スキーと聞くと、バブル時代を連想する人も多いのではないでしょうか。一昔前のレジャーというイメージのせいか、国内のスキー場は長らく厳しい経営を迫られてきました。ところが、数年前から状況が一変。オーストラリア、ニュージーランド、そして台湾やシンガポールからのスキー客が押し寄せて来たのです。さて、その理由とは?今日は、世界の観光客が日本の冬を目指すワケをご紹介します。
なぜ日本なのか?
世界にはカナダのウィスラーやフランスのトロワバレーなど、名だたるスキーリゾートがたくさん。それにも関わらず日本が人気なのは、本国からの距離と為替相場を始めとする予算の問題が関係しています。さらに、同時多発テロによる治安の悪化から、アメリカやカナダのリゾートから足が遠のいたということもあるようです。
オーストラリアやカナダのリフト券は、1日で100ドル前後と非常に高額。その点、日本なら1日5000円前後と格安なのも人気のようです。
スキーだけでなく、日本独自の文化を楽しめるのも魅力です。長野県にある地獄谷温泉は、Snow monkeys(スノーモンキー)が見られるとあって外国人に大人気の観光スポットです。
長野県野沢温泉で毎年1月15日に開催される道祖神祭りには、現地でスキーを楽しむ外国人観光客はもちろん、近隣の白馬村などからも見学に押し寄せます。
目指すはパウダースノー
北海道ニセコ町や、長野県白馬村のスキー場へ足を運ぶと、日本人の姿はほとんど見られないことに気が付くでしょう。その代わりに、至るところで出会うのはオーストラリア人などの外国人観光客。その数は圧倒的で、一瞬海外のスキーリゾートにいるのかと錯覚を覚えるほどです。そんな彼らが大好きなのは、天然のパウダースノー。パウダースノーは、水分が少なく粉のように細かく軽いのが特徴で、ふわふわしています。
煙のように見えるのは舞い上がったパウダースノー。オーストラリアの雪は、水分を多く含んで重いのに加え、降雪機を使用することもしばしばで質が良いとは言えません。
ニセコや白馬の雪質は、欧米の有名リゾートのものに匹敵すると言われるほど。
ニセコはリトル・オーストラリア
ウィンタースポーツを目的とした外国人観光客が、まず最初に目を付けたのが北海道ニセコでした。今では、ニセコの街を歩くと洗練されたデザインの建物が目につくことが少なくありません。そこは、まるでリトル・オーストラリア。外国人経営のサービスアパートメントやコンドミニアムが多く、中には別荘を所有する人もいます。
ニセコにあるラグジュアリー感あるアコモデーション『Seshu Niseko』。
日本と西洋デザインの要素がコラボレーションして作られたとされる高級宿泊施設『Akazora』。ニセコヴィレッジの中心部にあります。
こちらの『hangetsu』も外国人に人気のアコモデーションです。
雪という意外な一面が、世界の注目を集めている日本。雪を目当てに来日したのがきっかけで日本の大ファンとなり、リピーターになる人が多いのも特徴です。今年の冬は、思い切ってスキー場へ出かけてみると、新しい出会いがあるかも知れませんね。
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