20世紀のパリを代表するデザイナーといえば、ココ・シャネル。概念にとらわれない新しいスタイルで、パリのファッション界に革命を起こしました。ココ・シャネルは揺るぎない信念のもと、ファッション界で成功を収めていきます。「シャネルスーツ」を生み出し、シンプルで機能的なスーツは女性を解放したとも言われているほど。
ココ・シャネルはパリでどのように人生を歩んできたのでしょうか。シャネルが過ごしたパリの地を巡ってみたいと思います。
サロン・ド・テ「アンジェリーナ」
ココ・シャネルはリヴォリ通りにあるパリの老舗のサロン・ド・テ「アンジェリーナ」へ毎日のように通っていました。1903年創業の「アンジェリーナ」はベルエポックの残り香が感じられる場所。この歴史ある空間ではゆったりとした優雅な雰囲気を味わえます。
ココ・シャネルは「アンジェリーナ」でホットショコラを飲んでいました。ここのホットショコラはショコラパウダーではなく、チョコレートを丹念に溶かした本物。チョコレートの奥深い味がしっかりと感じられます。
アンジェリーナのホットショコラはニジェール、ガーナ、コートジボワールの3種類のカカオを使用し、レシピは企業秘密という徹底ぶり。ココ・シャネルが毎日のようにホットショコラを飲んでいたのがわかる美味しさです。
ココ・シャネルはいつも大きな鏡のある壁側の10番の席に座っていたそうです(現在は45番になっています)。ココ・シャネルはこのテーブルに座り、何を考えどんなひとときを過ごしていたのでしょうか。
ヴァンドーム広場にあるオテル・リッツは上流階級の人々や著名人、芸術家が滞在するパリを代表するホテルのひとつ。映画や小説でも度々オテル・リッツは舞台地となり、上流階級の象徴として描かれています。
ココ・シャネルは1971年に亡くなるまで、オテル・リッツのスィートルームに滞在し続けました。シャネルの死後、ココ・シャネルスィートとして一般に公開され、シャネルの調度品で装飾され、シャネルの世界観を再現した部屋になっています(2016年1月現在オテル・リッツは改装工事中)。
ココ・シャネルのアパートメント
カンボン通り31番はシャネルの本店があります。1階はシャネルのブティックで、3階はココ・シャネルが生活をしたアパートが現在も当時のまま保存されています。ココ・シャネルは友人たちをディナーに招待したり、読み物や書き物をしたり、ごく普通に生活をしていました。
このアパートを訪れたフランスの新聞の記者はこう評しています。「ここにはココ・シャネルの魂が今もまだ宿っているようだ」。残念ながらシャネルのアパートは一般には開放されていません。British Vogueがシャネルのアパートを訪れた時に撮影したビデオが公開されているので、アパートの様子はこちらで見てみてくださいね。
こうしてココ・シャネルの過ごしたパリの地を辿っていくと、偉大なデザイナーの素顔が少し垣間みれるようです。シャネルの過ごした当時のパリは今もここに変わらずあります。ココ・シャネルの過ごしたパリに思いを馳せる旅も、素敵かもしれませんね。