世界が恋する国クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

Posted by: 小坂井 真美

掲載日: Aug 3rd, 2015

世界が恋する国 クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

クロアチアで暮らしていると、旅行に来られた方のこんな言葉をよく耳にします。

「クロアチアにすっかり恋てしまいました。クロアチアみたいな国に住みたい」
「かつて日本にもあった、今は失われつつある何かを感じました」

そして特に興味深いのが「経済的に豊かな国じゃないはずのに、貧しさを感じない温かい国でした。どうしてでしょうか?」という声。

確かに、日本や西欧の先進諸国と比べると、経済的に決して豊かではないクロアチア。それなのに、町を歩いていても悲壮感や閉塞感をあまり感じることはありません。クロアチア人の幸せの秘密とは、一体何なのでしょうか?

そこで今回は、この国での日々の暮らしを通して、筆者がクロアチアの人々から学んだ幸せな人生を送るための11のヒントをお伝えします。

ポラーコ

世界が恋する国 クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

私たち日本人の感覚からすると、のんびり過ぎるくらいのんびり屋さんのクロアチアの人々。「時間がない!」と焦っているていると、彼らは笑顔で魔法の言葉を口にします。

「ポラーコ」

意味は「ゆっくり」。あせらず、慌てず、ゆっくりと。本当にそんなに急ぐ必要はありますか? 急ぎすぎて大切な事を見落としてはいないでしょうか?

今を生きる、今を楽しむ

世界が恋する国 クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

明日は明日の風が吹く。

そんな風に生きているクロアチアの人々の姿は、時には「無計画」に見えるかもしれません。ですが、何が起きるかわららない人生。「ひょっとすると今日が最後の1日かも・・・」。そう思うと毎日がかけがえのないものであることに気がつきます。

どんなに楽天家に見える彼らだって、将来に不安をまったく感じていないのではありません。でも、「今」を楽しむことの大切さをよく知っているのです。まだ来ぬ未来を心配するあまり、今日、今この瞬間起きているたくさんの素敵な時間を失ってはいないでしょうか。仕事、お金、健康、生活。私たちの人生には日々不安の種が尽きませんよね。将来に計画性を持つことは大切ですが、必要以上に将来のことを考えて不安になっても仕方がありません。私たちは数年先の事はもちろん、たった一瞬先の未来のことでさえわからないのです。

どうせ同じ時間を生きるなら、少しでも多くの楽しい時間を過ごしませんか。家族や友達、愛する人たちと、少しでも多くの素敵な思い出を残しませんか。

細かいことにこだわらない

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日本人の目には、時に大雑把でお気楽に映るクロアチアの人々。

些細なことまで気を配り、完璧に仕上げるのは素晴らしいことだと思います。完璧主義は自分自身の成長にとっても大切なことですよね。でも、いつもいつも、すべてが完璧であることにこだわる必要は本当にあるのでしょうか? 完璧主義の人は自分自身だけではなく、周囲にも完璧を求めがち。いろんな物事、いろんな人がいて成り立っている世の中、完璧を求めすぎると、きっといつか息が詰まってしまいます。

要点をしっかりと抑え、やるべきことをこなしていれば、物事はあるべき方向へ進むもの。少し肩の力を抜いてみませんか。

期待しすぎない、時にはあきらめることも大切

世界が恋する国 クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

何事もなかなか思い通りに進まないクロアチア。「相手にこうしてもらえてあたりまえ」「物事はこうあるべき」このような思い込みは捨ててしまいましょう。このような思い込みや期待を持っていると、毎日イライラの種が増えるだけです。

「トラムがスケジュール通りに運行しない!」「人が待ち合わせ時間に来ない!」「店員さんの対応が良くない」「約束が違う!!」・・・。こんなことは日常茶飯事。そんな時、彼らは笑いながらこう言います「だって、仕方がないじゃないか」。

管理が徹底された社会のシステムを作ることは素晴らしいことですし、人との約束を守ること、自分に与えられた役割をきっちり果たすことはとても大切なことだと思います。ですが、他人ありきの人間社会では、あまり「こうあるべき」という思い込みが強いと、物事が思い通りに行かなくなった時、自分が息苦しくなる一方ではないでしょうか。

世の中には些細なことから大きなことまで、どんなにエネルギーを使っても自分が変えることができないことがたくさん存在します。自分のやるべきことはしっかりやって、自分ではどうしようもできないことは、流れに身をまかせましょう。「仕方がない」「なるようになる」こう思える余裕を心に持つことが、毎日笑顔で楽しく過ごすための秘訣なのではないでしょうか?

自分がそうしたいからそうする

世界が恋する国 クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

自由奔放なクロアチアの人々。「自分がそうしたいからそうする」という気持ちをとても大切にしています。

もちろん、社会生活を送る上で協調性や気配りは大切ですが、他人からどう思われているかを気にしすぎたり、自分を犠牲にし過ぎるのも考えものです。「みんながこうするから、自分もこうする」「あの人がこう言ったから、こうした」。自分の気持ちを押し込めてばかりいては心の中に不満が積もり、いつしか周囲との人間関係や自分自身の心までも押し潰してしまいます。

自分が選んだ人生を生きている人は、とてもキラキラと輝いています。一度きりの人生、自分が生きたい人生を歩みませんか。

思いを伝える

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喜怒哀楽が激しいクロアチアの人々。心の中に思いを押し込めておくのが苦手な彼らは、思ったこと、感じたことを何でもすぐ口にします。それが時にはストレート過ぎて、喧嘩の種となることもしばしば。

それでも「言いたいことは言わないと伝わらない」と、そんなことはお構いなしです。より良い人間関係を築くには、はっきりと思いを伝えることは大切なことだと思うのです(もちろん、相手の気持ちを汲んだり、言葉を選ぶことは大切です)。特に「ありがとう」「愛してる」「一緒にいられて幸せだよ」など、ポジティブな言葉は、伝えられる時にその思いを伝えて。人生はいつ終わりを迎えるのかわからないのですから。

自然を感じて、感謝する

世界が恋する国 クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

大自然が息づく美しいクロアチア。日々の暮らしの中で自然を身近に感じられる場所がたくさん存在します。太陽の光をたっぷりと感じられるカフェのテラス席、海辺のベンチ、公園の木陰や芝生の上・・・。

全身で自然を感じましょう。そうするだけで、どんなに忙しい都会の中でも一瞬、日常から開放されたような気分に。ただ生きていることに感謝したくなるような幸せな気持ちが心を満たしてくれることでしょう。

自分のルーツに誇りを持つ

世界が恋する国 クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

愛国心が人一倍強いクロアチアの人々。大国に翻弄され続け、つい20年ほど前には悲惨な経験をして、やっと自由と平和を手に入れたクロアチア。そんな国の人々は、人一倍、自国に対する誇りが高く、自分の国のことをよく知っています。

生まれた国、自分のルーツ、育った環境。こうした一生変えることができないものに誇りを持つということは、ありのままの自分を受け入れる、自分自身を肯定することへの第一歩ではないでしょうか。

ナ・ファカ

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クロアチアを旅すると、温かくて親切な人々にたくさん出遭うことでしょう。「見知らぬ外国人に、どうしてこんなに親切にしてくれるの?」。こう尋ねると、きっとこんな答えが返ってくるはず。

「ナ・ファカ」

日本語に訳すと「情けは人の為ならず」といったところでしょうか。「他人に親切にするのは、やがていつか自分に帰ってくるから。困った時はお互いさま」私たちみんなが「ナ・ファカ」と口にできる余裕を心に持つことができれば、この世界はもう少し住みやすい場所となると思うのです。

世界で一番かけがえのないもの、それは家族

世界が恋する国 クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

家族をとても大切にするクロアチアの人々。離れて暮らしていても、毎週末の電話はもちろん、事ある毎の帰省を欠かしません。「この世で一番大切なものは家族」。人々はみんな口を揃えてこう言います。

心から愛する人がいる、心からて愛してくれれる人がいる。あたりまえのようでかけがえのないこの事実に気がづくだけで、世界はきらめきはじめるのです。

毎日の小さな幸せをかみ締める

世界が恋する国 クロアチアに学ぶ、幸せな人生を送るための11のヒント

ある時「将来が不安だ」「幸せになりたい」と度々嘆いていた筆者に、ある女性が不思議そうにこんな質問を投げかけてきました。「あなたには住む家もある。仕事もある。食べるものにも困らない。元気であなたを愛してくれる家族や友達がいる。それなのにどうしてあなたは不安なの? どうして幸せじゃないの?」その女性は戦争で家を破壊され、大切な家族やたくさんの友人を亡くし、終戦後に一からすべてを立て直した人でした。

これは極論なのかもしれませんが、あたりまえの日常や小さな幸せをかみ締めて感謝しながら過ごすということこそ、幸せな人生を送るために一番の大切なことなのだと気づかされました。

そう、幸せはいつも私たちの心の中にあるのです。

いかがでしたでしょうか?
より心豊かに幸せな人生を送るためのヒントになれば幸いです。

[All Photo by Shutterstock.com]

PROFILE

小坂井 真美

小坂井 真美 ライター

クロアチアの首都ザグレブ在住。現地での色々な仕事の傍ら、フリーライターとしてクロアチアを中心とした南東欧諸国について執筆。趣味は街歩き、食べ歩き、寺歩き、そぞろ歩き。仲間、明るい太陽とおいしいごはんがあれば幸せ。人生は旅。たくさんのモノ・人・土地と出逢いをエネルギーに、日々心の赴くままに邁進中。

クロアチアの首都ザグレブ在住。現地での色々な仕事の傍ら、フリーライターとしてクロアチアを中心とした南東欧諸国について執筆。趣味は街歩き、食べ歩き、寺歩き、そぞろ歩き。仲間、明るい太陽とおいしいごはんがあれば幸せ。人生は旅。たくさんのモノ・人・土地と出逢いをエネルギーに、日々心の赴くままに邁進中。

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