「日本からわずか9時間半の一番近いヨーロッパ」とフィンエアーがいうように、北回りの航路ならフィンランドのヘルシンキが、最短で行けるヨーロッパの都市です。
フィンランドと言えば、北部のヴァニエミにあるサンタクロース村でサンタさんに会えたり、ムーミン美術館でムーミンの世界にどっぷりつかったり、サウナやオーロラを楽しんだりと、独特の文化が魅力的。
そんなフィンランドの入り口、ヘルシンキの中央駅のバーガーキングがとっても美しいんです。アメリカのバーガーキングがヨーロッパのアールデコと出会って素敵なお店になりました。2014年のことです。
アールデコが美しいヘルシンキ中央駅
そもそもヘルシンキは港町。ヘルシンキ中央駅の駅舎が完成したのは1919年のことでした。建築家のエリエル・サーリネンがデザインのコンペティションで勝ち抜いたのは1904年。彼のデザインがちょっと懐古的であったということで、鉄道という当時先進的であった乗り物と同様に新しい感覚が求められてデザインをやり直したために、完成までに時間がかかってしまったそうです。
メインのホールは、アーチ形の天井で、ガラスを通して入る日光が優しく包み込むように全体を照らしています。
入り口を入って左側にはフィンランド鉄道(VR)のチケットカウンターがあります。こちらも、美しい曲線を描く天井と、それを支える柱の一体化した流れが美しいホールです。まさにアールデコの代表建築といえます。
2013年には、英国BBCの世界の最も美しい10の駅の一つに選ばれました。
メインホールの右翼に美しいバーガーキングが!
振り返ってホールに戻ると、反対側(入り口から見て右側)に、赤いサインが見えました。
そこがバーガーキング。アーチの木枠の窓に、重厚な木製の入り口。先ほど見たVRのチケットカウンターのホールと左右対称になっているようです。入ってみます。
正面カウンター上のフレスコ画が美しい!
正面に注文カウンターありますが、その壁の木枠がまた重厚で美しく、古い時計が時を刻んでいます。その上にはフレスコ画が。フィンランドの写実主義の画家エーロ・ヤルネフェルトの作品です。
バーガーキング開店に際して、このホールの構造は全く変更されませんでした。そして、このフレスコ画をキッチンからの油分の入った空気から守るために、強力な排気装置を設けたそうです。
どこも絵になる店内
店内のテーブルやいすはいたってシンプルですが、飾られている写真はヘルシンキ中央駅にまつわるもの。駅の歴史を垣間見ることができます。どこも絵になるんです。
それにしても伝統的な駅舎とファーストフード店が美しく融合していると感心させられました。
その他の構内おすすめスナックのお店
HESバーガーはフィンランドのハンバーガーチェーン。チーズバーガー、ダブルバーガーなど一般的なものももちろんありますが、オーツ麦と豆のバーガーやグルテンフリーのバーガーに、大豆肉のスティック状のフライものもあって健康志向なお店です。
この木製の小さなブースをりようしたのがコーヒー・イン。コーヒーやサンウィッチ、クロワッサンなどの軽食を気楽に楽しめます。
ヘルシンキは比較的小さな町。その中心にあるのがこの中央駅です。北には博物館や美術館、南側にはデパートやショップがならぶ繁華街。その東には港があります。駅を目印にして、ヘルシンキの街歩きを楽しんでくださいね。
[Finnish Architecture Navigator]
[Ten of the world’s most beautiful railway stations]
[Sisustusarkkitehdit Gullstén & Inkinen Oy]
[All photos by Atsushi Ishiguro]
Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
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