北欧は友達ができにくいって本当?「友達ができやすい国」ランキングが面白い〜海外駐在員アンケート〜

Posted by: 倉田直子

掲載日: Nov 5th, 2017

【ランキング】海外駐在員の「友達ができやすい国」ベスト&ワースト3

グローバル企業が増えている現代社会では、海外転勤する人も増えてきています。けれど知り合いも親戚も全くいない外国に引っ越すのは、いくら仕事とはいえ心細いですよね。

そんな中、世界390都市をつなぐインターナショナルコミュニティ「InterNations」が、「海外駐在員による駐在国のアンケート」の結果をリリースしました。その中には、海外駐在員の「友達ができやすい国」もランキング形式で発表されていました。「友達ができやすい国ベスト3」と「友達ができにくいワースト3」の結果を見てみましょう。

「友達ができやすい国」第3位:アルゼンチン

【ランキング】海外駐在員の「友達ができやすい国」ベスト&ワースト3

ランキング65か国中、海外駐在員たちが3番目に友達ができやすいとしたのは、南米のアルゼンチンでした。男性同士の挨拶は握手やハグだけという国が多い中、アルゼンチンは男性同士でも頬にキスをする人も多いといわれています。そういう人との距離の近さが、友達のできやすさにつながっているのかもしれません。

また牛肉消費量が世界一のアルゼンチンでは、日曜日になると家庭で「アサード」(Asado)というバーベキューが行われます。ここに家族はもちろん、親戚、友人たちも一緒に参加し、みんなで楽しむのが伝統なのだとか。こういったイベントが頻繁にあると、友情を深めやすそうですね。

「友達ができやすい国」第2位:メキシコ

【ランキング】海外駐在員の「友達ができやすい国」ベスト&ワースト3

「友達のできやすい国」第2位は、北アメリカ南部のメキシコ。スペイン語を話すラテン気質のメキシコ人は、とにかくフレンドリーなのです!

アンケートに回答した在メキシコ駐在員の半数以上(53%)が「人々はとてもフレンドリーであたたかく、外国人の自分を受け入れてくれている」と感じているのだとか。そして、32%の駐在員が「メキシコで友達をつくるのはとても簡単」と感じているそう。そんな国なら、ぜひ働いてみたいですね。

「友達ができやすい国」第1位:コスタリカ

【ランキング】海外駐在員の「友達ができやすい国」ベスト&ワースト3

駐在員たちにとって1番「友達のできやすい国」は、「中米の楽園」と呼ばれるコスタリカでした!「コスタリカで友達をつくるのはとても簡単」と考えているのは34%で、メキシコの32%と僅差の勝負でした。

ただしコスタリカは、それ以上に駐在員たちが「馴染みやすい」と感じている(87%)のが勝因だったようです。美しい自然と親しみやすい人々に囲まれて、外国にいるにもかかわらず非常にリラックスできる国なのだとか。駐在員たち自身が現地の文化や人々に馴染んで、距離を縮めやすいから友達もたくさんできるのかもしれませんね。

次は、「友達ができにくい国」ワースト3を見てみましょう!

「友達ができにくい国」ワースト3位:ノルウェー

【ランキング】海外駐在員の「友達ができやすい国」ベスト&ワースト3

65か国中、海外駐在員にとって友達のできにくい国ワースト3位は北欧のノルウェーでした。筆者が調べてみたところ、「幼馴染や学生時代の友達を大切にして、新しい友達をそれほど欲していない」という傾向があるようです。たしかにそれでは、幼馴染も親戚もいない駐在員にとっては人つき合いのきっかけがつかめないかもしれません。

ただし「ノルウェー人は、タンブラー(保温機能のあるカップ)のように外側は冷たいけど、内側は温かい」という言葉もみかけたので、あきらめないことが大切かもしれません。

「友達ができにくい国」ワースト2位:デンマーク

【ランキング】海外駐在員の「友達ができやすい国」ベスト&ワースト3

同じく北欧から、デンマークがワースト2位にランクイン。傾向としては、3位のノルウェーと大きく変わらないようです。実は筆者は、デンマークに関する実例を目にしたことがあります。知人のイギリス人夫妻が転勤でデンマークに引っ越していったのですが、当初は「幸福度世界一」と言われるデンマークへの移住を非常に楽しみにしている様子でした。

けれど当地になじむことができず、わずか1年で会社に帰国の希望を出しイギリスにもどってしまったのです。彼らが言うには、デンマークのスタイリッシュさは大好きだったけれど、デンマーク人の気持ちを掴み切れなかったそうです(個人の感想です)。

「友達ができにくい国」ワースト1位:スウェーデン

【ランキング】海外駐在員の「友達ができやすい国」ベスト&ワースト3

「友達ができにくい国」ワースト1位に輝いたのは、これまた北欧のスウェーデンでした! なんとワースト3を北欧の国々で独占してしまったことになりますね!

スウェーデンでは、外国にありがちな「街やお店で出会った見知らぬ人とのちょっとしたおしゃべり」があまりなく、外国人に対して積極的に話しかけたりもしないそうです。決してないがしろにされているわけではなくても、ただでさえ心細くなりがちな駐在員たちは孤立していると感じてしまうようです。

ただ非常に面白いのは、過去の調査ではスウェーデンを含む北欧に赴任後に長期のパートナー(恋人または結婚相手)を見つけた駐在員が39%もいたのだとか! 北欧は、友達付き合いよりも恋愛するのによい国なのかもしれません。

【ランキング】海外駐在員の「友達ができやすい国」ベスト&ワースト3

北欧3か国は高福祉国として知られ、この駐在員対象のアンケートでも「家庭生活を営みやすい国」(Family Life)の上位を独占していました(2位スウェーデン、4位デンマーク、5位ノルウェー)。友達をつくるのは大変でも、家族や夫婦の幸せを築くのにはうってつけなのですね。どんな国にも、得意分野と不得意分野があるということなのでしょう。

[Expat Insider 2017 / Finding Your Home Away from Home]
[InterNations]
[Sweden ‘worst country’ for making friends]
[How to Make Norwegian Friends?]
[Expats: Denmark ‘world’s worst’ for making friends]
[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

倉田直子

Naoko Kurata ライター

オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0758JCDTM/

オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
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