旅行先でたくさん買い物をした、留学先から帰国するなど、海外から日本へ荷物を送りたいとき、どうしますか?
現地の郵便局へ小包を持ち込んで、ごく普通に郵便で送る。それも間違いではありませんが、海外旅行者の特権を生かしたもっとお得な方法があります。
それが「別送品」として送る方法。そうすることで、20万円の免税枠を適用させることができるのです。意外と知られていない、旅行者や長期滞在者必見の別送品制度をご紹介しましょう。
「別送品」ってなに?
「別送品」とは、海外に渡航した旅行者が帰国する際に、自らが持って帰る荷物とは別に送る荷物のことです。帰国時に持ちきれない荷物を、本人が別便で発送したものと考えればいいでしょう。
「別送品」として荷物を送ることにどんなメリットがあるのか。あまり知られていませんが、別送品として送ることで、海外旅行者向けの免税枠が適用されます。
別送品の申告をせずに一般郵便として送った場合、日本の税関で関税を課される場合がありますが、別送品として送ることで、同じ品物でも関税を課されずに済むことが多いのです。
海外旅行者に適用される免税枠とは?
ここで、海外旅行者に適用される免税枠についてお話ししましょう。通常、外国から日本へ品物を輸入すると関税が課されますが、海外旅行者が持ち帰る品物に関しては、一定の条件のもとで関税が免除されます。
その条件とは、海外で購入し日本に持ち込む品物が個人的に使用する品物であって、その合計額が海外市価で一人あたり20万円以内であること。
この20万円の免税枠が、旅行者の携行品と別送品に適用されます。10万円分を携行品として持ち帰った場合でも、まだ10万円の免税枠が残っており、それを活用しない手はないというわけです。
※お酒、たばこ、香水など一部の品目には異なるルールが適用されます。また、一品目あたりの合計額が1万円以下の場合は原則として免税扱いになるため、20万円の免税枠に含める必要はありません。
別送品として荷物を送る方法
別送品として荷物を送るのは、意外に簡単。注意すべきは、宛先を自分宛にすること、送り状と品物の外箱に「別送品(Unaccompanied Baggage)」とわかりやすく記載することの2点です。
別送品として荷物を送るうえで特別なサービスを利用する必要はなく、一般の国際郵便同様、各国の郵便局などに小包を持ち込むなどして発送することができます。
気をつけたいのは、旅行先の土産物屋などで購入した商品を日本へ送ってもらうとき。そのような場合には、「別送品(Unaccompanied Baggage)」として送りたい旨をスタッフに伝え、送り状や品物の外箱に別送品であることを明記してもらうようにしましょう。
なお、別送品として送る荷物は、本人の帰国から6ヵ月以内に通関できるものに限られます。旅先で本人が発送を行う場合、この期間を気にする必要はほとんどありませんが、本人の帰国後、第三者に荷物を発送してもらうような場合は、この期間を過ぎないようにしなければなりません。
入国時の携帯品・別送品申告書に記載
別送品として荷物を発送するのはとても簡単ですが、送った時点で手続きが終わるわけではありません。日本に入国する際に記入する、「携帯品・別送品申告書」の記入もきわめて重要なステップです。
国籍を問わず、海外から日本に入国する人はみな携帯品・別送品申告書の記入が必要ですが、別送品がある人は、申告書のA面「3.別送品」の項目で、「はい」を選択し、別送品の個数を記入しなければなりません。
別送品がある場合、一通は税関で回収され、もう一通は本人の控えとなるため、同じものを二枚記入します。空港の税関で携帯品・別送品申告書に確認印をもらったら、別送品の手続きが完了です。
携帯品・別送品申告書の再発行はできないので、無くさないよう大切に保管してください。
日本国内で別送品を受け取る
通常、別送品の受け取りは一般の国際郵便とは異なるステップを経ます。別送品を郵送した場合、日本の税関に別送品が到着したら、税関の外郵出張所から荷物が到着した旨の通知ハガキ(外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ)が届きます。
ハガキが届いたら、入国時で税関の確認印を受けた携帯品・別送品申告書を税関外郵出張所に郵送するか、又は直接窓口に提出すれば、荷物が受け取れるようになります。
ただし、筆者の場合は事前の通知ハガキなしで、別送品が直接自宅に届いたこともありました。
郵便以外のサービスを利用した場合は、入国時に空港内にある当該会社のサービスカウンターなどに携帯品・別送品申告書を提出しなければならない場合があるため、利用する物流会社のホームページなどで詳細を確認してください。
一般郵便よりはやや手間がかかるものの、必要以上に課税されることを避けられる別送品の制度。海外の滞在先で荷物が増えてしまったら、ぜひ旅行者の特権を生かせるこの制度を思い出してください。
[別送品がある場合の税関への申告手続(税関)]
[海外旅行者の携帯品の免税範囲(税関)]
[All Photos by shutterstock.com]
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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