TABIZINE > アジア > モンゴル > 観光 > 【どこまでも続く草原の国】モンゴルってどんなとこ?

【どこまでも続く草原の国】モンゴルってどんなとこ?

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Sep 17th, 2016.
Facebook はてなブックマーク LINEで送る コメント

モンゴルと言われたら何を思い浮かべますか? 草原や遊牧民、横綱の朝青龍や白鵬、13世紀にモンゴル帝国を作ったチンギス・ハンなど、さまざまかと思いますが、いずれにせよ知識が偏っていて、日本とも関係が深いアジアの隣国なのに意外に詳しく知りませんよね。

【国土の8割が草原の国】モンゴルってどんなところ?

そこで今回は外務省や農林水産省などの情報を参考に、モンゴルとはどういった国なのか大まかにまとめたいと思います。


今も遊牧民が30万人近く暮らしている

【国土の8割が草原の国】モンゴルってどんなところ?

モンゴルはこのところ、近代化が首都のウランバートルを中心に、町もどんどん大きくなっているんだとか。その分だけ急激な一極集中化でさまざまな問題が起きていると言いますが、一方で遊牧民は健在。

少し古い資料ですが、Mongolia Statistical Yearbook 2009を基に作成された日本の農林水産省の資料によると、2009年の段階で遊牧民は35万人ほど居ると分かります。

周期的に訪れるゾドと呼ばれる冷害(雪害)の影響や、都市部への一極集中化(定住化)の流れによって遊牧民の数は年々減っているそう。それでも30万人近くが今でも生計を立てているとすれば、モンゴル全体の人口が306万人(2015年)ほどと考えると、国民の10人に1人くらいは遊牧民として暮らしている計算になります。

モンゴルの遊牧民は伝統的な移動式住居のゲルで暮らし、国土の80%を占めると言われる草原地帯(ステップ)で牛やヤギ、馬、ヒツジ、ラクダの飼育を行っています。ロシアとの国境近くではツァータンと呼ばれる、トナカイを飼育する遊牧民も居るそうですよ。

家畜が200頭以上居ると安定した遊牧民としての生活を送れると言いますが、遊牧民全体のうち、2009年の段階で32%が200頭以上の家畜を飼う世帯だとされています。

ただ、2009/2010年に未曽有の冷害(雪害)で大量の家畜が死に、その後V字回復を見せるものの、再び2015/2016年にゾドの被害を受け、遊牧民は厳しい暮らしを強いられているそう。自然と共生する生き方ですから、まともに気候変動の影響を受けてしまうのですね。

ちなみに遊牧民が暮らしている主なエリアは、首都のウランバートルから見て西にあるハンガイ山脈の周辺や、さらに西のアルタイ山脈の周辺だと言います。そのあたりは草原だけでなく森も多いのだとか。一方で人口306万人のうち134万人が集まる首都ウランバートルの周辺には、定住して牧畜業を営む人も増えているそうですよ。

国土の平均標高はなんと1,580m

【国土の8割が草原の国】モンゴルってどんなところ?

モンゴルはとても広い印象がありますが、実際の面積は1,564,116平方キロメートル。日本の約4倍ですね。

中国と国境を接する南部のゴビ砂漠が広がっているという深刻なニュースもありますが、広大な国土に人口が300万人ちょっと。遊牧民が家畜に草を食べさせるには十分な広さが、基本的にはあるのだと分かります。

ただ、国土全体は高地にあり、その平均の標高はなんと1,580m。寒暖差も激しく、夏は暑いときで40℃、冬は寒い時で-40℃と、なかなか過酷な環境下ですよね。

モンゴルで一番高い山はフィティン山で4,373m。最大の湖はウブス湖。同じく巨大なフブスグル湖は、深さがモンゴルで一番。その高い透明度で有名な観光地ですね。

北はロシア連邦、南は中華人民共和国に挟まれている立地ですから、貿易のほとんどは中国とロシアが相手だと言います。どちらにも過度に依存せず、日本など第3の国と上手に付き合っていこうと国として努力しているのだとか。

石炭、銅、ウラン、レアメタル、レアアースなど地下資源も豊富で、日本にも鉱物資源を輸出しています。

直行便も成田や関空などから出ている

【国土の8割が草原の国】モンゴルってどんなところ?

気になるグルメは、お茶を煮出してミルクと塩を加えるモンゴル式ミルクティー、スーテイ・ツァイが有名ですね。家庭によってお茶の濃さや塩加減、ミルクの量が違っていて、それぞれの味があるのだとか。まさに“お袋の味”という意味で、現地の人の抱くイメージは日本人のみそ汁に近い感じ!?

その他には、ひき肉を小麦粉の生地で包んで蒸した肉まんのようなボーズ、ヒツジ肉の塩ゆで、馬のミルクを発酵させたお酒アイラグなども知られています。

文化に関しては馬の毛を弦にした弦楽器(馬頭琴)の演奏や、モンゴル特有ののど歌、すもう、競馬、弓術を競うナーダムなどがあります。

観光名所は仏教寺院のガンダン寺院、エルデニ・ゾー寺院、オーシギン・ウブリーン遺跡の鹿石などですね。先ほどは、フブスグル湖についても触れました。

直行便は成田国際空港、関西国際空港、時期によっては羽田国際空港他、地方の空港からウランバートルのチンギスハーン国際空港まで直行便が出ています。飛行時間は5時間ほど。今までとはちょっと違う旅にしたいという方は、要チェックですね。

以上、遊牧民が多く暮らす国、モンゴルの大まかな特徴をまとめました。

ちなみに遊牧民のゲルに泊まる旅行は、1泊数千円から1万円ほど。夜は満点の星空を眺めるツアーなどを組み合わせたいですね。

【国土の8割が草原の国】モンゴルってどんなところ?

[モンゴルの牧畜業 – 農林水産省]
[モンゴル国 – 外務省]
[モンゴルの農林水産業概況 – 農林水産省]
[All photos by Shutterstock.com]

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


| 観光,アジア,モンゴル,観光


モンゴルの観光関連リンク

モンゴルの大平原、グランピングで楽しむ短い夏の遊牧民の生活! モンゴルの大平原、グランピングで楽しむ短い夏の遊牧民の生活!
【国土の8割が草原の国】モンゴルってどんなところ? 【国土の8割が草原の国】モンゴルってどんなところ?
いつか行ってみたい!地球の大自然を肌で感じる7つの冒険 いつか行ってみたい!地球の大自然を肌で感じる7つの冒険
フライト時間5時間限定!いつもの週末に行ける海外おすすめ都市 フライト時間5時間限定!いつもの週末に行ける海外おすすめ都市
風になる旅、モンゴルに広がる大平原を馬で駆けぬける 風になる旅、モンゴルに広がる大平原を馬で駆けぬける
1

#直行便



観光 アジア モンゴル 観光