ドイツとの国境に近い、フランス・アルザス地方に位置するリクヴィル。その美しさから「ブドウ畑の真珠」と称されているばかりか、フランスの最も美しい村協会が認定する「フランスの最も美しい村」のひとつにも選ばれています。
フランスのエスプリと、アルザスらしい素朴な温かさが融合したリクヴィルの魅力をご紹介しましょう。
可愛すぎる木組みの建物

アルザスの村々きっての人気を誇るリクヴィルには、毎年200万人もの観光客が訪れます。その魅力は、なんといってもアルザスらしい伝統的な街並み。ドイツとの国境に近く、歴史的・地理的にドイツ文化の影響が強いアルザス地方には、メルヘンチックな木組みの家々が数多く残っているのです。

リクヴィルを訪れて驚くのは、16世紀当時の面影をそのままに残す木組みの建物のなんともいえない美しさ。黄色、ピンク、緑、青・・・淡い色からビビッドな色味まで、色とりどりの建物の競演はなんとも鮮やか。思わず叫びたくなるほどの可愛らしい街並みは、どこを切り取っても絵になります。

(C) Haruna Akamatsu

(C) Haruna Akamatsu
村のメインストリートには、伝統的な建物を利用したレストランやカフェ、ショップが並びます。木組みの建物ならではの素朴な温かみを残しながらも、フランスらしい洗練されたアレンジはお見事。「村」の概念を覆すような華やかな風景に、胸が高鳴らずにはいられません。
花々に彩られた美しい街並み

(C) Haruna Akamatsu
木組みの建物が並ぶ美しい風景にさらなるいろどりを添えているのが、赤やピンクの可憐な花たち。丁寧に手入れされた家の出窓に飾られた花々は、美しい建物をさらに美しく見せようと手をかける、アルザスの人々の心豊かな暮らしぶりを象徴しているかのようです。
高台からの絶景

(C) Haruna Akamatsu
リクヴィルを訪れたらぜひ一度は見てほしいのが、高台からの絶景。村を囲むブドウ畑の斜面から、緑に囲まれたリクヴィルの村が一望できます。
ブドウ畑のフレッシュな緑のなかに輝くようにたたずむ中世の村・・・この風景を見れば、リクヴィルが「ブドウ畑の真珠」と呼ばれるゆえんがわかるはず。
ひなびた風情の路地

(C) Haruna Akamatsu
リクヴィルの魅力は華やかさだけではありません。メインストリートから一本外れて小さな路地に入り込めば、そこには昔懐かしいアルザスの風景が広がっています。

(C) Haruna Akamatsu
たくさんのお店が並び、多くの観光客が行きかうメインストリートとはうって変わって、人通りのまばらな路地には、古い井戸や農具が残されていて、まるで数百年前から時が止まっているかのよう。

(C) Haruna Akamatsu
静かに、ゆったりと流れる時間に身を任せる贅沢。美しく素朴な風景に、心がじんわりと温まってくることでしょう。
アルザスワイン

(C) Haruna Akamatsu
アルザス・ワイン街道沿いに位置するリクヴィルは、古くから、リースリング、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネールといった上質なワインの産地として知られてきました。
繊細で華やかな香りと、すっきりとした味わいがアルザスワインの特徴。その90パーセント以上が白ワインで、甘口よりも辛口が主流です。単一品種が多く、使用するブドウの品種によって、名前が付けられており、品種によって異なる味わいが楽しめるのも魅力です。
クリーミーなチーズが香るアルザス風極薄ピザ、タルト・フランベとの相性もバッチリ。リクヴィルを訪れたら、ぜひ一度は、食事とともに名産のワインを堪能しましょう。

小さな面積に、あふれんばかりの魅力がギュっと詰まったフランスの最も美しい村、リクヴィル。この村をひと目見れば、きっとあなたも恋に落ちるはず。
[Photos by shutterstock.com]

Haruna ライター
和歌山出身。東京での会社員時代に、旅先でドイツ人夫と出会う。5か月間のアジア横断旅行の後ドイツに移住し、ライターに転身。約2年半のドイツ生活を経て、現在は日本在住。「歴史地区」や「旧市街」と名の付く場所に目がなく、古い町を歩き尽くすのが大好き。世界のリアルな「ワクワク」を多くの人に伝えたい。
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