この世界は私たちを魅了する、色彩豊かな風景の数々にあふれています。それぞれに個性が光る、7つの色にちなんだ7つの絶景をお届けします。
白:フリヒリアナ(スペイン)
スペイン南部、アンダルシア地方に位置するフリヒリアナは、人口3000人ほどの小さな村。
「スペインで最も美しい村」に選ばれたこともある白い村として知られています。
まぶしいほどに真っ白な建物に、緑や花々が色彩を添える風景はまるで絵画のよう。外壁が白く塗られているのは、夏の強烈な日差しを反射させ、屋内を涼しく保つためなのだとか。夏の暑さが厳しいアンダルシア地方ならではの知恵が美しい街並みを生んだのですね。
小さな路地や階段が連なる街は、見渡す限り白の世界。行けば必ず恋に落ちる、歩くだけで幸せになれる美しい村です。
黄:アンダルシアのひまわり畑(スペイン)
さんさんと輝く太陽と青い空の下、一面に広がるひまわり畑。そんな爽快な黄色の絶景が楽しめるのが、スペイン南部のアンダルシア地方。セビージャ~ミハス間、セビージャ~カルモナ間、セビージャ~ロンダ間などで見渡す限りのひまわり畑を見ることができ、見ごろは5月末~6月です。
どこまでも広がるひまわり畑は、まるで黄色いじゅうたん。ひまわりの生命力と青い空に元気をもらえる絶景です。
橙:サントリーニ島の夕陽(ギリシャ)
「世界で最も美しい島」との呼び声高いギリシャのサントリーニ島。「一度は行ってみたい!」と憧れている人も多いのではないでしょうか。断崖絶壁に立つ白と青のロマンティックな街並みが有名ですが、夕陽が美しいことでも知られています。
なかでも夕陽の名所として有名なのが、イアと呼ばれる地区。真っ白な建物を鮮やかに染め上げる夕暮れ時は言葉を失う美しさです。
一生に一度は大切な人と見てみたい、夢のようなひとときが味わえる絶景です。
赤:アンテロープキャニオン(アメリカ)
この世のものとは思えない赤の絶景が広がるのが、アメリカ・アリゾナ州にある砂岩に囲まれた渓谷、アンテロープキャニオン。先住民族ナホバ族の居住区域内にあり、彼らにとっては特別な聖なる土地。現在もナホバ族がキャニオンの管理を行っています。
上流の水の力で浸食された砂岩の渓谷に太陽の光が降り注ぐとき、鮮やかな色彩が生まれます。岩壁が渦を巻く光景は、別世界への入口のようでわが目を疑うほど。
大自然のパワーと神秘が肌で感じられる、美しき赤の世界です。
紫:プロヴァンスのラベンダー畑(フランス)
南仏・プロヴァンス地方のラベンダー街道には、一面ラベンダー色の紫の絶景が広がります。美しいラベンダー畑が楽しめるのは、ソー、アプト、ヴァランソルなど。見ごろは、6月末から8月中旬ごろまでです。
目で楽しむのはもちろんのこと、心地よいラベンダーの香りに包まれて、思わずうっとり。穏やかな色彩と優しい香りに心癒される絶景です。
青:シャウエン(モロッコ)
モロッコのリフ山脈の奥深くにある小さな街、シャウエンは神秘的な青い街として知られています。見渡すかぎり、青、青、青・・・異次元の世界に迷い込んでしまったかのような、幻想的な光景に、誰もがひとめ見た瞬間魅了されてしまいます。
建物が青く塗られるようになったのは、かつてスペインから追われシャウエンに住み着いたユダヤ教徒にとって神聖な色であったためといわれています。ほかにも、暑さを紛らわせるため、あるいは虫よけのためといった説もあるようです。
理由はなんにせよ、確かなのはこの街の青がどこまでも魅惑的であるということ。非日常感が存分に味わえる、おとぎの国のような青の絶景です。
緑:プリトヴィッツェ湖群国立公園(クロアチア)
自然の雄大さを感じる緑の絶景が楽しめるのが、クロアチアのリカ地方にある世界遺産、プリトヴィッツェ湖群国立公園。大小16の湖と92の滝をもつ、森と水の楽園です。
エメラルドグリーンに輝く湖、ダイナミックな滝、豊かな木々の緑・・・大自然のなかに身を置けば、日々の疲れや悩みも忘れてとことんリフレッシュできます。ドゥブロヴニクなどの中世の街並みが注目されるクロアチアですが、豊かな自然と触れ合える緑の絶景もお忘れなく。
大自然や人間がつくりあげた7色7絶景、いかがでしたか。壮大な色のパレット、地球には、あなたがまだ見ぬ美しき色彩の風景の数々が広がっているのです。
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