世界最大の宗教遺跡、ティオティワカン(紀元前2世紀ごろ)など世界文化遺産に登録される遺跡10件を含む110以上の遺跡が存在するメキシコ。スペインに侵略された後に、「メキシコ」という国が生まれましたが、それよりずっと前からメキシコのルーツである先住民文化は息づいており、現代メキシコ人の心には、いつでも古代への憧れや、敬意があります。そんな思いが伝わる古代神話にインスパイアされた現代建築を3つ紹介します。
メキシコシティ、ピラミッドのような「アナワカリ博物館」
「【メキシコシティ】巨匠芸術家ディエゴ・リベラが残した圧巻の壁画3選」の記事でも紹介したメキシコ3大壁画家のひとりのディエゴ・リベラ(1886-1957)。メキシコを代表する画家、フリーダ・カーロの夫だったことでも知られています。先スペイン期の出土品や発掘品の貴重な彼のコレクションを展示するために1955年に建てられたのが、アナワカリ博物館 。まるでピラミッドのような独特な建築は、メキシコ国立自治大学(UNAM)や、リベラとフリーダの住居件スタジオも手がけた建築家のフアン・オゴルマンにより設計されました。
迫力の外観 © Museo Anahuacali
内部も遺跡のように見える © Museo Anahuacali
展覧会だけでなく、コンサートなどのイヴェントも開催されます。
フリーダ・カーロ博物館の入場券にこの博物館のチケットも付いているので、併せてどうぞ!
メキシコ州の「ケッツアルコアトルの巣」
TABIZINE記事『【建築ファンは必見!】メキシコシティ「注目」の現代建築4選』で紹介した「オウム貝の家」を手がけたメキシコ人建築家、ハビエル・セノシアンが、メキシコ州ナウカルパンの16500㎡の土地を使ったマンション「Nido de Quetzalcoátl」(ケッツアルコアトルの巣)。ケッツアルコアトルとはアステカ神話に登場する鷲の頭を持った蛇。
谷や傾斜などの元からあった自然の形状をほとんど生かすように設計されており、広大な土地のなかにわずか10世帯しか住んでいないという、贅沢な場所です©Javiel Senocian
メキシコシティのスケートパーク「テンプロ・マヨール」
2014年10月にできたばかりのスケートパーク、テンプロ・マヨールは、メキシコシティに所在。ナイキが支援し、メキシコ政府の運営する青少年育成のための機関、instituto de la juventud が運営する公園、Parque de la juventud (住所:Prolongación Calle 10, Alvaro Obregon、D.F.)内に誕生した施設です。
テンプロ・マヨールとは、アステカ帝国の重要な神殿のこと(ちなみに遺跡はメキシコシティの中心部ソカロ隣りのテンプロ・マヨール博物館 にあります)。その神殿にオマージュを捧げたスケート・パークで、ユニークな姿が話題を集めています。
テンプロ・マヨールにインスパイアされたスケートパーク©instituto de la juventud