(C)Nanako Kitagawa
フランスの本屋に行くと、漫画売り場の面積の広さに驚いてしまいます。この空間だけは日本のようだと錯覚してしまうほど、多種多様な漫画がフランスでは翻訳され、愛読されています。実はフランスは、日本に続いて漫画消費大国なのです。なぜ、フランスでは、漫画が人気なのでしょうか。フランスの漫画事情についてお話します。
バンド・デシネという漫画の文化があるフランス
(C)Nanako Kitagawa
フランスには、バンド・デシネという漫画の文化があります。ベルギーのバンド・デシネですが、『タンタンの冒険』なんかが、日本では有名ですね。日本の漫画もバンド・デシネも、お互い影響を受けて発展した歴史もあります。漫画文化がすでにあったフランスでは、日本の漫画を受け入れる土台がありました。
アニメを見て育ったフランス人
20代から40世代のフランス人は、日本のアニメを見て育ちました。私たち日本人が想像する以上に、これら世代のフランス人は日本のアニメに詳しいのです。当時、アニメといえば、ほとんどが日本のアニメだったそうで、「ドラゴンボール」シリーズや「聖闘士星矢」、「シティーハンター」、「キャプテン翼」などが人気だったのだそう。
現在は、以前に比べてアニメ放映は随分と少なくなりましたが、それでも、「ポケモン」や「NARUTO-ナルト-」などが、今のフランスの子どもに人気があります。日本のアニメを見るようになって、漫画の世界にハマるフランス人も少なくはないようです。
なぜ、日本の漫画に惹かれるのでしょうか
(C)Nanako Kitagawa
日刊紙L’Humanité/リュマニテによると、日本の漫画は、恋愛、戦闘もの、SFなど、テーマが多種多様。子どもだけでなく、大人をも惹きつけるのだそうです。日本でも、漫画は子どもが読むものではなく、大人も普通に読みますよね。フランスでは、以前は漫画といえば、オタクが読むものという認識でしたが、現在はとりわけ一般的に若者に読まれるようになっています。
アニメのイベントもフランスでは人気
フランスではジャパンエキスポやパリマンガなどのアニメのイベントが開催されると、かなりの集客があるのだそうです。開催時期に地下鉄などに乗っていると、コスプレをしたフランス人をよく見かけます。あまりに熱狂的な様子に、ここまで日本の漫画は一部のフランス人に人気なんだとこちらが驚いてしまうほどです。
日本の漫画は年々フランスで根付いてきています。フランスでは、日本の漫画を書く、漫画家も生まれてきています。今後、フランスで、どのように漫画が発展するのか楽しみです。
参考
[humanite.fr]