温かくない)。各サイトに簡易トイレ設置。 (水洗式ではない)
電源・Wi-Fi: レセプションエリア周辺に電源あり(各サイトにはなし)。Wi-Fiはなし。
Spitzkoppe Community Rest Camp 予約ページ
絶対に知っておきたいロードトリップの注意点と失敗しないルート選び
ナミビア・ロードトリップ攻略ルートの選び方
筆者は今回のナミビア・ロードトリップで、4泊5日でレンタカーを借りて旅をしました。実際に巡ったルートは以下のとおりです。

初日は首都ウィントフックでレンタカーやキャンプ用品を受け取り、スーパーで買い出しをしてからセスリム(デッドフレイ)へ向かいました。その後は、海辺の街スワコップムントや先ほど紹介したスピッツコッペ、さらにエトーシャ国立公園を巡り、最後にウィントフックへ戻ってくるルートでロードトリップを楽しみました。
もし実際に旅を計画するなら、時間が取れる場合はそれぞれの場所で1泊しながらゆっくり巡るのが理想です。ただ、スケジュールが限られている場合は、まずは「デッドフレイ」と「スピッツコッペ」に行くのがおすすめ。エトーシャは少し距離が離れているため、基本はこの2カ所を軸にして、時間があればエトーシャまで足を延ばしてみるのがよいでしょう。
レンタカーを借りる際の注意点

レンタカーを借りる際は、出発前に車体の傷を入念に確認し、写真や動画に残しておくことが必須です。 実際に、南アフリカでロードトリップをした筆者の知人は、事前の確認を怠ったばかりに、もともと付いていたはずの傷の修理費を過剰に請求されてしまいました。 こうした理不尽なトラブルを防ぐためにも、自分の目で確認し、必ず写真や動画で証拠を残しておきましょう。
また、車選びの際は4WD(4×4)を選ぶことが重要だと感じました。デッドフレイなどの砂漠地帯では深い砂にタイヤをとられてスタックする車が続出しており、実際の道中も立ち往生している車を何台も見かけました。二輪駆動のレンタカーのほうが比較的安いのですが、安全を優先して4WDをレンタルすることをおすすめします。
キャンプをする際の注意点

ナミビア・ロードトリップの醍醐味の一つであるキャンプですが、事前に注意点を押さえておかないと大きな失敗につながります。特に意識したい2つのポイントをご紹介します。
ポイント1点目は、キャンプ場を事前に予約してから行くことです。
特にデッドフレイの近くにあるセスリムや、スピッツコッペのキャンプ場は人気が高く、すぐに枠が埋まってしまいます。「旅程が決まったらできるだけ早く予約する」のが、失敗を防ぐおすすめの方法です。
次にポイント2点目は、食材はスーパーを見つけたタイミングで買いだめしておくということです。キャンプ場によっては割高な食材が売られていることもありますが、何も手に入らない場所も少なくありません。
ナミビアはスーパーのある大きな街が限られているため、見かけたタイミングでまとめ買いしておくのがおすすめです。筆者たちがスワコップムントを訪れた日曜日は17時にほとんどのスーパーが閉店し、キャンプ場でも食材の販売がなかったため「肉なしカレー」を食べることになりました。「この先にもスーパーはあるだろう」と高をくくらず、見つけたときに買いそろえておけば食料探しに困りません。
まとめ

「何もない場所」「広大なところ」などを意味するナミブ砂漠に由来した、ナミビアという国名。しかしそこには、言葉を失うほどの絶景だけでなく、日常から離れて自分自身と静かに向き合える豊かな時間がありました。 スマートフォンすらつながらない大自然の中で、ただ静寂に身を委ねる日々。カメラのレンズ越しでは決して伝わらない「体感としてのナミビア」を、ぜひみなさんもご自身の足で訪れて味わってみてください!
※料金・予約条件などは変更されるため、予約時に公式サイトで最新情報を確認してください。
©Taiyo Kitano
