選手が空を飛ぶ!?東京五輪・パラ五輪で導入される9つの未来技術とは?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Apr 15th, 2018

2020年の東京オリンピック・パラリンピックで導入される予定の未来の技術を紹介。「科学技術イノベーションで世界を大きく前進させる9つのプロジェクト」が進行中で、どのプロジェクトも豊かな未来作りに貢献する、画期的な新技術で成り立っています。

選手が空を飛ぶ!?東京五輪・パラ五輪で導入される未来の技術9個
(C)Creative Photo Corner / Shutterstock.com

今回は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック「科学技術イノベーションで世界を大きく前進させる9つのプロジェクト」の中から、特に魅力的な技術をいくつかピックアップし取り上げてみました。数年後の未来の姿を、ぜひともチェックしてみてくださいね。

選手が空を飛ぶ!?東京五輪・パラ五輪で導入される未来の技術9個

新・臨場体験映像システム

選手が空を飛ぶ!?東京五輪・パラ五輪で導入される未来の技術9個

(2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース 冊子より)

東京オリンピック・パラリンピックにおいては、日本の科学技術を駆使した、ハイテクノロジーなおもてなしが世界中から期待されています。実際に筆者の身の回りの外国人からも、「東京オリンピックは驚くような新技術がいっぱい出てきそう」という期待に満ちた声を聞きますが、映像の分野でも新たなテクノロジーが生み出されていくようです。

例えば競技場に設置された曲面の大型透明スクリーンに、360度どこから見ても楽しめる立体映像が映し出される未来が待っているそう。まるでアスリートが空を飛んで走っているような映像が楽しめるみたいですね。

他にはテーブルの上、床の上に360度どこからでも眺められる立体映像が浮かび上がるような映像技術も開発されると言います。まるで、SF映画で見たような光景が楽しめるのですね。

選手が空を飛ぶ!?東京五輪・パラ五輪で導入される未来の技術9個

(2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース 冊子より)

それだけではありません。折り曲げ可能なシート状のディスプレイを使って、客席で映像観覧できる仕組みを実現したり、新型プロジェクションマップを使って移動中の車や飛行船、人間を映像ディスプレイに早変わりさせたりと、さまざまなプロジェクトが進められているそう。

町中にも新技術を使った電子ペーパー、デジタルサイネージが次々と登場するようですから、特に東京などメイン会場となる町の景色も変わってきそうですね。

スマートホスピタビリティ

選手が空を飛ぶ!?東京五輪・パラ五輪で導入される未来の技術9個

(2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース 冊子より)

オリンピック・パラリンピックやサッカーワールドカップなど、大きなスポーツイベントが開催されるとなると、開催地には世界中から多くの人が集まります。

ただでさえ、近年は訪日外国人観光客が右肩上がりに増えている状況が続いています。2020年のオリンピック・パラリンピック開催中は、訪日外国人観光客数がぐんと増えそうですよね。

そうなると、もてなす側、もてなされる側の双方がコミュニケーションの場面でストレスに感じる瞬間も増えそうですが、国際空港、街の中、競技観戦中、地方観光などの場面で新技術が導入され、異言語間でのやり取りがスムーズになる未来が待っているようです。

選手が空を飛ぶ!?東京五輪・パラ五輪で導入される未来の技術9個

(2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース 冊子より)

例えば、競技場のゲート付近で大会運営をサポートする多言語対応のロボットを稼働させるなど、驚きのおもてなし作戦が展開されるそう。

他にも、広いスタジアムで自分の座席探しに苦労している外国人客に対して、多言語音声翻訳システムを搭載したヘッドセットと、高精度測位技術によるルート表示が可能なシート状ディスプレイを使って、ボランティアスタッフが座席誘導をするなど、コミュニケーションが円滑になる未来が待っているようです。

移動最適化システム

選手が空を飛ぶ!?東京五輪・パラ五輪で導入される未来の技術9個

(2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース 冊子より)

巨大なスポーツイベントや、ライブイベントで人が一斉に動く時間帯は、会場の出入り口付近で身動きが取れなくなり、会場付近の公共交通機関がまひします。そうした大きなイベント特有のストレスを軽減する技術も、東京オリンピック・パラリンピックでは導入される予定なのだとか。

具体的にはセンサーカメラ、ドローン、ゴミ箱に設置した赤外線センサーなどを組み合わせて、プライバシーを保護しつつ、人の流れを把握し、大会運営を円滑に行うといった技術が導入されるそう。

選手が空を飛ぶ!?東京五輪・パラ五輪で導入される未来の技術9個

(2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース 冊子より)

そうなると、5分後の会場混雑状況を予測し、人が殺到するエリアに重点的にスタッフを派遣する、プロジェクションマッピングを用いて大人数の人を一斉に誘導するという感じで、スムーズに人の動きを管理できるようになるみたいです。

他には、入場ゲートでスピーディーな顔認証を行い順番待ちの時間を減らしたり、群衆の中で早期に病人を発見したりする技術も開発が進められるのだとか。東京オリンピック・パラリンピックが終わった後の社会運営にも、大いに役立ちそうな技術ばかりですね。

以上、東京オリンピック・パラリンピックを通じて実用化される予定の技術を幾つか紹介しましたが、いかがでしたか?

その他には感染症サーベイランス強化、社会参加アシストシステム、次世代都市交通システム、ゲリラ豪雨・竜巻事前予測、ジャパンフラワープロジェクトなどの技術も開発されるそう。

例えばジャパンフラワープロジェクトにおいては、暑い夏でも安定して花を生産し、切り花の日持ち性を向上させるような技術を開発し、東京とその他の会場を花で埋め尽くすと言います。街がどのように花で彩られるのか、今から楽しみですね。

[2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた科学技術イノベーションの取組に関するタスクフォース 冊子]
[Photos by shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

SHARE

  • Facebook