
いつの時代も落とし物がなくなることはありません。特に多いのが公共交通機関を利用したときですよね。機内や空港の忘れ物は、法律により最短で90日間保管され、期間を過ぎたらオークションにかけられるか寄付されるか、はたまた廃棄されるかしているそうです。
落とし物の内訳

イギリスのテレグラフ紙によると、ロンドンのガトウィック空港では、毎月1000から1800箱もの落とし物が発生しています。ロンドンだけでも6つの空港があるので、全体ではかなりの量になりますね。
一般的に、落とし物の中で多いのが、手荷物検査で外したベルト、携帯電話、iPad、傘といったものです。ただし、ロンドン・シティ空港のスタッフ情報では、現金£50,000(約713万円/2018.12.10現在)、ダイヤモンドが詰まった袋、ロレックスの時計、ポルシェのキー、サイン済で金額が未記入の小切手帳などが回収されたことがあるそう!
気になるのが持ち主が現れる率ですが、携帯電話などの高額な物の85%は持ち主に返却され、本のようなものは30~40%の持ち主が見つかっています。持ち主が現れなかったものの中には、ウェディングドレス、松葉杖、入れ歯といった、なくしたら相当困りそうなものもあったようです。なぜそのような事態になったのかも、迷宮入りです。
オークションに出されるものも

さて、保管期間を過ぎたものの中には、オークションに出されるものがあります。ロンドンには、「Greasbys」「a Tooting auction house」といった、ロンドンの空港からやってきたものが並ぶオークションのショップがあります。隔週火曜日にオークションを開催。店員さんの話によると、商品は「主に汚いバッグや洋服」ということなので、ちょっとがっかりしてしまいますね。
他の国はどうなっているのでしょう?オーストラリアのシドニー空港では、毎年恒例でチャリティーオークションが開催されています。オンラインオークションサイトで行われるもので、ジュエリーや化粧品などを含め新品も多いようです。
アメリカのアラバマ州には、「Unclaimed Baggage Center」という年間100万人もの来店客数を誇る、空港などの落とし物を販売するお店があります。従業員数が140名いることからも、かなり巨大なショップだとわかりますよね。アラバマ州の観光スポットとして人気なんだそうです。
その他の落とし物や没収されたものの処理

ところで、オークションや寄付に出されずに捨てられてしまうものにはどんなものがあるのでしょうか。
ガトウィック空港では、手荷物検査でひっかかった化粧水やマウスウォッシュのような液体は廃棄、ペットボトルはリサイクルに出しています。ちょっと高級な液体の香水やワインは厳しい検査の上、最終的には捨てられてしまうそうです。また、コカインなどのドラッグやナイフ、催涙スプレーなどの武器はオークションに出せないので当然廃棄となります。
空港では多くの無駄が出ているかと思うと、なんとも言えない気分になりますね。
空港、飛行機関係のトリビアについては、『【特集】元空港グランドスタッフの、今だから話せる驚きの実話』『マニアの間で人気!?三角マークがついている飛行機の座席の意味とは?』などもぜひチェックを!
参考
[The Telegraph]
[JAMS.TV]

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Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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