【チンクエ・テッレ現地ルポ】地中海の絶景とトレッキングで最高に整うイタリアの世界遺産

Posted by: Taiyo Kitano

掲載日: Oct 3rd, 2026

数多くの世界遺産が点在するイタリア。ローマやミラノで歴史やアートを楽しむ観光も素敵ですが、「自然と歴史どちらも楽しみたい!」という方にぜひおすすめなのが、地中海の断崖に立ち並ぶ5つの美しい村「チンクエ・テッレ」です。本記事では、現地を歩いた筆者だからこそ分かる「チンクエ・テッレの教科書」として、基本情報からおすすめの歩き方まで徹底解説いたします。

マナローラの風景

チンクエ・テッレとは?歴史と5つの村の魅力を解説

チンクエ・テッレの概要

チンクエ・テッレの景色

チンクエ・テッレは、イタリア語で「5つの土地」を意味します。地中海に面する険しい斜面には、北からモンテロッソ、ヴェルナッツァ、コルニリア、マナローラ、リオマッジョーレの5つの村が点在し、海岸線に沿う山道を歩けば、ひとつの村を離れて次の村へとトレッキングすることができます。

チンクエ・テッレにはピンクや黄色、オレンジなどの家々が並び、かつて漁師が海から自分の家を見分けるために塗ったとも言われています。この中世から続く色鮮やかな街並みは、「ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレ及び小島群(パルマリア、ティーノ、ティネット島)」として1997年にユネスコ世界遺産に登録されました。深い青色をした地中海と、色とりどりの村々が織りなす美しいコントラストこそ、チンクエ・テッレならではの独特な景色です。

モンテロッソ

モンテロッソのビーチ

チンクエ・テッレ最北端に位置する「モンテロッソ(Monterosso)」は、5つの村の中で唯一砂浜が続くビーチを持つ村です。海沿いには飲食店や商店が並び、比較的リゾートらしい雰囲気があります。

イルヒガンテ像

ビーチ沿いの断崖絶壁にそびえ立つ、イル・ヒガンテ像は迫力満点です

ヴェルナッツァ

ヴェルナッツァの風景

「ヴェルナッツァ(Vernazza)」は、天然の入り江を囲むように家々が並ぶ港町です。薄黄色の時計台を中心に、ピンクや黄色、オレンジ色の建物が斜面に沿って重なります。カメラを向ける場所が多すぎるほど、どこを切り取っても写真に残したくなる、可愛らしい街並みが広がっています。

コルニリア

コルニリアの風景

「コルニリア(Corniglia)」は、5つの村の中で唯一、海に直接面しておらず崖の上に位置する村です。駅から村までは長い階段を上る必要があり、そのぶん筆者が訪れた際は比較的観光客もまばらで、静かに散策できました。

マナローラ

マナローラのカラフルな家々と地中海

筆者が5つの村の中で特に気に入ったのが「マナローラ(Manarola)」です。海岸沿いから振り返ると、黄色やオレンジ、ピンクの建物が急な斜面に沿って並ぶ街並みが見渡せ、これぞチンクエ・テッレといった景色を堪能できます。

リオマッジョーレ

リオマッジョーレの風景

最南端に位置する「リオマッジョーレ(Riomaggiore)」は、斜面に沿って並ぶワイン用のブドウ畑が印象的な村です。他の村のような賑やかなカラフルさとはまた違った、どこかのどかでほっとする空気が漂っています。

モンテロッソから歩く、チンクエ・テッレ現地ルポ

朝8時、モンテロッソからスタート

時計塔を中心に広がるモンテロッソ

日中の人混みと暑さを避けるため、この日は早起きをして朝8時にモンテロッソへ。5つの村の中では比較的規模が大きく、この時間でもすでに営業している店がありました。筆者自身は何も買わずに出発しましたが、トレッキングをする予定なら、ここでパンなどの軽食を用意しておくと安心です。

モンテロッソ~ヴェルナッツァ

トレッキングルートの入口にある小屋でチケット(€7.5)を購入し、いよいよ出発です。(2025年9月時点)木々の切れ間から振り返ると出発したモンテロッソが見え、進むにつれて前方にはヴェルナッツァの村が少しずつ姿を現します。

チンクエ・テッレのトレッキングルート

このような狭い道を通りながら進みますが、比較的人が少なく、落ち着いて自分のペースで歩くことができます。筆者が歩いたルートの中では比較的歩きやすく感じたので、「どこのトレッキングコースを歩こうかな」と悩まれている方がいらっしゃいましたら、このコースをぜひ歩いてみてください。

ヴェルナッツァのジェラート

約1.5時間歩いてヴェルナッツァに到着したあとは、街中で見つけたジェラテリアへ。店の前の行列につられて入ったこのお店は、Alberto Gelateriaという1999年から続くヴェルナッツァの名店。選んだのは、お店の名物だったチョコミントとレモンです。爽やかなチョコミントとさっぱりとしたレモンは、歩いたあとの体にちょうどよく、トレッキング後のご褒美になりました。

Alberto Gelateria
住所:Via Fieschi, 74, Corniglia, Liguria, Italy 19018
電話:+39 366 717 7602
営業時間:10:00~22:00
https://www.instagram.com/alberto_gelateria_corniglia/

ヴェルナッツァ〜コルニリア

ヴェルナッツァと澄んだ地中海

ヴェルナッツァからは電車に乗って次の町を目指す方が多いのですが、筆者は「まだ歩けそう!」と感じたため、次の村であるコルニリアまでもトレッキングを楽しむことにしました。この区間はさらに人が少ないので、そのぶん自分のペースでゆったりと楽しめるのが、このコースの特徴。海風を感じながらのどかな自然の中を歩く時間は心地よいものでした。

コルニリア〜マナローラ

コルニリアまでは約2時間ほどかけて到着。この村では特に何かをするわけではなく、小さな村をのんびり一周するように歩きました。細い路地を抜け、ひと通り村の雰囲気を味わったところで駅へ向かい、次のマナローラまでは電車で移動することにしました。

マナローラ〜リオマッジョーレ

断崖絶壁にある村、マナローナ

コルニリアから電車でマナローラに到着すると、まずは海岸沿いへ。少し歩いた先には、急斜面に建物が重なるマナローラの村全体を正面から眺められる場所があり、筆者もここで何度もカメラを構えました。

その後は細い路地や海沿いを行ったり来たりしながら村を散策。気づけば2周ほどしていましたが、それでも写真に残したくなる場所が次々と見つかります。

マナローナのカラフルな家々

十分にマナローラを歩き回ったあとは、最後のリオマッジョーレへ。

朝から歩き続けていたこともあり、さすがに足には疲れがたまっていましたが、最後まで歩き切ったあとは不思議と気分はすっきり。膝が少しプルプルするほど歩いたからこそ、大きな達成感を感じることができました。

※本記事のトレッキング体験は2025年9月時点のものです。トレイルは天候や地質状況などにより閉鎖される場合があります。訪問前にチンクエ・テッレ国立公園公式サイトで最新の通行状況をご確認ください。

チンクエ・テッレへのアクセス:おすすめはジェノバ経由

ジェノバの街並み

チンクエ・テッレ観光の一般的な拠点は、隣町のラ・スペツィア(La Spezia)です。ミラノやフィレンツェなどの主要都市から鉄道でアクセスでき、そこから各村へローカル線で移動できるため、時間をかけずに巡りたい場合に便利です。ただ、筆者が個人的におすすめしたいのは、北側に位置するジェノバ(Genova)から向かうルートです。

イタリア屈指の港町として知られるこの街は、単なる中継地点にしておくにはもったいないほどの魅力に溢れています。

ジェノベーゼ・パスタ

たとえば、その名を聞いてピンときた方もいるかもしれません。そう、ここは「ジェノベーゼ・パスタ」発祥の地。街の至る所で、本場の絶品ジェノベーゼを堪能できるのです。

ジェノバの古き街並み

さらに特筆すべきは、坂を活かした美しい街並みです。歴史的な建造物が所狭しと並び、一歩路地へ足を踏み入れると、そこにはイタリアのほかの都市のような「整然とした美しさ」とは一線を画す、混沌とした魅力が広がっています。 角を曲がるたびに景色が変わる狭い路地に魅せられ、シャッターを切る手が止まらなくなりました。

ジェノバの高台からの夕焼け

また、斜面に広がる街ならではの高台からの眺望も格別です。夕陽に染まるオレンジ色の街並みが、ゆっくりと煌めく夜景へと移り変わる光景に魅せられて、筆者は3時間ほど展望台でぼーっと景色を眺めていました。

ジェノバの教会

実は筆者自身、鉄道のストライキに巻き込まれ、予定外でこの街に滞在することになったのですが、「こんなにも魅力的な場所があったなんて!」という驚きとともに、すっかりジェノバの虜になってしまいました。

ジェノバからチンクエ・テッレまでは、鉄道で約1時間強。今回トレッキングの出発地点に選んだモンテロッソは5つの村の最北端にあり、ジェノバから向かう今回のルートと相性がよいのも、おすすめする理由のひとつです。

チンクエ・テッレを賢く巡るための実用ガイド

チンクエ・テッレ内の移動手段

ヴェルナッツァの街並みと遠くに見えるモンテロッソ

チンクエ・テッレの観光は、基本的にはトレッキングとローカル電車の組み合わせです。5つの村は「Cinque Terre Express」という電車で結ばれており、疲れたらいつでも電車に切り替えられるのが魅力です。

交通費・チケット選びのコツ

筆者が一番好きなモンテロッソの風景

チンクエ・テッレを効率的に巡るなら、有料トレイルの通行料とローカル電車の乗り放題がセットになった「チンクエ・テッレ・トレインカード(1日19.50€から)」を購入するのが一般的です(2025年9月時点)。

エリア内の電車運賃はシーズンにより片道5~10€と高めで、さらにトレッキング通行料(7.5€)もかかるため、村間の移動や行き帰りで数回乗るだけですぐに元が取れます。毎回駅の券売機や窓口に並ぶ手間を省ける点も考えると、このトレインカードを買うことをおすすめします。

ただし、本記事でおすすめしている「ジェノバ発着(ジェノバ~チンクエ・テッレ)」のルートで訪れる場合など、エリア内での電車移動が1~2回程度と少ないスケジュールであれば、その都度購入した方が安く済むケースもあります。ご自身のエリア内での電車利用回数と照らし合わせて、賢く選択してみてください。

©Taiyo Kitano

PROFILE

Taiyo Kitano

Taiyo Kitano トラベルフォトグラファー

現役大学生トラベルライター。大学で経済学を学ぶ傍ら、1年間の休学期間を設けて世界一周を経験。現在は留学先のオランダを拠点に、ヨーロッパ各国を歩き回っています。地元の人が集うローカルな場所を探検するのが好きで、旅先で見つけた美しい風景をカメラで切り取っています。

現役大学生トラベルライター。大学で経済学を学ぶ傍ら、1年間の休学期間を設けて世界一周を経験。現在は留学先のオランダを拠点に、ヨーロッパ各国を歩き回っています。地元の人が集うローカルな場所を探検するのが好きで、旅先で見つけた美しい風景をカメラで切り取っています。

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