「アメリカン・ドリーム」といえば、自分自身の才覚で巨万の富を築くサクセスストーリーを想像しますね。では「イタリアン・ドリーム」といえばどんなことでしょう? 先日、「もしかしたらこれこそイタリアン・ドリームなのでは?」という求人が発表されました。イタリア人のみならず、全世界の甘いもの好き垂涎のあまーいお仕事です。一体どんな内容なのでしょうか。
暴動がおこるほど愛されている「ヌテラ」
(c)Naoko Kurata
イタリアには「ヌテラ」(Nutella)という名の、ヘーゼルナッツ・ペーストにココアなどの材料を混ぜ合わせた、チョコレート風味の甘いペーストが存在します。
朝食のトーストにはもちろん、クレープにかけたりと用途は様々。その美味しさから、本国イタリアのみならず、欧州各国をはじめとする世界中で愛されている食べ物です。2018年1月には、割引になったヌテラをめぐってフランスのスーパーで暴動のような騒動が起こったとも報じられています。
そんな大人気のヌテラのメーカーであるイタリアのフェレロ社(Ferrero)が、なんと2018年8月に「味見係」を募集しました! ヌテラ製造工場で、製造されるヌテラが正常なクオリティを保っているか判断するという重要なポストです。しかも、当座の募集人数は60人! このニュースは、瞬く間に世界の注目を集めました。
「ヌテラ味見係」になるための条件
応募の条件は、フェレロ社の本部があるイタリアのピエモンテ州北西部のアルバに引っ越せること。ちなみにこの地方は、バローロスやバルバレスコといった高級ワインをはじめ、白トリュフの産地としても知られています。
そして気になる職歴は、全く不問なのだとか。食品業界での経験が全くなくても、ヌテラに対する愛情さえあれば採用されるチャンスはあるということです。「一般消費者の感覚を持つ人材を探しているので、栄養や味覚に関する高度な教育を受けていない人のほうが歓迎される」とも公式に発表されています。
トレーニング後に60名から40名へ
候補者から選ばれた60人は、9月末に開始予定の3か月間のトレーニングコースが義務付けられています。新鮮な味と香りに対する感覚を鋭敏にし、味を説明するための正しい用語を習う予定なのだとか。具体的にはどんなことをするのか非常に気になります!
実はこのトレーニングの後に更に人数が絞られ、最終的には40人が正式にポストに就くと言われています。フルタイムではなくパートタイム勤務になるので、この仕事だけで生活できるかは未知数です。けれど採用側は「他の仕事との兼業もOK」としています。
イタリア人でなくても魅力を感じるこの仕事、一体どんな方たちが選ばれるのでしょうね? ぜひ年末には、最後まで残った40人の続報も知りたいものです。
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