(C)Haruna Akamatsu
ドイツ第2の都市、ハンブルク。ドイツ最大の港町として栄えてきたこの町には、ドイツの観光スポット人気ナンバーワンの「ミニチュアワンダーランド」をはじめ、知られざる魅力がいっぱい。
次に行ってみたいドイツの町、ハンブルクでしたい8つのことをご紹介します。
世界遺産の倉庫街を散策
ハンブルクで絶対に見逃せない観光スポットといえば、世界遺産に登録されている倉庫街。ハンブルクが国際的な商業都市として急成長した19世紀から20世紀にかけて整備された地区で、倉庫街としては世界最大級の規模を誇ります。
近代的な町並みが広がるハンブルクにあって、19世紀当時の風景をとどめる倉庫街はまさに別世界。運河沿いに広がるレンガ色の町並みは、ロマンティックな散策スポットとして人気を集めています。
続いてご紹介する「ミニチュアワンダーランド」や「ハンブルク・ダンジョン」などのアトラクションに加え、雰囲気の良いカフェやレストランも点在。
倉庫街で一休みするなら、自家焙煎のコーヒーで人気の「スパイヒャーシュタッドカフェ」や、紅茶専門店兼レストランの「ヴァッサーシュロス」がおすすめです。ノスタルジックなムードに浸りながら、のんびりとカフェタイムを過ごしてみては。
ミニチュアの世界に驚嘆
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ドイツ観光局が世界各国の旅行者を対象に実施したアンケートで、見事2017年のドイツの人気ナンバーワン観光スポットに輝いた「ミニチュアワンダーランド」。
2001年に倉庫街の一画にオープンしたアトラクションで、世界最大級の鉄道模型のジオラマで知られています。ハンブルクはもちろん、バイエルン、スイス、オーストリア、イタリア、アメリカなど、ドイツ国内外の名所を再現したミニチュアの世界は現在進行形で拡大中。その規模はもちろんのこと、精巧に造りこまれた建物や車両、人物などの細かさに圧倒されます。
ミニチュアワンダーランドをさらに特別なものにしているのが、随所に設けられたさまざまなしかけ。ボタンを押すとコンサートが始まったり、ヘリコプターが動いたり、ビーチで人が体操を始めたりと、それぞれの場面のなかに「ストーリー」が埋め込まれているのです。
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スタッフがコントロールしている大がかりなしかけもあり、なかでも空港で飛行機が離着陸する様子や、ポンペイの火山が噴火する演出には、老若男女みんなが釘付け。ミニチュアの世界の奥深さに感動するはずです。
華麗なる市庁舎に対面
ドイツでも有数の壮麗さで知られるハンブルクの市庁舎。1897年に建造されたネオ・ルネッサンス様式の建物で、ドイツ皇帝の支配を受けず、自由ハンザ都市の立場にあったことの象徴として建てられました。均整のとれた華やかな外観は、まるで宮殿のよう。
720平米の大きさを誇る「大宴会ホール」や、豪華な絵画などで飾られた「塔のホール」をはじめ、きらびやかな内部はガイドツアーで見学できます。
周辺のカフェからじっくりと市庁舎の景色を楽しむのもおすすめ。特に夏の晴れた日には、最高に爽やかなひとときが過ごせます。
聖ミヒャエル教会からのパノラマを堪能
ハンブルクで最も有名なプロテスタント教会が、聖ミヒャエル教会。古くからハンブルクの象徴とされてきた教会で、船乗りたちにとっては、長い航海の果てにハンブルクに到着した目印でした。
高さ132メートルの塔は「ミヒェル」の愛称で親しまれており、82メートル地点には展望台が。ここからの眺めはハンブルク随一と評判で、ハンブルク市街や港を一望できます。
充実のミュージアムめぐり
第2の都市だけあって、ハンブルクはドイツでも屈指のミュージアム都市。質・量ともに見ごたえ十分のミュージアムが揃っています。
ドイツで最も大きい美術館のひとつに数えられる「ハンブルク市立美術館」は、現存する最大の中世絵画である「グラボウの祭壇」やフリードリヒの代表作「氷海」をはじめ、ゴーギャンやクレー、ピカソなど多彩な作品群を展示しています。
世界各地から集めた工芸品やグラフィックデザインなどを集めた「美術工芸博物館」は、世界最大級のアールヌーヴォーコレクションが自慢。
さらには、船の模型やハンブルクとその周辺の造船業や漁業について展示する「アルトナ博物館」やハンブルクの歴史を学べる「ハンブルク博物館」など、個性豊かな博物館にも出会えますよ。
ミュージアムめぐりをするなら、ハンブルクの市内交通と観光スポットの割引がセットになったハンブルクカードの利用がお得です。
ドイツ最大の港をクルーズ
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せっかく港町ハンブルクにやってきたなら、地上からだけでなく、水上からの風景も楽しんでみたいもの。ハンブルクには観光客向けの遊覧船のほか、市民の足として使われている定期船もあります。
ザンクト・パウリ桟橋から出る定期船(62番など)のチケットは、ハンブルク市内のバスや地下鉄と共通。市内交通の一日券も利用でき、格安でクルーズ気分を味わうことができます。62番に乗った場合、ザンクト・パウリ桟橋から終点のFinkenwerderまでは所要約30分。終点に着いた船はまたザンクト・パウリ桟橋へと戻るので、往復で60分強の船旅です。
港町の名物料理「ラプスカウス」にトライ
ドイツ料理といえば「肉!」というイメージが強いですが、海が近い北ドイツでは魚料理もよく食べられます。
ハンブルクをはじめとする港町の名物料理として知られるのが、「ラプスカウス」。ジャガイモとコンビーフを混ぜて目玉焼きをのせた豪快な料理で、しばしばニシンの酢漬けやビーツ、ピクルスなどが添えられます。
別名「船乗りのおじや」と呼ばれ、かつては栄養が不足しがちな海の男たちのエネルギー源として重宝されていたとか。北ドイツ流の豪快な魚料理は、あなたのお口に合うでしょうか・・・
ハンブルク生まれの「フリッツコーラ」を味わう
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全国各地にご当地ドリンクがあるドイツ。ハンブルク生まれの炭酸飲料として知られるのが「フリッツコーラ」です。
コーラというと「甘さが強くて不健康」というイメージがありますが、フリッツコーラは一般的なコーラとは一線を画しています。
そもそも「コーラ」とはアフリカの熱帯雨林に植生する植物のことで、コーラの実を使って作られた炭酸飲料が本来のコーラ。ですが、現在はほとんどのコーラにコーラの実は使われていません。
フリッツコーラは創業者のハンプル氏とヴィーガート氏がよりおいしいコーラを作るべく生まれたブランドで、コーラの実のエキスが使われた本物のコーラ。甘さを抑えてカフェインを多めにし、レモンのフレイバーを加えた大人向けの本格コーラなのです。しかも材料はすべて自然由来で、添加物は使用しないというこだわりぶり。
コーラのほかにも、レモネードにブドウやリンゴ、ルバーブの果汁をソーダなど、フリッツシリーズは実に豊富。いずれも甘さ控えめの自然な味わいなので、普段炭酸飲料をあまり飲まない人でもついつい色々と試したくなるかもしれません。
世界遺産の町並みに人気のテーマパーク、さらにはアート鑑賞にグルメと、多彩な魅力が備わったハンブルク。過去と現在が融合した、躍動感あふれる港町の風を感じてみてください。
[Photo by shutterstock]