イタリアの定番観光といえば、ベネチア、ローマ、ミラノ、どれも見所たくさんの美しい都市ですが、そんな観光定番ルートを離れて、自由に訪れてみたい町ってありますよね。
テレビでもよく、“○○の美しい村” なんて特集があって、行ってみたくなりますが、そういうところって、観光定番ルートに入らないのは、行きにくいというのも理由のひとつ。自力で行こうにも公共交通機関が充実しておらず、レンタカーでもなければ行けないなんてことが多いものなのです。しかし、探せばあります。電車やバスで簡単に行けて、観光定番ルートにはない美しい町。
今回はそのうちのひとつ、ローマから電車1本、約1時間で行ける、世界一美しい丘上都市といわれる「オルヴィエート」を紹介いたします。
世界一美しい丘の上の都市「オルヴィエート」
オルヴィエートはローマの北、イタリアのほぼ中央、ウンブリア州にあります。その起源はとても古く、紀元前古代エトルリア時代とされています。切り立った凝灰岩の丘の上にあり、この絶壁が自然の要塞の役割を果たし、町を守っていました。
中世には教皇庁とのつながりも深く、発展した町は、その当時の美しい町並みを残しています。
中でも素晴らしいのがオルヴィエート大聖堂。イタリアのゴシック建築の中でも最も重要な建築のひとつです。美しく輝くモザイクに、素晴らしい浮き彫りを施した飾りの付け柱。細やかな細工が全面に施されたファサードは圧巻の美しさです。
中世の面影を残す町を散策するのも楽しみ。
雰囲気のある裏路地に、
かわいらしいショップも多くあります。
町を歩くごとに現れる魅力的な建物に、楽しくお散歩は続くでしょう。
次の写真の教会の奥に見えるモローの塔には上ることも出来ます。
塔から眺める町の景色。先述した大聖堂の大きさがよくわかります。塔からは町の下に広がるウンブリアの美しい緑の大地も望むことができます。
町歩き以外にも、町のしたにある古代洞窟のツアーや、法王の命によって作られた深さ62mもあるサン・パトリツィオの井戸など、他にはない珍しい見所もあって色々と楽しめます。
町の特産の白ワイン、いのししのサラミ、鳩などのジビエ料理、ピチという名の太麺パスタなど美味しいものもたくさんありますすよ。
オルヴィエートへの行き方
オルヴィエートへは、ローマから電車1本で行けます。「Roma Termini」駅から、普通列車またはIntercity(快速電車)に乗って、1時間ちょっと、「Orviet」駅下車。駅を降りたらすぐに、丘の上に上るケーブルカーがありますので、それに乗って町へ上がって到着です。電車の時刻はイタリア国鉄のHPから調べることができます。
ローマから十分日帰り観光可能な距離で、1日見て回る見所も十分です。夜は暖かな光でライトアップされて、またいい雰囲気なので、そちらも含めてゆっくり楽しみたい方は泊まってみるのもいいですね。さらに、オルヴィエートからは、絶景の町「チヴィタ・ディ・バーニョレージョ」行きのバスも出ていますので、ここを拠点にして、そちらへもぜひ足を伸ばしてみてください。
[Photos by Ryoko Fujihara & Shutterstock.com]
Ryoko Fujihara フォトグラファー&ライター
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。
【ローマ・ナポリ・プロヴァンス】忘れられない朝食の思い出
Oct 5th, 2023 | ロザンベール葉
TABIZINE10周年を記念して、ライターそれぞれが自由に綴る旅エッセイ。第5回目は、京都在住のロザンベール葉さん。「旅行の際、“食”は最も重要なテーマですよね。朝食、ランチ、ディナーとそれぞれに魅力がありますが、10周年に寄せての今回は、朝食にフォーカスしたいと思います。シンプルな中に、その土地の要素がたっぷり詰まっている朝食。特に忘れられない、イタリアのローマとナポリ、フランス・プロヴァンスの思い出をお届けします」
“動くホテル”で行くリーズナブルな旅!新時代の「クルーズ旅」の魅力とは?
Nov 19th, 2020 | kelly
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的拡散によって、クルーズ業界は多大な影響を受けているのは周知の事実です。が、世界各国のクルーズ会社が運航再開に向けて舵を切っています。そこで今、クルーズ旅の魅力について、改めてご紹介します。
ローマと深い関係が!?トスカーナの中世都市シエナの「白と黒」の謎に迫る【
Mar 15th, 2020 | 川合英介
ローマとフィレンツェの中間にあるトスカーナの中世都市シエナ。この街では白と黒のコンビネーションがとても重要な意味をもっているそうです。例えば、カテドラルに一歩足を踏み入れると、白と黒のストライプに目を奪われます。また、街の至る所で白と黒の紋章が目につきます。なぜ、この白と黒がシエナの街にとって重要なのか、その謎に迫ります。
イタリア旅行で見逃せない!ミケランジェロの神業によって生まれたフィレンツ
Feb 6th, 2020 | 川合英介
フィレンツェの色といえば何色を思いだしますか。多くの人は、大聖堂のドームの屋根の瓦の色、赤茶けたオレンジを思い浮かべるかもしれません。実際、フィレンツェの街を歩いてみると、大理石の色が強く印象に残りました。特に大聖堂の壁は白とピンク、緑の大理石で覆われていて、派手な印象です。今回はフィレンツェでミケランジェロを巡る旅をご紹介します。
知ってた?レモンづくしの街「リモーネ」、名前の由来はレモンというわけでは
Jan 4th, 2020 | 川合英介
イタリア最大の湖、ガルダ湖の西岸にある小さな街、リモーネ。かつてレモン栽培で栄えた街は、レモン博物館を筆頭に、街路表示にレモン、店にはレモンのリキュール、レモンチェッロやレモングッズが並び、まさにレモンづくし。ところが、どうやら名前の由来はレモンではないらしい!?レモンの香に包まれた小さな街の魅力をご紹介します。
旅漫画「バカンスケッチ」【59】これぞ絶景!?
Jul 24th, 2019 | たかさきももこ
“バカンス”を“スケッチ”するちょっとおバカな旅漫画「バカンスケッチ」。今回は、水の都と称されるイタリアの都市、ベネチアでのこと。名物のゴンドラに乗ってはみたものの、ゴンドリエーレさんがイケメン過ぎて、観光できなかったという筆者・・・。そんな経験をしたことは、ありませんか?
旅漫画「バカンスケッチ」【50】人類、永遠の浪漫
May 22nd, 2019 | たかさきももこ
“バカンス”を“スケッチ”するちょっとおバカな旅漫画「バカンスケッチ」。今回もイタリアのポンペイ遺跡でのこと。実は性愛にとても大らかな都だったそうで、お子様には見せられない落書きやフレスコ画があちこちで発掘されているのです。中でも驚愕なのが・・・!?
旅漫画「バカンスケッチ」【49】ダイレクト過ぎやしませんか
May 15th, 2019 | たかさきももこ
“バカンス”を“スケッチ”するちょっとおバカな旅漫画「バカンスケッチ」。今回は、イタリアのポンペイ遺跡でのこと。またもや石畳に彫られた、ダイレクトすぎるある場所への道しるべを発見。思わず赤面しそうになる、その絵とは・・・!
初めて旅した喜び、その後「ヴェネツィアひよわ紀行」作者橘紫夕先生が語る!
May 10th, 2019 | TOSHI
初めて旅した時の喜びにひたれる、すてきな旅行記をご紹介。パスポートも持っていない女性マンガ家と、タレントの女友達がヴェネツィアへ行く「ヴェネツィアひよわ紀行」。今回、作者の橘紫夕先生にインタビュー!旅に出たいけれど迷っている女子、必見です。
まるで夢の世界のよう、シチリア島のチョコレート天国「モディカ」がすごい!
Jan 19th, 2019 | あやみ
イタリア・シチリア島のラグーザ県にある町「モディカ」は、世界遺産としてだけではなく、チョコレート天国としても有名です。モディカにはチョコレートの工房がいくつもあり、夜はメインストリートにチョコレートの露店が軒を連ねていました。