
パリにいると、美しく歳を取った女性によく出会います。変に若作りをせず、年相応の美しさで、歳を取れば取るほど、成熟度が増す。老いを隠さず、自然体でいることの美しさを体現しているのがフランスの女性たちなのです。そんな成熟したフランス人女性のスタイルについてご紹介します。
白髪染めしない銀色の髪

ある機会で出会った60代のボブスタイルの銀髪のフランス人女性が、あまりにかっこよくて、すごく印象的に残りました。老いを隠さず、ありのままの自分を受け入れる、その潔さにも、感銘を受けました。
フランスでは、白髪染めをしない、銀髪の女性によく出会います。特徴的なのは、銀髪の女性は、清潔に見えるようにカットをまめにしていて、身だしなみにすごく注意を払っているということ。ちゃんとセットされていない、銀髪スタイルというのは、不潔でだらしないという印象を受けるからです。
ただ、中途半端な白髪の場合は、白髪染めしているフランス人も多く、まばらな白髪の女性はあまり見かけません。
厚化粧をしない

フランス人女性は、ファンデーションを塗りたくり、シミやシワを隠すということをあまりしません。厚化粧をして、年齢を感じさせない美しい女性でいるよりかは、シミやシワが見えても、自然体でいる方が美しいとされています。
ただ、いくらありのままが美しいと言えども、全く化粧をしないというのは、ご法度。自然体でいることと、化粧をしないということは、全く違います。薄くファンデーションを塗り、ワンポイントメイクをして、口紅をしっかりと引く。化粧で歳を誤魔化さず、ナチュラルに美しさを引き出すことが大切なのです。
老眼鏡はファッションの一部

老眼鏡がなくならないように、眼鏡チェーンをつける。物忘れ防止のために眼鏡チェーンをつけているように感じてしまいますが、フランスでは、そんな眼鏡チェーンをつけるというスタイルをエレガントに見せる女性が多くいます。老眼鏡もファッションの一部として楽しんでいるように感じられます。
若作りはしない

フランス人女性にとって、「年齢よりも若く見えるね」というのは、そこまで褒め言葉ではありません。フランスでは20代の若い女性が一番美しいとは考えられていないからです。フランスには年相応の美しさがあって、男性もまた年齢に応じた女性の美しさを讃えるのです。若作りなんてする必要はなく、老いを隠さず、年相応の美しさを磨くことが、大事と考えられています。
気持ちを若くもつ

フランスで歳を取った女性が輝ける理由の一つは、気持ちの若さにあるようです。定年退職後でも、スポーツを定期的にしたり、旅行に出かけたり、文化サークルに参加してみたりと、若い人よりもアクティブに動いているように思えるほど。フランスの60代、70代の女性たちは、気持ちを若く持ち、人生を謳歌し、輝いているように思います。
フランスでは、このように老いをポジティブに捉えています。最近、白髪が生えてきた、シワが目立つようになってきた、見た目が老けたようだと落ち込んでいる人。老いを隠さず、自然体でいるフランス人女性たちの姿勢から、何か学んでみませんか。
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Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
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