
ゴミを商品として売る、究極のリサイクルモール「ReTuna(リトゥーナ)」って?

ストックホルム市街地から約2時間車を走らせたところに位置する世界随一のリサイクルモール「ReTuna(リトゥーナ)」では、捨てられてしまう“ゴミ”を集めてリサイクルショップを運営しているとか。

実際に訪れてみると、とにかく広大な土地に驚きます! ここでは、いらなくなって捨ててしまう個人のゴミを、それぞれが持ち寄るところからリサイクルが始まります。
モール内に入ってみると・・・


服のリサイクルショップやスポーツ用品など、幅広いジャンルのお店がお出迎え。
さらに2階を探索してみると・・・



花屋やヴィンテージショップ、インテリアショップや本屋など、ありとあらゆるショップが並んでいます。
こちらで売られているものは、全て誰かのゴミ。では、どうやって運営しているのでしょうか? 早速バックヤードをのぞかせていただきました。
ゴミを集めて商品として再利用するって、実際どんな仕組みなの?
日本ではなかなかないシステムなので、ゴミから商品として店頭に並べられる、その一連を追ってみました。
【1】個人がそれぞれのゴミを持ち込む

まず、いらなくなったものを、個人がエスキルストゥーナまで届けに出向きます。ゴミを捨てるために、はるばる出掛けてくるなんて・・・その流れを聞いただけでも頭が下がります。
【2】個人でゴミを分類分けして捨てる

回収所では、「テキスタイル」「電化製品」「子供用品」などカテゴリーごとにセクション分けされているため、該当箇所に個人が分類して捨てていきます。

こちらの男性は、ちょうど電化製品を捨てに来ていました。
【3】売れるもの、売れないものに種分けする

各カテゴリーごとに、商品として売れるもの、売れないものにさらに種分けします。2度ほど選別が行われるといいます。
【4】売れるものは、各ショップ店員が無料で引き取る


敷地内にショップを持つテナントは、このなかから自由に持っていくことができます。売れると思ったものをピックアップし、それぞれのショップでメンテナンスや清掃を行った上で、店頭に商品として並べられます。

花屋「Ecoflor(エコフロー)」では、オーナーさんのセンスで全く新しい商品へとリメイクし、販売している商品も多数あるとか。
【5】売れないものは寄付へ

商品として売るのは難しいと判断されたアイテムは、例えば子供用品なら学校へ寄付されるとか。ゴミを最大限に減らす知恵や工夫は、素晴らしですね。
【6】それでも残ったゴミはリサイクルゴミへ

最終的に行き場のないアイテムは、形を変えて使えるよう、リサイクルゴミへと回されます。

リサイクルゴミは、建物横に隣接したリサイクル場へ持っていくだけ。ここまで徹底した仕組みが組まれていると、気持ちがいいですね。
最先端なサステナブルモールが世界へ

2015年に誕生したこの100%リサイクルスタイルのモールは、自治体によって運営されていた時期もありましたが、今では補助金なしで運営できるまでに成長したといいます。
最近では世界中から視察に訪れる団体も増えているとか。このアイディアを世界各地で実現できると、より良い未来へと繋がりそうですね。
日本では簡単ではないのかな・・・とも思いますが、この素晴らしいヒントを頭に置きつつ、できることから社会参加できるよう、意識を変えていけるといいですね。
ReTuna(リトゥーナ)
住所:Folkestaleden 7, 635 10 Eskilstuna, Sweden
電話番号:+46 16 10 60 60
営業時間:【月〜金】10:00〜19:00、【土・日】10:00〜15:00
HP:
https://www.retuna.se/english/
[All photos by Ayano Ishihara]

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ayano ishihara 編集・ライター
ファッション雑誌のスタイリスト・編集者を経て、フリーランスに転身。2019年7月〜2020年3月までTABIZINE編集長を務める。座右の銘は一期一会。「自分の目で見て自分の肌で感じる」ことをモットーに、日々、新しいことを探求。 “人生”という旅を、自分の心が感じるまま突き進む変わり者。
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