旅の醍醐味のひとつと言えば、ご当地グルメ。日本であまり食べる習慣がない食べ物に出会えるのは、海外旅行のお楽しみとも言えます。
今回筆者がご紹介するグルメエリアは、中国は上海です。上海と言うと「上海蟹」が有名ですが、実はそれ以外にもたくさんのグルメにあふれています。美食の街と言っても過言ではない「上海」で出会える、極上グルメ食材を3つお届けします。
1:ザリガニ
日本ではなかなかいただく機会がない「ザリガニ」は、上海では夏が旬だそう。「えーっ? ザリガニ食べちゃうの!?」と驚く方もいるかもしれませんが、その味はカニやエビに近い甲殻類らしい風味で、サッパリとしています。
筆者が食べたザリガニには泥臭さは一切なかったのですが、ローカル曰く「お店によって味が全然ちがう」のだとか。屋台でいただくザリガニは、少しワイルドな味がするかもしれません。
手を使って殻をむいて食べる人が多いのですが、なかには尻尾のほうからがガブリと噛み付き、手際よく手を使わずに食べているローカルも。ハサミの部分にも、カニの爪ならぬ “ザリガニの爪” のようなサクサクした身がぎっしり詰まっています。
今回食べたメニューは、ザリガニの紹興酒漬け。ほんのり紹興酒の香りがして、甲殻類特有のくさみも一切なく、カニに似た味でした! 日本では珍食材として扱われることの多いザリガニですが、中国だけでなく、フランスでも「エクルヴィス」の名で一般的な高級食材として知られています。
2:ヘチマ
日本人が「ヘチマ」と聞くと、「カラダを洗うボディタオルの素材?」などと思う人もいるかもしれません。けれど、上海でいただいたヘチマ料理は、歯触りがよくキュウリとズッキーニを足して2で割ったような歯触りがあってとても美味! なんとも言えない歯触りが、あとを引くお味です。
こちらのメニューは、日本料理に例えると “おひたし” のような味付けで、醤油っぽい塩気のなかにほんのりとした甘みがありました。歯触りが独特で、シャキシャキ感とねっとり感がちょうどいい具合にミックスされています。
実は日本でも、沖縄地方では「なーべらー」の名で、一般的にヘチマ料理を食しているのだとか。ビタミン・ミネラル・カリウムなどの成分が豊富なので、美容や健康に気を配る女性にもピッタリな食材と言えます。
3:カエル
「中国ではカエルは高級食材のひとつ」と言うお話は、耳にしたことのある人も少なくないはず。実際、上海の高級料理店ではカエルを使ったメニューが多く扱われています。筆者が今回いただいたのは、熱々の油が入ったスープにぶつ切りにしたカエルが煮込まれたお料理です。
こんな風に小さくカットされていると、言われるまでカエルだとはわからないくらい。カエルの身は、歯ごたえのある鶏肉に似ていて、骨のまわりはとくに旨味が強く美味。身離れがいいので、手を使わずにお箸だけでほろほろとお肉がほぐれるほど、柔らかい歯触りです。
夏の上海には多くの旬の食材が溢れていて、珍しい食材が好きな人にとってはパラダイスのような街。「本場の中華料理は油っこいのでは?」と思っている人もいそうですが、メニューを選べば、油っぽさはまったく感じません。
ローカル曰く、上海の人気レストランでは数時間待ちの行列ができていることも珍しくないのだそう。上海人たちの食への高い関心がうかがえるエピソードでもあるのではないでしょうか。
日本ではなかなか巡り会えない美食にトライする旅は、旅行の醍醐味を味わいつつ、思い出深い時間になります。お目当ての食材があるかたは、ぜひ旬の時期をチェックしてお出かけしてみてください。
[All Photos by Nami Tokita]