山の上で見られる現象
高い山の上から眼下の雲海を眺めていると、時折不思議なものを目にすることができます。
妖怪のような大きな影法師のまわりに、虹色の後光が差しています。一体これは何なのでしょうか。
日本では、昔から「御来迎」と呼ばれ、後光を背負った阿弥陀如来の出現と考えられてありがたがられてきました。ドイツのブロッケン山でもよく見られることから、一般的にこの現象は「ブロッケン現象」と呼ばれ、この山で魔女の饗宴が行われているという言い伝えも残っています。
雲海をスクリーンにするとできる
ブロッケン現象が起こる条件は、雲や霧などが眼下にあること。そして、影を映し出す太陽が背後にあることです。雲や霧が影を映すスクリーンの役割を果たすと、ブロッケン現象が起こるのです。
主に高い山の頂上などで見られますが、山に登らなくても見ることができます。
ご覧のとおり、飛行機が雲海の上を飛んでいるときにも。小さな飛行機の形の影が飛行機と一緒に動いているのがカワイイ! フライト中に窓の外を覗く楽しみが増えますね。
福島県の只見町では、只見川にかかる橋の上から、川霧にうつるブロッケン現象を見ることができます。また、霧の濃い夜に、車のライトを背後から当てて人工的に作り出すこともできるのです。
雲海や霧が眼下に広がり、太陽が背後にあるときがチャンス! もしそんなシチュエーションに遭遇したら、ブロッケン現象を探してみましょう。
[只見町のブロッケン現象]
[あおぞらめいと]
[Photo by Shutterstock.com]