メキシコの旬の味、「死者のパン」を食べくらべ

Posted by: Miho Nagaya

掲載日: Oct 30th, 2013

日本でメキシコのお盆、「死者の日」を祝うイベント 」の記事でも紹介したとおり、メキシコでは現在、10月31日から11月2日に行われる「死者の日」の期間が目前に迫まり、町のあちこちにカラフルな祭壇が増えてきました。その祭壇に必ず供えるもののひとつに「死者のパン」という菓子パンがあります。

メキシコの旬の味、「死者のパン」を食べくらべ

死者の日の祭壇に飾られた「死者のパン」(右端)

「死者のパン」といっても、おどろおどろしい感じではないんですよ。
丸くて真ん中に丸い突起があり、骨のような十字の印がついている不思議なパンですが、その形は死者の顔をイメージしているとか。味は、ほんのり甘く、しっとりしていて、オレンジのような柑橘系のリキュールの香りがついています。店によっては、オレンジ・ピールが入っているもの、くるみやいちじくが入っているもの、クリームが入っているもの、ゴマがふられているものなど、さまざまです。メキシコじゅうのパン屋で、毎年10月後半から11月上旬ごろまで売られています。
だんだんと冷え込んでくるこの時期に、チョコラテ(ホットチョコレート)やコーヒーとともに、死者のパンをいただくのが定番なのです。まさにメキシコの季節の味。

メキシコの旬の味、「死者のパン」を食べくらべ

くるみ入りの死者のパン。素朴な味

メキシコの旬の味、「死者のパン」を食べくらべ

(左)スーパーにも死者のパンが山積み。上に砂糖がふりかけられているものと、ゴマがふりかけられているものがある(右プエブラ州の村で作られる死者のパンは、死者が手を組んで横たわっている姿

メキシコの旬の味、「死者のパン」を食べくらべ

オアハカ州のもの。カラフルな顔がささっている 写真提供:YOKO SAKURAI さる屋  

毎年、いろいろな店の特製「死者のパン」を食べ比べるのが楽しみなのですが、今年の大ヒットは、 メキシコシティのセントロ地区(ダウンタウン)にある、ラ・ミニアトゥーラという店のもの。

メキシコの旬の味、「死者のパン」を食べくらべ

ラ・ミニアトゥーラの小さめサイズなクリーム入り死者のパン。価格は20メキシコペソ

洋酒に漬けたドライ・クランベリーが入った、コクのあるバター・クリームが挟まれています。
ふわふわのパンと絶妙なマッチングです。
ラ・ミニアトゥーラは地下鉄3号線フアレス駅からすぐの場所にあり、シウダデラ民芸品市場や、国立芸術院(ベジャス・アルテス)などの観光地からも徒歩圏内にあります。

PROFILE

Miho Nagaya

長屋美保 ライター

メキシコシティの路地裏から見た生のラテン文化や社会を追い続けるフリーライター兼なんでも屋。雑誌、WEB、ラテン圏アーティストのCD解説、映画、コンサートのパンフレットなど、メキシコを中心としたラテンアメリカの記事を日本の媒体に執筆するほか、リサーチやスペイン語⇔日本語翻訳も行う。情報サイトAll Aboutのメキシコ公式ガイドでもある。

メキシコシティの路地裏から見た生のラテン文化や社会を追い続けるフリーライター兼なんでも屋。雑誌、WEB、ラテン圏アーティストのCD解説、映画、コンサートのパンフレットなど、メキシコを中心としたラテンアメリカの記事を日本の媒体に執筆するほか、リサーチやスペイン語⇔日本語翻訳も行う。情報サイトAll Aboutのメキシコ公式ガイドでもある。

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