社会問題への意外な取り組み方がおもしろい
アメリカを越えて世界一の肥満大国となってしまったメキシコ。首都メキシコシティでは、大気汚染やゴミ問題も深刻です。そんな社会問題を解決するための活動を、保健省や、環境省、地下鉄、バスといった公共交通機関が採用しはじめました。
スクワットで地下鉄運賃無料
スクワットを10回したら地下鉄運賃が無料という活動を始めたのが、メキシコ保健省です。設置されている機械の画面部分で10回スクワットすると、一回の運賃無料券が発行される仕組み。肥満問題が深刻なメキシコの問題を解決するため、市民にもっと運動してもらいたいという意図があるとか。現在メキシコシティの地下鉄や、メトロブスといった市政府運営の交通機関の15駅に設置しています。
保健省大臣自らが、スクワットを披露する姿が、日本をふくむ世界中でニュースとなって話題を集めています。
画面の前でスクワットする (C)Facebook/Secretaría de Salud del Distrito Federal
保健省大臣がスクワット実演。かなりつらそう・・・。 (C)Facebook/Secretaría de Salud del Distrito Federal
【映像】
https://www.youtube.com/watch?v=tmqAWtE5C9A
ペットボトルや缶がバス代や商品券に
メキシコシティでは、空きペットボトルや缶、ガラスなど、再利用できる資源の8割以上がリサイクルされず、ゴミ集積場に捨てられ続けています。そんななか、メキシコの会社「Heng Sheng Plastic Mx」が開発した機械に空きペットボトルや缶を投入すると、その量に応じて、メトロブス(メキシコシティ運営のバス)の運賃や商品券に換えられ、高齢者支援や教育のための財団に寄付もできるというシステムが、生まれました。
ペットボトルは潰さないで、そのまま投入する (C)Heng Sheng Plastic Mx
ペットボトルをものすごい集めてるおじさん (C)Facebook/Heng Sheng Plastic Mx
現在メキシコシティのクアテモック区役所や、地下鉄の駅などに設置されています。今後はメキシコ全土への設置を増やしていくようです。
思わず利用したくなる音楽階段
メキシコシティの地下鉄ポランコ駅は、メキシコでもっとも深い地下鉄の駅であり、とても長い階段があります。ほとんどの人々は、階段を使うことはなく、その横に設置されたエスカレーターを利用していました。しかし、2014年9月に階段をピアノの鍵盤に見立てて、音が鳴るように「音楽階段」にしたら、一気に階段を使うひとが増えたのだとか。
ピアノの音が鳴って気分がウキウキしそう! (C)MXCITY
このシステム、メキシコシティの地下鉄とメキシコ国立高等理工科学院が開発したもので、とくに子どもたちに大人気。子どもの肥満も社会問題となっているメキシコにとって、運動不足の楽しい解決策となっているようです。
【映像】「音楽階段」をレポートしたメキシコのニュース。