金沢旅行のついでに、あるいは立山・黒部や富山市観光のついでに、富山県の高岡に立ち寄る場合もあるかもしれませんね。
高岡には大仏があり、重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)の金屋町、山町筋があり、銅器を中心としたクラフトがあります。そんな高岡観光の合間にちょっと休憩したい、スイーツが食べたいと思ったら、どこに立ち寄ればいいのでしょうか。
そこで今回は北陸に暮らす筆者が、『COMMA, COFFEE STAND(コンマ コーヒースタンド)』と同店の出すシュークリームを紹介したいと思います。
元パン屋をリノベーションした富山の人気カフェ
(開店直後の店内の様子 COMMA, COFFEE STAND提供)
東京方面から富山県に来るとなると、北陸新幹線を利用する旅の形が一般的になると思います。北陸新幹線で言えば、高岡観光の玄関口は新高岡駅。その新高岡駅から約1.5km離れた在来線の高岡駅から徒歩で行ける場所に『COMMA, COFFEE STAND』はあります。
手掛けた人は、東京からUターンで富山に帰ってきた建築家の大菅洋介さんとバリスタの麻希子さん夫婦。高岡で重伝建に指定された山町筋の一角にあった元パン屋を大菅さんご自身がリノベーションしたカフェになります。
ちょっとユニークな名前ですが、『COMMA, COFFEE STAND』とは大菅さんによれば、お店のある住所、高岡市小馬出町(こんまだしまち)の「こんま」と、英語などに使われる「,(コンマ)」から来ているのだとか。ショップカードに印字された店名を見ても、しっかりコンマが打たれています。
オープンは2014年、今では休日などに店の前を通ると、若者が店内で気持ち良さそうに過ごしている姿を多く見かけます。メディア露出と共にSNSでの発信にはやはり力を入れていると言いますが、SNSで発信しリアクションがあるたびに、かえって「きちんとした仕事をしなければ」という引き締まった気持ちが高まり、仕事の質も変わってきていると教えてくれました。その好循環が、新たなファンを呼び寄せ続けているのですね。
スペシャルティ―コーヒーとシュークリームの組み合わせが旅の疲れを忘れさせる
同店には、地元の安心野菜を使った季節の野菜ランチもあります。ですが、旅の途中でふらっと楽しみたい最高の組み合わせとしては、やはりスペシャルティコーヒーとシュークリームが挙げられます。
お店に立つバリスタの大菅麻希子さんは東京のイタリアンバールや喫茶店で働いたキャリアを持つ方で、『COMMA, COFFEE STAND』では麻希子さんドリップによるスペシャルティコーヒーが出てきます。スペシャルティコーヒーとは、
<生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆>(Specialty Coffee Association of Japanのホームページより引用)
とある、品質の優れたコーヒーですね。豆は幾つかの産地を混ぜるブレンドではなく、特定の産地に絞り込んだシングル。焙煎したての状態で東京の世田谷にある『NOZY COFFEE』に直送してもらい、『COMMA, COFFEE STAND』でひいて出してくれます。
少し蒸し暑い梅雨の時期にお邪魔しましたが、その日にいただいたアイスコーヒーは雑味がなく、酸味とキレのある上質な味わいで、飲めば爽快な気分になりました。
さらにシュークリームは、オーナー自身もほれ込み、パティシエールとは個人的にも親しくしているという東京の『菓子工房ルスルス』からレシピ提供を受け、地元の食材で作ったスイーツになります。言うまでもなくコーヒーとの相性はばっちりで、シュークリーム自体の見た目と、器や盛り付け方の美しさあって、SNSへの投稿にはぴったりです。
シュー生地からあふれそうなほどのクリームを持て余した筆者は、「どのように食べればいいのですか?」と聞くと、取材に対応してくれた大菅洋介さんは「自由です」と笑顔で応えてくれます。ただ、サクサクのシュークリームの生地を「ふた」のように外して、スプーンでクリームをすくい、生地に乗せて食べる人が多いと教えてくれました。コーヒーとシュークリーム、ぜひとも一緒に楽しんでみてくださいね。
以上、富山県の高岡観光では立ち寄りたいカフェを紹介しましたが、いかがでしたか。同店の「コンマ」は、英文の流れに区切りを持たせるように、「一呼吸置く」という思いも入っているとオーナーは語ります。
きっとこのコンマは、観光客のための「コンマ」でもあるはず。旅の途中で一呼吸置くためにお店に入り、ガラス窓の外の景色を眺め、店内に設けられたイラストの地図に目を向けて、次の行先をあれこれ考えてみてください。きっと、どこか心の躍る次の行先が見つかるはずですよ。もちろん、フリーWi-Fiも使えます。
[Photos by 柴佳安]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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