(c)Facebook/Jelly Alchemy
まるで水中花のように美しいこちらのアート、いったい何に見えますか? 実はこれ、丸ごと食べられるケーキなんです! 「美しすぎて食べるのがもったいない」とSNSで話題をよんでいるこのケーキ、どのように作られているのでしょうか。
シドニーを拠点とする「Jelly Alchemy」
(c)Facebook/Jelly Alchemy
この通称「3D ゼリーケーキ」をプロデュースしているのは、オーストラリアのシドニーを拠点に活動しているSiew Heng Boonさんという女性。なんと、このケーキを作り始めてから2年しか経っていないのだとか。Boonさんのお母さんのご友人がゼリーケーキをプレゼントしてくれた際に興味を持ったのだそう。
(c)Facebook/Jelly Alchemy
そしてBoonさんはマレーシアで開講されていたゼリーケーキの講習会に参加し、このスキルを身に着けたのです。友人に頼まれて作ったケーキがSNSで話題を呼んで以来、彼女は「Jelly Alchemy」という名義でケーキビジネスも立ち上げました。
(c)Facebook/Jelly Alchemy
それにしても、この繊細なケーキを作り始めて2年以内とは信じられないですね。
(c)Facebook/Jelly Alchemy
Boonさんによると、土台となる透明なゼリー部分はゼラチンや海藻由来の成分で固められているそうです。日本でも寒天として親しまれていますが、東南アジアではゼラチンよりもこちらのほうが主流なんだとか。
そしてベースにはライチのようなフレーバーがつけられていて、花や金魚などのオブジェ部分はミルクやココナッツミルクに着色したものを注射器などの器具を使い注入して固めているのだそう。金魚の周りにある泡は、まるで本当に金魚の作った気泡のほうにも見えます。
実はこの「3Dゼリーケーキ」は、作るときは上下さかさまの状態で作業をしています。そういったこともあり、完成までに最大4時間も要してしまうこともあるそうです。
そんなに制作が大変なゼリーケーキですが、Boonさんの創造のモチベーションは意外なところにありました。
闘病生活を支える「3Dゼリーケーキ」
(c)instagram/Jelly Alchemy
実はBoonさんは、すでに「Jelly Alchemy」の活動をしていた2017年後半に、ステージ3の乳がんだという診断を受けました。闘病生活中も、気分が良い日にドクターや介護関係者への感謝の気持ちとしてゼリーケーキをふるまっていたのだそう。時間の制約やプレッシャーから解放されたことで、むしろケーキのデザイン性は向上したとメディアに語っています。
(c)Facebook/Jelly Alchemy
そして美しいものを作り出すことに集中している間は、肉体的な痛みやネガティブな思考からも自由になれたのだとか。闘病というご経験をされたBoonさんですが、ケーキ作りがつらい時の支えになり、かつそのご経験がさらにゼリーケーキに昇華されているのですね。だからこそ、彼女の作品は見る我々の胸を打つのかもしれません。
(c)Facebook/Jelly Alchemy
Boonさんにはくれぐれも十分休養をとっていただきたいたですが、体調と相談しながらぜひこの美しい創作活動を続けていってほしいですね。TABIZINEも陰ながらBoonさんを応援していきたいと思います。
[Facebook/Jelly Alchemy]
[Instagram/siewheng83]
[3D Jelly Cakes Helped Me Through My Battle With Breast Cancer]
[I don’t think you’re ready for this jelly – Artist creates incredible floral jellies, work which helped her through breast cancer]
[Culinary Artist Makes ‘3D Jelly Cakes’ Encasing Edible Scenes of Nature Within]
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