ドイツを代表する観光地ロマンティック街道。「ドイツに行くならやっぱりロマンティック街道に行ってみたい!」という方も多いのではないでしょうか。
ロマンティック街道の醍醐味は中世の面影を残す小さな街々。おとぎの世界に迷い込んだかのような風景に魅了される、ロマンティック街道の3つの街をご紹介します。
ネルトリンゲン
近年、『漫画「進撃の巨人」の舞台では?』と注目を集めている街が、ネルトリンゲン。中世に築かれた城壁がほぼ完全に保存されていることでも知られ、「中世の真珠」とも称される美しい街です。
ネルトリンゲンを特徴づけているのが、1500万年前に隕石が落下してできたリース盆地の中にあり、見事な円形をしていること。街の成り立ちからして現実離れしていて、物語の世界のようですね。
(C) Haruna Akamatsu
一方、実際のネルトリンゲンは意外なほどに人々の日常の場面であふれています。街の中心、マルクト広場では子どもたちが水浴びをしていたり、老若男女がアイスクリームを楽しんでいたり・・・観光地でありながら、人々の日常がすぐそこにある素朴なあたたかさもまた、この街の魅力なのです。
(C) Haruna Akamatsu
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ひっそりとした中世の城壁を歩けばタイムスリップした気分。美しく手入れされた古い民家が並ぶ様子からは、この街の人々が古いものを大切にしながら丁寧に暮らしていることが伝わってきます。隅々までゆったりと散策すれば、きっと心癒されるはずです。
ローテンブルク
「ロマンティック街道のハイライト」とも言われる、一番人気の街、ローテンブルク(ローテンブルク・オプ・デア・タウバー)。中世の面影をほぼ完全に残していることで知られ、「中世の宝石箱」ともたたえられています。
(C) Haruna Akamatsu
(C) Haruna Akamatsu
カラフルな木組みの建物や可愛らしい看板の数々は、まるで絵本の世界から飛び出してきたかのよう。1年中クリスマス気分が味わえるショップ「ケーテ・ヴォールファールト」や、ドイツ最大級のテディベア専門店「テディランド」など、メルヘンなショップも充実していて、テーマパークのような非日常感が楽しめます。
街の中心、マルクト広場に面した市庁舎の塔からの眺めはまさに絶景。周囲の森と調和する中世の街並みは、いつまでも心に残る美しさです。
人通りの多いメインストリートだけでなく、ぜひひっそりとした路地にも入り込んでみてください。にぎやかな観光地の顔ではなく、時が止まってしまったかのような情緒あふれる風景に出会えますよ。
ディンケルスビュール
三十年戦争や第2次世界大戦を経験しながらも、ほとんど戦争の被害を受けることなく、今も美しい中世都市の姿を見せてくれるディンケルスビュール。凝った造りの美しい木組みの建物が多数残っていることで知られています。
(C) Haruna Akamatsu
そんな街の代名詞ともいえるのが、毎年7月に開催される子供祭り。17世紀、30年戦争下で、ディンケルスビュールはスウェーデン軍に包囲され、街を破壊される危機に直面しました。そのとき、子どもたちが必死で敵将に慈悲を乞い、スウェーデン軍に破壊と略奪を思いとどまらせたというエピソードに由来します。
(C) Haruna Akamatsu
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子どもたちが主役の子供祭りの開催期間は大勢の見物客でにぎわうディンケルスビュールも、普段はローテンブルクに比べるとずっと静か。街には古い井戸や粉挽きなどが点在し、ノスタルジックな雰囲気が漂います。
(C) Haruna Akamatsu
ディンケルスビュールを訪れるなら、この街に宿泊して中世の街を守った「夜警」に会ってみませんか。5~10月は毎日(11~4月は金・土のみ)21時になると、街のランドマークである聖ゲオルク教会の前に、角笛を手にしたマント姿の夜警が登場し、街のおもな名所を案内してくれます。
角笛の音色と夜警の歌声が夜の中世の街に響くとき、なんともいえない情感が漂います。これぞロマンティック! 小さな中世の街ならではの感動的な体験です。
石畳を踏みしめ、色とりどりの可愛らしい建物を眺めながら中世の息づかいを感じる。おとぎの世界に迷い込んだような気分になれるはずです。
[Photos by Shutterstock.com]
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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