今回のトルコ旅行で一番気に入った場所が、クズグンジュックという街。賑やかなイスタンブールの中心街とは違い、とても落ち着いててゆっくり町歩きをするのにぴったりなのです。街の中にはカフェや雑貨屋が点在。それだけでなく、街の風景全体が写真に納めたくなるのです。
「古き良きイスタンブール」が残るというクズグンジュックを紹介いたします。
古き良き時代のイスタンブールが残る街
イスタンブールのアジア側の海沿いにひっそり佇む小さな街クズグンジュックは、訪れてみるとゆったりした時間が流れているのを感じます。観光客はほとんどおらず、周辺に暮らす人たちが毎日をいつものように過ごしている様子を垣間見れる場所です。
この街はもともとはユダヤ人が住んでいたそう。その後も非イスラム教徒が長く暮らしてきたため、街の中にはユダヤ教のシナゴーグや、ギリシャ正教会、アルメニア教会などが建っている独特の雰囲気が漂う場所になっています。
町のシンボルとなっているトルコ式の家屋たち。そして各家々にはたくさんの花や木々が植えてあって、この時期(6月)は青々とした緑と、咲き始めた花たちが鮮やかに街を彩り、どこを見ても写真に納めたくなる美しさ。
何処を撮っても絵になるとはこのこと。カメラを首にかけながら路地から路地へと歩くのが本当に楽しいのです。
そんな中で、肉屋さんで買い物をする女性と犬が。こんな光景もなんだか絵になっちゃうのがいいですね。
実はこのクズグンジュックは芸術家が多く暮らす街としても有名。街の中にはギャラリーや、自分の作品を売る小さなショップなどもあるのです。それを覗きながら町歩きもオススメです。
夏はオープンカフェでお茶は当たり前
クズグンジュックにはカフェが本当にいっぱいあります。しかも何処もこの季節はドアを全開!すでにイスタンブールは暑い季節に入っていましたが、湿気がないので木陰がとても涼しいんです。
みんなこうやってドアも窓も全開。外からは気持ち良い風が入ってきて、カフェは最高の居心地なんです。
そして、お店の目の前の歩道にはテーブルと椅子が置かれていて、ここはオープンカフェになっているんです。おじさんたちがここに集まってチャイを飲みながら休憩している姿が印象的でした。
おしゃれなブックカフェ「Nail Kitabevi Kafe」
今回の町歩きで偶然発見した素敵なお店がこのブックカフェ「Nail Kitabevi Kafe」。角に立つ古い建物を利用していて、入口はかなりクラシックです。
中に入ると、建物の形状から入口から奥に向かって広くなっています。壁には本がいっぱい。奥には階段が見えます。そしてダリの似顔絵も。
店内にはコーヒーの焙煎機が。ブックカフェなので、本を読みながらコーヒーを飲む人たちがカウンターに座っていました。
奥の階段を登って2階へ行ってみましょう。
階段は螺旋になっていて、ぐるぐる回りながら2階へ上がっていきます。階段から見る店内もなんだかいいですね。
登りきると、目の前には素敵な景色が広がっていました。建物の先端になる出窓からは緑がのぞき、木漏れ日が入ってきます。そして両サイドには本棚とソファ。このシンメトリーな空間がすごくセンスがいいのです。
出窓の部分もソファーになっていて座ることができます。ここに座って本を読みながらコーヒーとともに街の景色を眺めるなんて最高ですよね。
2階には他にも作業ができそうな大きなテーブルと、ゆっくりおしゃべりができそうな2人席もありました。のんびりクズグンジュックの街を眺めてお茶をするなら、このカフェの2階の先端のソファをオススメしたいですね。
Kuzguncuk Mahallesi, İcadiye Caddesi, No 32, Üsküdar, İstanbul
営業時間:09:30 – 19:00
ゆったりしたイスタンブールを感じたいなら
観光地巡りに疲れたり、そういう場所とは違うイスタンブールを味わいたかったら、クズグンジュックを訪れてみてください。きっと、満足できるはずです。普段のトルコをちょっと覗き見した、街の人になった気持ちになれる、クズグンジュックの良きイスタンブールを楽しんでみてください。
[All Photos by Kaori Simon]