絶景の宝庫、メキシコ
日本の国土の7倍近くの広さがあるメキシコには、自然や歴史によって生まれた絶景の宝庫。
そのなかから、一度は訪れてみたい選りすぐりの絶景スポットを案内します。
太古から脈々と続く神秘の泉、セノーテ
カリブ界の世界的リゾート地、カンクンがあるユカタン半島には、石灰岩大地に開いた穴に数百年かけて地下水が溜まって出来る泉、セノーテ(Cenote)が1000以上あります。神秘的な沼という感じですが、潜ってみると、その透明度の高さに驚かされます。
長い歴史をかけてできた泉、セノーテ ©Miho Nagaya
グランドキャニオンの約4倍の大きさ、バランカス・デル・コブレ
チワワ州のシェラ・タラウマラにある峡谷、バランカス・デル・コブレ(Barrancas del cobre)は、海抜1500~2400メートルの山脈にある6つの峡谷からなる地帯で、全体でおよそ6万平方キロメートル。なんと、アメリカのグランドキャニオンの4倍の大きさがあります。
峡谷の深さは1300メートルで、最も深いところでは1890メートルにおよぶとか ©Miho Nagaya
ピエドラ・ボラーダ(飛ぶ石)と呼ばれるぐらぐら動く巨石 ©Miho Nagaya
自然が作り上げた彫刻、石の滝「イエルベ・エル・アグア」
オアハカ州のミトラ近郊の渓谷にあるのが、イエルベ・エル・アグア(Hierve el agua)。高濃度のミネラル成分を含んだ水が、岩を溶かして、数千年かけて炭酸カルシウム化したことにより、まるで石の滝のようになっています。高さ約30mの滝の上には、天然のプールがあり、泳ぐことができます。
芸術作品のような石化した滝 ©Miho Nagaya
緑のなかにこつ然と現れる滝 ©Miho Nagaya
今でもわき水が出ている ©Miho Nagaya
天然のプールで絶景を堪能 ©Miho Nagaya
おとぎの国のようなグアナファト中心街
世界文化遺産に登録されるグアナファト州のグアナファト(Guanajuato)中心街。元々炭坑の町だったので、トンネルや丘の傾斜に無数にはりめぐらされた路地があり、それに沿って中世風な建物がびっしりと建てられています。まるでおとぎの国のよう。
カラフルな家がびっしり並ぶ ©Miho Nagaya
夕暮れの町に灯りがともる頃、息をのむほど美しい風景を眺めることができます ©Miho Nagaya
トルコブルーの海につかりながら古代遺跡を眺めるトゥルム
カンクンからもほど近いマヤ文明末期(13~15世紀)の遺跡トゥルム(Tulum)。カリブ海を見下ろす断崖の上に遺跡が立っています。遺跡の下には美しいビーチが広がっていて、トルコブルーの海で泳ぎながら、遺跡を眺めるのは格別です。
マヤ遺跡とカリブ海のコンビネーション ©Miho Nagaya
こんな美しい海を見下ろす遺跡はそうないのでは ©Miho Nagaya
白い砂浜と、どこまでも続くトルコブルーの海 ©Miho Nagaya
遺跡見学の後は敷地内のビーチでひと泳ぎできます ©Miho Nagaya
自然のトンネルのなかに現れる秘密のビーチ
ナジャリ州テピックにあるイスラス・マリエタス(Islas Marietas)
はユネスコの世界自然遺産にも登録される保護区。大自然が作ったトンネルのなかに突如現れるのが、通称「プラヤ・エスコンディーダ (Playa Escondida)」(かくされたビーチ)。このビーチへは、州政府公認のツアーを利用しないとたどり着けません。
異次元!クリスタルの洞窟
ナショナル・ジオグラフィックの記事『キラキラ輝く奇観、巨大結晶の洞窟』で採り上げられてから、世界中の話題をさらった、クエバス・デ・ロス・クリスタレス(Cuevas de los cristales)。
チワワ州のナイカ鉱山で2000年に見つかった透明石膏の巨大な結晶の洞窟です。
長さ11メートルに及ぶ結晶も見つかった Photo by Javier Trueba ©flickr /ROBISA – RODOLFO BIBER
洞窟内の気温は58度、湿度は100%にいたるため、ツーリストが気軽に来られるような場所ではなく、また水晶の保護のために一般公開はされていません。でも、いつか、この驚異的な景観を見にいってみたいものです。