アメリカ南部に位置するアーカンソー州フェイエットビル。日本人にはあまりなじみのない州ですが、フェイエットビルの2010年からの人口増加率は15%を超え、アメリカで最も成長が早い都市のひとつでもあります。
そんなアーカンソー州の小さな街フェイエットビルでじわじわと話題になっているのは、昔懐かしのアーケードゲーム機で遊べるゲームセンターと、ピンボールマシンを楽しみながらお酒を飲めるピンボールバー。デジタル文化が進化した現代だからこそ新鮮な、昔懐かしいレトロな話題スポットについてご紹介します。
70~80年代のアーケードゲームコレクション!
(c) Yoko Nixon
まず最初にご紹介するのは、Arkadia Retrocadeというゲームセンター。お店のオーナーのシア・マティスさんは、オークション、ネットショッピング、ebayなどから70年代、80年代に流行した計70台以上ものアーケードゲーム機を買い集め、誰でも遊べる懐かしのゲームセンターをオープンしました。その中には初期のパックマン、マリオブラザーズ、ドンキーコング、ストリートファイターなど、日本でももはやほとんど見ることができないゲーム機が所狭しと並んでいます。
(c) Yoko Nixon
入場料の5ドルを払えば、出入り自由で一日中遊ぶことができます。また各ゲーム機はお金を入れなくても遊べる仕様に設定されており、ゲームオーバーになっても何度も続けて遊ぶことができます。
(c) Yoko Nixon
マシンのイラストも時代を感じるものばかり。現代でも現役で稼働していることに驚きです。
またアーケードゲーム機以外にも、家庭用ゲーム機の初代ファミコンや、任天堂64など、懐かしのゲームも取り揃えてあり、家で楽しむ感覚でプレイすることができます。
(c) Yoko Nixon
お店の中にはパーティスペースもあり、小さい子供の誕生日会や、大人同士の集まりにも人気だそうです。当時のゲームで遊んだ人にはには懐かしく、そうでない人には新しいゲーム体験を提供してくれるArkadia Retrocadeは、子供から大人まで楽しめる人気スポットです。
アナログな作りが新鮮なピンボールが魅力のバー
次にご紹介するのはPinpointというピンボールバー。このお店のコンセプトは、お酒や軽食を片手に、懐かしのピンボールで心行くまで遊べるということ。ピンボールとは、ゴルフボールよりもひとまわり小さい銀のボールを、マシンの両脇にあるボタンでバーを操作しながら枠の外に落とさないようにハイスコアを競って遊ぶゲームです。
オーナーのボウ・カウンツさんは幼いころからピンボールマシンを手に入れることが夢で、6年前に初めてのピンボールマシンを購入。その後ピンボールマシンのコレクションを続け、ピンボールの魅力を多くの人に伝えるために、バーを併設したお店をこの夏開業しました。
(c) Yoko Nixon
お店の奥までずらりと並ぶピンボールマシンは、暗い店内を華やかに彩ります。
アメリカではピンボール業界は2000年代に一度衰退しましたが、近年になってそのアナログな作りが若い世代の人には新鮮なものとして、また過去にピンボールを楽しんだ人には懐かしさを提供してくれるものとしてまた広がりを見せているそうです。お店には17台のピンボールマシンがあり、アメリカ国内でもこれほどのマシンを集めたピンボールバーは初めてだそうです。
(c) Yoko Nixon
こちらはスターウォーズのピンボールマシン。映画でおなじみのキャラクターや世界観がよく作り込まれています。
こちらはお酒を提供するバーということもあり、21歳以上の人のみ入ることができますが、世代を超えた客層が一緒に楽しめる場所として話題になっています。筆者も本物のピンボールを体験したのは今回が初めてでしたが、マシンのギミックと精巧な作りに思わず熱中してしまいました。シンプルな操作ながらも高得点を出すにはマシンのトリックをしっかり理解する必要があり、手軽に楽しめますが奥が深いゲームでもあります。
どちらの場所にも共通するのは、ある層には昔懐かしく、またある層には目新しい体験を提供しているということです。幅広に年代層に愛されるアーカンソー州フェイエットビル発、レトロビジネスが話題のゲームセンターのご紹介でした。
参考
[usatoday.com]
[fayettevilleflyer.com]
[uatrav.com]
[Photos by shutterstock.com]
Yoko Nixon ライター
高校時代初めてアメリカのテキサス州に留学してから、縁あって大学もそのままテキサスへ。帰国後リーマントラベラーとして暇を見つけては世界各国を旅し、旅と写真の面白さにハマる。現在はアメリカのアーカンソー州在住。目先の目標はアメリカ全州を制覇することです!
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