【富山】難病が治った伝説も!日本100名水「穴の谷霊場」の水がスゴイ

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Feb 17th, 2016

富山県は昭和の「名水百選」、2008年の「平成の名水百選」に入るわき水が合計で8か所あります。

その数は日本の都道府県で最多。それだけ奇麗な水が豊富な土地なのですね。その中にはかつて「世界三大名水」「奇跡の水」とうわさされた水まであることをご存知ですか?

【富山】難病が治った伝説も!日本100名水の「穴の谷霊場」の水がスゴイ

そこで今回は、名水がわき出す地元観光協会の方の話などを参考に、『穴の谷の霊水』を紹介したいと思います。

数百万人の病気が治ったとされる霊水

【富山】難病が治った伝説も!日本100名水の「穴の谷霊場」の水がスゴイ

そもそも穴の谷の霊水とは、富山県の上市(かみいち)町の山奥にわき出す名水を言います。日本100名山の1つで剱岳のふもとにある霊場で、水源には薬師如来像が安置されています。

江戸時代のころから数えて数百万人の病気が治ったとされる同地の霊水。全国的に知られる最初のきっかけは、同地の洞窟(どうくつ)に6年間こもって修行をした広島の尼だったとか。

穴の谷のわき水が万病に効くと確信した尼は、その効果を一人でも多くの人に伝えて欲しいと、地元出身の実業家に依頼します。

その実業家は配置薬によって大きな財産を築いた人物で、霊験を全国に宣伝しつつ、69体の観音像の寄進を受け、同地に祭ったといいます。

穴の谷の霊場を管理している『穴の谷弘真会』によれば、「最近の健康ブームとは違う命がけの思いがあり、その願いがかなった人々が観音像を寄進するようになった」とか。

そのあたりの経緯は昭和57年3月13日の薬日新聞に掲載されています。さらにその後になると、「難病から回復した」という人の存在がマスコミなどを通して紹介され、一躍全国区の知名度を獲得します。

今でも日本中から水を求めて参拝者が訪れる

【富山】難病が治った伝説も!日本100名水の「穴の谷霊場」の水がスゴイ

不思議な現象が次々と紹介される穴の谷の霊水を、ゲルマニウムの研究者として世界的な権威を誇る浅井一彦博士が調べました。

その結果、フランスとスペインの国境に近い、世界三大名水の1つである奇跡の水『ルルドの水』に匹敵するゲルマニウムが含まれていると発見されます。

ただ、その後の再調査では、含有量がごく少なく、含有表示しなくてもいいレベルしか含まれていないと判明します。そのころから「世界三大名水」や「ゲルマニウム水」などという大げさな宣伝はなくなったとか。

それでも水を求めて今でも全国各地から人が集まっています。雪が降る時期であっても、駐車場には全国各地のナンバーを確認できますし、水くみ場までの道のりでは巨大なポリタンクを台車で運ぶ人と何度もすれ違います。

余談ですが同地の水を使った酒やみそ、しょうゆも人気です。『穴の谷霊水味噌』は地元の特産品でもあります。

参拝は自動車が便利

【富山】難病が治った伝説も!日本100名水の「穴の谷霊場」の水がスゴイ

アクセスは残念ながら、お世辞にも便利とは言えません。さらに水を運ぶとなると移動の足は車がベストですね。北陸自動車道の滑川I.C.で下車して、山道を進んでください。

霊場の手前まで来ると、大きな駐車場があります。駐車場から水くみ場までは参道が続いています。徒歩で5分から10分。舗装されていますので、それほど大変な行程ではありません。

ただ、参道の最後に長い石段が待ち受けています。脇には水を運搬する専用のエスカレーターもありますが、無理せずに運べる量にとどめておきたいですね。

以上が富山県の上市町にある霊水についてでした。森の参道には観音像が並んでおり、厳かな気持ちになれます。心静かに参拝して、水をいただいて帰りたいですね。

[All Photos by Masayoshi Sakamoto]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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