英国人作家、Ann Morganさんはなんと、「一カ国一冊」のコンセプトのもと、一カ国に対して、その国で出版された本を一冊読むという挑戦に挑んだ作家です。彼女をそのような挑戦に掻き立てたものは一体何だったのでしょうか?
本の世界旅行をはじめたきっかけ
彼女の本棚に並ぶ本の多くが、イギリス小説でした。オーストラリアやインド、南アメリカで出版された本も少し読んでいましたが、ある日、英語を第一言語とする国の本ばかり読んでいる事に疑問を覚え始めたそうです。
そこで彼女がひらめいたのは、「一カ国一冊プロジェクト」です。
A Year of Reading the World というブログを立ち上げ、「おすすめの本を教えてほしい」と発信したところ、世界中の多くの人々が興味を持ち、彼女に連絡をしたそうです。著名作家が、執筆中の原稿を送ってくれるなんて事もあったそうです。
意外な苦労・アフリカ諸国の「一冊」がみつからない!
彼女が一番苦労したことは、本の出版が極端に少ない国の「一冊」を選ぶ事だったようです。特にアフリカの国々では、本の出版が少ないだけでなく、英語に翻訳されている本を見つけ出すのは容易な事ではありませんでした。
我々日本人は、本に囲まれている事が当たり前の環境で生活を送っていますが、それは世界共通のことではないのですね。
日本の本は?
日本の本では、作家、川上弘美氏の「真鶴」という2006年の小説を読んだそうです。その他にも、夏目漱石、司馬遼太郎、三島由紀夫、村上春樹氏などの本を、ブログ読者よりすすめられたよう。是非彼女から本の感想を聞いてみたいですね。
プロジェクトを終えてみえてきたもの
プロジェクトを終えてみて、彼女は「私は一人じゃない、世界と自分はつながっている」と強く感じるようになったそうです。また、プロジェクトを始める前に比べ、異なる文化や伝統、考え方を持つ人の気持ちに寄り添えるようになったと話しています。
読書を通して、広がっていく自分の世界。彼女の「一カ国一冊プロジェクト」は、私たちに新しい「旅のありかた、醍醐味」を提案してくれるように感じます。
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