マレーシア・ペナン島。「東洋の真珠」とも呼ばれるこの島には、深いインディゴブルーに染まったホテルがあります。そのエキゾチックな姿に引きつけられる旅人は後を絶たず、今では東南アジア有数のホテルとして、その名を轟かせています。今日は、そんな「チョン・ファッ・ツィー・マンション」をご紹介します。
別名「ブルーマンション」
首都クアラルンプールから、車を走らせること約3時間。ペナン島の州都ジョージタウンに凛と佇む、インディゴブルーに染まったホテル。かつて、この地で莫大な富を築いたチョン・ファッ・ツィー氏の持ち家だったこの建物は、2000年にユネスコ世界文化遺産建築保存賞を受賞しました。
深いインディゴブルーに覆われた外壁。今ではブルーマンションと呼ばれ親しまれています。
19世紀末に中国から職人を呼び寄せ、故郷である中国の伝統的建築にこだわり建てられました。
南国に映えるインディゴブルーが、しっとりとした雰囲気を醸し出します。
風水に守られた空間
ブルーマンションの特徴は、その色だけでなく、建物全体が風水の決まりにのっとり建てられたことにもあります。家の正面が海に面し、裏に丘が見えるのは景色のためだけではありません。インテリアにまで厳密な風水の教えを取り入れたブルーマンションは、風水的に見て“完璧”であるとさえ言われます。それでも、洗練された空間を保っているのは、東と洋の文化を上手に融合させたためだと言えそうです。
中庭は“気”が集まる重要なスポットです。風水師により中庭の場所が選ばれてから、残りの建築に取り掛かったそうです。
床のタイルとステンドグラス窓が、得も言われぬ雰囲気を醸し出します。
インディゴブルーによく映える、漆黒のらせん階段。ここにも洋の影響が見られますね。
客室へと続く廊下も、クラシカルな雰囲気が素敵です。
まるで異次元に来たかのような雰囲気。いつまでも滞在していたくなりそうです。
ペナンのみならず、中国やインドネシアにまで複数の家を持っていたというチョン・ファッ・ツィー氏ですが、中でもこのブルーマンションは一番のお気に入りだったと言われています。その理由は、宿泊した旅人だけが知ることのできる秘密なのでしょう。
[CHEON FATT TZE MANSION]
[Photo by shutterstock.com]