オランダの首都アムステルダムにある「Kattenkabinet」は、猫アート専門の美術館。しかも陳列されているコレクションは、世界の巨匠の作品から、日本人におなじみの「あの猫」まで多種多様な顔ぶれ。共通しているのは、「猫にまつわる作品」だということ。有名なハリウッド映画の撮影にも使われたそうで・・・? そんな興味深い美術館の中をのぞかせてもらいましょう。
アムステルダムの隠れ家的美術館
これが、その「Kattenkabinet」(英語にするとCat Cabinet、猫の飾り戸棚というような意味)の外観。アムステルダム中央駅から徒歩で約25分程度。トラムなどの公共交通機関を使えば15分くらいの場所にあります。街並みに溶け込んでいるので、初めて訪れる人は注意して見ていないと通り過ぎてしまうかもしれません。
けれどよく見ると、エントランスの上には猫のイラスト付き看板が。まるで「ついておいで」とでも言っているような後ろ姿ですね!
これが、美術館の中の様子です。飾ってある作品は、猫をモチーフにしているという共通点で集められています。コレクションの中には、ピカソやレンブラントという巨匠の作品もあるのだとか。そして2010年には、日本出身でフランスで活躍した藤田嗣治の、猫と一緒に描かれた鉛筆画の自画像もこの美術館にやってきました。
そればかりか、日本の招き猫だって鎮座しているのです。確かに言われてみれば、これも猫アートですね!
そしてこの「Kattenkabinet」には、実はもうひとつ大きな特徴があるんです。
ホンモノの猫ちゃんも、美術館でのびのび
それは、館内のあちらこちらで本物の猫がくつろいでいること。
年代物のグランド・ピアノの上にだってお構いなしに乗ってしまいます。自由ですね!
実はこの美術館は1667年に建てられた歴史ある建築物で、かつてはアムステルダム市長が住んだこともあるほどの由緒ある場所。現在のこの家の持ち主である方が、1990年に建物の1階を美術館として開放されたのだとか。ちなみにオーナーとそのご家族は、今でもこの美術館の上のフロアにお住まいだそうです。そのため、オーナーが飼っている猫ちゃんたちが美術館にも好きな時にやってくるのです。
そんな歴史を持つこの美術館のビジュアルを、映画界が放っておくはずがありません。2004年に公開されたジョージ・クルーニーやブラッド・ピットなど錚々たるスターたち出演の「オーシャンズ12」の撮影場所にも選ばれました。物語中盤、クルーニー演じるオーシャンと仲間たちが金庫破りを試みる大富豪の家という設定です。
そんなアート好きにも、猫好きにも、映画好きにも楽しめるこの「Kattenkabinet」。アムステルダム旅行の際には、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
[Kattenkabinet]
[A photo by Shutterstock.com]