一日数時間の労働と引き換えに宿泊費や食費が無料になる画期的なシステムがワールドワイドに広がっています。
スイス男子(19)は北海道のうどん屋で手伝いをして、自由時間はスキー三昧。イタリア女子(20)は岡山で翻訳作業を行い、東京までヒッチハイクで来るという節約ぶり。筆者もそうしたサービスを利用してみたくなったので、せっかくなら好奇心がそそられる作業を! という視点でいろいろとリサーチしてみました。
マッチングシステム「Workaway」とは
ボランティアによる作業とホストによる住まい等の提供、これらの対等な交換を促進するサービスがマッチングシステム「Workaway」。低予算の旅行者だけでなく、語学習得、文化交流を求めている人向けです。登録料は年間29USD。サイトには、内容、期間、宿泊施設、ホストなどの情報が掲載されています。
ケース1:コロンビアからアルゼンチンまで2人用自転車を漕ぐ
イギリスのサイクリストが自転車の旅をシェアする相手を探しています。自転車の冒険だけでなく、様々な旅のお供との交流が目的で、ショートフィルムをつくる予定。1日60kmの移動が目標。1日4~5時間、週5日。普通の体力があれば可。テントで寝袋泊。
[Help me pedal my tandem bicycle for a section of my journey from Colombia – Argentina]
ケース2:マラウィ共和国の洋裁学校になにかしらのスキルを提供
洋裁が得意だったら、生徒に新しいデザインやテクニックを教える。ビジネススキルに優れていたらそれを、ネットワークづくりが得意なら、マーケットに商品を出すのを手伝うとか。
ケース3:チリでシーソルトづくり。サーフィン三昧
シーソルトづくりと袋詰め作業、家のリペアなどを世界的なサーフィンのメッカで。目の前が海でオーシャンビュー。
[Help us to make sea salt in Pichilemu, Chile and enjoy the surf]
ケース4:ウクライナの語学学校で日本語を教える
経験や知識が無くとも熱意と適性があると思えればOK! 期間は最低2週間。
[Come to Ukraine, teach your native language and learn Russian or Ukrainian]
ケース5:マレーシアで猫の世話
コタキナバルで2匹の猫の世話と部屋の掃除。ホストのお姉さんが監視にやってきます。
[Responsible, caring cat lover wanted in Kota Kinabalu, Malaysia.]
ケース6:ロンドンでリノべーション
ロンドン、パリ、ニューヨークはホテルが高いので、一人旅にはちょっと厳しいことも。このシステムを使えば無料! 自由時間が長いので十分観光できます。
[Help with renovation and stay in London, UK]
ちなみに、イギリスなど、入国目的を観光でなく「ボランティア」とすると事前申請のVISAが必要になり入国できなくなるのでご注意を。
[Entering the UK as a ‘general visitor’ (tourist)]
その他のサイト
農業や食を中心にしたサイトは「WWOOF(ウーフ)」。各国のサイトがあります。冒頭のスイス男子はこちらのサイトで北海道のうどん屋バイトをみつけたとのこと。また筆者の日本人の友人は、特殊な農法の農業体験をするために登録したそうです。
さらには、作業不要の「Couchsurfing(カウチサーフィン)」もあります。誰かに泊めてもらう代わりに誰かを泊める。広い意味での助け合い精神です。
いずれのサイトでも、利用者による評価や、やり取りの中で見えてくるホストの人間性など十分見極めて使いましょう。