映画「マイ・インターン」に見る、日米でのプロモーションの違い

Posted by: Maki

掲載日: Nov 14th, 2015

アン・ハサウェイ出演で大ヒットした「プラダを着た悪魔」の続編とも言われている映画「マイ・インターン」。日本では10月10日に公開され、オシャレなファション業界で奮闘する主人公を描いた映画が話題となっています。

映画「マイ・インターン」に見る、日米でのプロモーションの違い
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン

でも映画を見た方の中には、とてもいい映画だったけど、なんとなく思っていた内容と違った、なんて感じた人もいるのではないでしょうか。実は同じ映画でも、実際に映画を製作したアメリカではまったく違った形でプロモーションされているというのをご存知ですか?

日米オフィシャルサイトでの違いを比較

華やかなファッション業界で成功し、結婚してプライベートも充実、現代女性の理想の人生を送るジュールズ。そんな彼女の部下にシニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールズだが、いつしか彼の的確な助言に頼るように。彼の“豊かな人生経験”が彼女のどんな難問にもアドバイスを用意し、彼の“シンプルな生き方”はジュールズを変えていくー。そんな時、ジュールズは思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られることに!

映画「マイ・インターン」オフィシャルサイトより

こちらは日本版の映画紹介。仕事にプライベートに充実しているカッコいい女性・ジュールズの試練を描いています。

そしてこちらはアメリカのオフィシャルサイトでの映画の紹介。

70-year-old widower Ben Whittaker has discovered that retirement isn’t all it’s cracked up to be. Seizing an opportunity to get back in the game, he becomes a senior intern at an online fashion site, founded and run by Jules Ostin.

The Intern Official Movie Site

(日本語訳)
妻に先立たれた70歳のベンは、退職後の生活が夢見ていたものとは違っていると感じていた。社会復帰を目指すため、ジュールズの経営するファッションサイトのシニア・インターンに応募することを決意する。

“インターン”というタイトルでも違いが分かる

映画「マイ・インターン」に見る、日米でのプロモーションの違い
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン

日本語版の紹介では「マイ・インターン」というタイトルからも、主人公はアン・ハサウェイの演じるジュールズであり、彼女の元にやってきた「私のインターン」との仕事を通じての成長、ストーリーも彼女の視点から描かれている映画だという印象を受けます。

映画「マイ・インターン」に見る、日米でのプロモーションの違い
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン

対するオリジナル版の原題は「The Intern」はインターンとして働くベンのことを指していることから、主人公はロバート・デ・ニーロが演じるベンであり、オリジナル版の映画紹介にもあるように彼がジュールズと出会うところからストーリーが始まっています。

映画の内容も、ジュールズの成長を描いているという点では日本語版の映画紹介も間違いではありませんが、実際には冒頭からベンの視点で語られている部分の方が大半を占めています。

映画のキャッチコピーも、日本語版では「アドバイスひとつで、人生は輝く」となっていますが、オリジナル版は「Experience never gets old(経験は決して歳をとらない)」となっていることからも、日本とアメリカでジュールズとベンのどちらに視点を向けているかの違いが分かりますね。

映画「マイ・インターン」に見る、日米でのプロモーションの違い
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン

日本語版ではやはり大ヒットした「プラダを着た悪魔」のイメージを強く残したかったことから、ファッション業界で活躍するジュールズにスポットを当てたかったのでしょう。

映画「マイ・インターン」に見る、日米でのプロモーションの違い
(C) facebook/ワーナーエンターテイメント ジャパン

実はこのように同じ映画でも、各国の文化やイメージに合わせて、その国でよりヒットするようにタイトルやプロモーションの方向性を変える戦略はよく使われています。実際に映画を見て少し違和感を感じたことがある人は、オリジナル版のタイトルや予告を探ってみるとおもしろい事実が発見できるかもしれませんよ。

PROFILE

Maki

Maki ライター

旅することを仕事にして、国内・海外問わず1年の3分の1はどこかをうろついている。ライフワークである世界の若者との文化交流から学んだ経験をシェアすべく、執筆を始めたばかりの駆け出しライター。どこへ行くにもカメラと音楽、コーヒーは欠かさない。趣味はスノードーム集め。

旅することを仕事にして、国内・海外問わず1年の3分の1はどこかをうろついている。ライフワークである世界の若者との文化交流から学んだ経験をシェアすべく、執筆を始めたばかりの駆け出しライター。どこへ行くにもカメラと音楽、コーヒーは欠かさない。趣味はスノードーム集め。

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