広域の地図で日本海側を見ると、海に突き出した能登半島が目立ちます。朝市や漆器で有名な輪島、七尾湾の景観を目の前に楽しめる和倉温泉、小さな田んぼが折り重なる白米千枚田など、いろいろな観光名所がギュッと詰まっている半島ですが、その先端に日本三大聖域の1つがあるとご存じでしたか?
そこで今回は、石川観光連盟「ほっと石川旅ねっと」などを参考に、能登半島の先端にあるパワースポット、珠洲(すず)岬とその岬にある葭ヶ浦(よしがうら)温泉を紹介します。
能登半島先端は日本三大聖域の1つ
日本海に突き出した能登半島沖は、南からの暖流(対馬海流)と、ロシア沿海州の都市オリガの沖合あたりで分岐する北からの寒流(リマン海流)の一部が合流する場所として知られています。
また、熱帯地方の熱エネルギーが温度差によって北極へ運ばれる大気の流れがあり、その熱移動の境界線となる北緯38°線が能登沖を通っています。
大気や海流のエネルギーが交差する場所が能登沖であり、まさにその能登沖に向かって突き出している岬が珠洲(すず)岬なのですね。富士山、長野の分杭峠と併せて日本三大聖域として知られ、パワースポットが好きな人にも広く認知されています。
(C) 石川県観光連盟
「パワースポット? 何だか怪しい・・・」
という方も居るかもしれませんが、「得体の知れないパワー」を目当てにしなくても純粋に美しい岬ですし、周辺には日本渚100選にも選ばれる透明度抜群の鉢ヶ崎、明治16年完成の禄剛崎灯台、日本海側一帯の守護神としても知られる国の天然記念物の須須神社など観光名所には事欠きません。
次の段落で詳しく説明しますが、珠洲岬には海と岸壁の境目に温泉がわき出していて、世界中から観光客が足を運ぶ有名な秘湯の宿もあります。
金沢あるいは富山市あたりからレンタカーで出発して能登半島を一周する場合、珠洲周辺を宿泊地に選ぶと無理のないペースで旅が楽しめます。能登旅行の際には要チェックのエリアです。
世界中から宿泊客を呼び寄せる「ランプの宿」も珠洲岬にはある
(C) ランプの宿
能登半島の先端には温泉(葭ヶ浦温泉)があると言いましたが、同地には海外からも観光客を呼び寄せるほどの有名な「ランプの宿」があります。
葭が浦温泉は450年以上も前から続く能登先端の秘湯として名高いですが、その温泉地にはランプの照明が幻想的な空間を作る秘境の宿があり、さまざまなタイプの露天風呂が用意されています。周辺には空中展望台や青の洞窟などがあり、ランプの宿のプライベートビーチもあります。
(C) ランプの宿
能登半島を一周する時間的な余裕がない場合は、羽田空港との航路のみになりますが、のと里山空港を利用して一気に能登半島の先端近くまで行ってしまう手もあります。
空港からふるさとタクシーやレンタカーを使って1時間半ほど移動しなければなりませんが、最短で行けるルートになりますので、併せて検討してみてください。
以上、能登半島の先端、珠洲岬の魅力を紹介しましたが、いかがでしたか? パワースポットを目指して行ってもいいですし、秘境の温泉宿を目指して足を運んでも秘湯を満喫できます。
冒頭でも触れた通り、周辺には観光スポットが豊富にありますので、できれば時間的なゆとりを持って、北陸旅行の一環で楽しんでみてくださいね。
[よしが浦温泉(ランプの宿) – ほっと石川旅ネット ] [Photo by Shutterstock.com ]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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