
唐辛子の刺激的な辛さと、ココナツミルクのマイルドな甘さ。いくつもの独特のハーブがミックスされたエキゾチックな香り。タイ料理の魅力を語ればキリがありません。
真っ赤なスープにエビの旨みが濃縮されたトムヤンクン、グリーン・レッド・イエローと色とりどりのカレー。米の麺を使った焼きそばのパッタイにはパクチーが乗り、タイバジルをと一緒に炒めるガパオライスに添えられる目玉焼きがうれしい。
歴史的な遺跡や寺院、おいしいレストランに足を運ぶのは、タイへの旅行の定番コース。もう一歩踏み込んで、タイ料理の教室に参加するのも楽しいですよ。

(c) Atsushi Ishiguro
タイ北部の古都チェンマイの料理教室事情
チェンマイは首都バンコクから飛行機で1時間ほど。その中心部は、四方を掘割と城壁で囲まれた古都です。徒歩でも自転車でも、ゆっくりと散策できる落ち着いた街。すぐそばの小高い山の上に建つ金色に輝く寺、ワット プラタート ドイステープは圧巻です。
このチェンマイ、比較的小さな街ですが、旅行者向けの料理教室が多く、どれもが質を競っています。一日コースや半日コース、郊外の農園に足を運ぶコースなどから選ぶことができて、日本語で参加できる教室もいくつかあり、日本で予約することも可能です。

(c) Atsushi Ishiguro
郊外の農園のキッチンで一日コースに参加
せっかくなので、中心部から郊外の農園に出かけ、そこに設置されたキッチンで開催される教室に参加しました。途中、地元の人々が通う市場に立ち寄ります。見たこともない新鮮な野菜もあれば、ハーブの数々、多様なトウガラシ、ちょっとした加工品など、個人で市場に出かければ「何かな?」で終わってしまうものも、説明を聞けば納得です。
そして農園に着けば、実際に畑で栽培されている農作物を見ながら学べるので、「え、こんな植物だったの?」と驚くものにも出会いました。

(c) Atsushi Ishiguro
一日かけて6品を作って食べます
今回参加した教室では、前菜、サラダ、野菜、カレー、スープ、デザートのカテゴリーにいくつかのレシピが用意されていて、参加者かそれぞれのカテゴリーから1つずつ選びます。一人に一つのコンロが用意されていて、自分のものは責任をもって自分で作って食べるんです。
12人の生徒に講師が1人。少ないように感じましたが、下準備などのアシスタントは別に数名いるので問題ありません。午前中に3レシピ、ゆったりと昼休みをとって、午後からまた3レシピを作っては食べます。コース料理を一日かけてゆっくり作って食べるいったイメージです。春巻き、スパイシーな鶏ひき肉のサラダ、野菜の炒め物、カオソーイというカレーヌードル、ココナツミルクの優しい味のスープ、もち米のデザートに挑戦しました。

(c) Atsushi Ishiguro

(c) Atsushi Ishiguro
圧巻はカレーペーストづくり
さて、タイで開催されるタイ料理教室ならではの一番のだいご味が、カレーペーストづくりです。日本では手に入りにくい生の食材をいくつも使って、石臼で40分ほどつぶして出来上がり。重労働ですが、ほかの参加者とワイワイと話しながら、時に手が止まりながらも、楽しく完成。このフレッシュなペーストを使って作るカレーはそれまでに食べたことがないおいしさでした。

(c) Atsushi Ishiguro
現地でも市場でペーストは買えます
とはいえ、カレーペースト作りには手間がかかります。現地のレストランで聞いてみると、地元の主婦に依頼して作ってもらっているそうです。また、市場に手作りのペーストを売りに来る人もいるとのこと。なるほどです。

(c) Atsushi Ishiguro
チェンマイ名物カオソーイが病みつきになるおいしさ
カオソーイは、タイレッドカレーのスープで、インドカレーに使う香辛料もプラスし、中華麺を使った麺料理。タイ北部は、中国にも近く、またミャンマー経由でインドのスパイスが手に入ったので、このような独特な料理が生まれたとのことです。日本でも食べ慣れている中華麺に、なじみ深いカレー粉の香り。それが、タイ独特のスープの味と相まって、懐かしいような新しいような、複雑なおいしさです。
タイ料理教室は、ホテルからのピックアップしてくれたり、日本語で教えてくれるものもあって、心配なく参加できました。観光客向けの内容も楽しくためになり、地元の講師が現地でしか知りえないことを教えてくれます。次のタイ旅行のアクティビティの候補にいかがでしょう。
[チェンマイの料理教室]
[Photos by shutterstock.com and Atsushi Ishiguro]
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Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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