
気軽に利用できる移動手段として人気のシェアリングサービス。フランスの主要都市では自転車のシェアリングが普及していますが、そんな中、最近街でよく見かけるのが、キックボードのシェアリング。フランス語でトロチネットと言われるキックボード、電動トロチネットのシェアリングは乗り捨て自由の手軽さもあり、急速に利用が進んでいる印象があります。
シェア文化が進むフランス

フランスでは、多くの主要都市で行政が自転車のシェアリングサービスを運営しているケースが多く、街にはステーションが点在し、便利に利用されています。他にも電気自動車のシェアリングシステムを導入している都市もあります。
Limeってどんな会社?

「Lime(ライム)」は、2017年に発足したアメリカのベンチャー企業で、自転車とキックボードのシェアリングサービスを提供しています。短距離移動での自動車利用の削減を目的に立ち上げられ、アメリカのノースカロライナ大学のキャンパスでサービスをスタート。
最初はGPSやQRコード、太陽光パネルを搭載した自転車のシェアリングサービスから始まり、その後アメリカの各州、都市にシェアを拡大していきました。海外にも進出を始め、公式サイトによると現在はヨーロッパや南米、アジアではシンガポール、オーストラリアなどで利用が始まっているようです。現在フランスでは、パリとリヨンで導入されています。
電動キックボードのシェアリングサービス「Lime-S」

フランスのリヨンでは、2018年9月から電動キックボード「Lime-S」の導入がスタートしました。それ以前にLime社の自転車も見かけましたが、今ではキックボードばかり目にします。シェアリングが導入される前から、リヨンではキックボードは大人用としても人気の移動手段で、年齢層の幅広く親しまれていました。
このLime-Sは、自転車や自動車のシェアリングサービスのようなステーションはないため、目的地でそのまま乗り捨てできるのが特徴です。最近では道端に乗り捨てされているLime-Sをよく見かけるようになりました。
利用方法は?

まずはスマホにLimeのアプリをダウンロードし、電話番号かFacebookのアカウントで登録、その後クレジットカード情報を登録します。アプリ内の地図で近くに乗り捨てられてあるキックボードを見つけたら、ハンドル部分にあるバーコードをスキャン。ハンドルの右側の緑のボタンが発進ボタンで、左側の赤いボタンがブレーキになります。
アプリでの手続きが完了すればそのまますぐ利用できますが、日本人としてはまずは操縦に慣れる必要がありそうです。利用には運転免許証やヘルメットの着用などの条件があり、観光で気軽に利用というのは難しそうですが、もし機会がある場合はどうか安全運転で!
これからどうなる?新しいシェアリングサービス

まだ導入されたばかりで、課題もささやかれている電動キックボードのシェアリング。自宅の中まで持って入ってしまう人や、バッテリーがなくなって動かなくなってしまうケース、また民間企業の乗り物が公道を利用する際の問題点(公道に乗り捨てにされて道が塞がれてしまう)など、さまざまな課題が生じているようです。利用者や歩行者の安全面を含めた改善を望みながら、環境に優しいこの移動手段が今後どのような動きを見せるのか注目です。
参考
[Lime公式サイト(英語)]
[all photos by minacono]
Please do not use the photos without permission.

あなたが知りたかったことが、この記事で参考になりましたか?
minacono ライター
日本とカナダで観光業界に勤務。旅行会社、現地ツアーオペレーター、航空会社、観光局、いろんな分野で旅と関わってきました。現在はフランス在住。美味しい食べ物とお酒がうまく出会った時すぐ感動する。犬好き。でも猫みたいな性格に憧れる。
【フランス旅行で食べるべき必食グルメ10選】仏在住者おすすめ!日本国内で
Feb 4th, 2023 | sweetsholic
旅行の楽しみといえば、現地ならではの食事。限られた日数だからこそ、おいしいものを選びたいですよね。そこで今回は、フランス旅行で必ず食べたいおすすめグルメをピックアップ。駐在員や日本からの出張者に好評を得ているもの、なおかつご自宅でも気軽に食べられる定番フレンチをセレクトしてみました。日本のフレンチ店でも見つかりやすいものばかり!
マネしてみたい!?フランス流、残暑を快適に過ごす4つのコツ
Aug 31st, 2022 | sweetsholic
記録的な熱波に見舞われた、2022年度のフランスの夏。今年は40℃を超える日も目立ち、外を歩けば汗だく、おまけに家にはクーラーなし(!)。フランス人はどのような暑さ対策をしているの? ということで、残暑を快適に過ごすフランスならではの方法を、現地よりレポートします。
エッフェル塔やルーブル美術館に長蛇の列!観光客が戻りつつあるパリの今
Jun 25th, 2022 | 北川菜々子
2022年6月10日より、日本ではツアー限定で外国人観光客の受け入れが再開されました。ウィズコロナ・アフターコロナにおいて、このように多くの国では入国制限が緩和され、観光客が以前のように渡航することが可能となっています。最近のニュースによると、世界有数の観光都市「パリ」でも、観光客がようやく戻ってきたと話題に。今回は、そんなパリの様子を現地からレポートします。
【フランスなるほど雑学13】シャンプーすると髪がパサパサに !?フランス
Jun 20th, 2022 | 北川菜々子
現地の人には当たり前なことでも、日本人からするとあっと驚いてしまうような雑学が世界にはあります。気がつけば在仏歴13年になる筆者も、びっくりしてしまうようなフランス人の行動や習慣、文化などに日々遭遇しています。理由や文化背景を知れば「なるほど、そうだったのか」と思わず納得してしまうフランスの数々の雑学。今回はフランスの「水」事情をお伝えします。
【フランスなるほど雑学12】サバイバルなフランスの「宅配事情」とは?
Jun 1st, 2022 | 北川菜々子
現地の人には当たり前なことでも、日本人からするとあっと驚いてしまうような雑学が世界にはあります。気がつけば在仏歴13年になる筆者も、びっくりしてしまうようなフランス人の行動や習慣、文化などに日々遭遇しています。理由や文化背景を知れば「なるほど、そうだったのか」と思わず納得してしまうフランスの数々の雑学。今回はフランスの「宅配便」事情をお伝えします。
フランスでクラフトビール醸造工房が人気の理由とは?現地から実情をレポート
May 26th, 2022 | 北川菜々子
フランスと言えば「ワイン!」とすぐに思い浮かべるぐらいのワイン大国ですが、実は近年、ビールの人気が高まってきています。スーパーにも大規模なクラフトビール売り場があるぐらいの流行りっぷり。そして最近では出来立てのビールが飲めるクラフトビール醸造工房で、バーのように飲むスタイルが定着しつつあります。実際にパリの近郊にあるクラフトビール工房を訪れてみたので、現地からレポートします。
【フランス歴史遺産探索6】美しいステンドグラスに魅了される「シャルトル大
May 19th, 2022 | 北川菜々子
ヨーロッパの中でも、有数の世界遺産を誇るフランス。ユネスコに登録されているような有名な世界遺産から、地元の人の間で有名な歴史遺産まで、フランスには紡いできた歴史が至る所に詰まっています。そんな歴史のロマンを目の前にすると、胸の高鳴りを感じられるほど。歴史遺産好きの筆者が紹介する歴史遺産探索シリーズ。「シャルトル大聖堂」をご紹介します。
【フランスなるほど雑学11】洗車もあまりしないし傷だらけでもOK!?フラ
May 4th, 2022 | 北川菜々子
現地の人には当たり前なことでも、日本人からするとあっと驚いてしまうような雑学が世界にはあります。気がつけば在仏歴13年になる筆者も、びっくりしてしまうようなフランス人の行動や習慣、文化などに日々遭遇しています。理由や文化背景を知れば「なるほど、そうだったのか」と思わず納得してしまうフランスの数々の雑学。今回はフランス人の「車」事情をお伝えします。
お花見はHANAMIというフランス語に!パリジャンも愉しむフランスの花見
Apr 25th, 2022 | 北川菜々子
最近フランスのメディアを見ていたところ、「HANAMI」という言葉を見つけました。その記事ではパリでお花見ができる場所を紹介していました。フランスでも、日本の花見が根付きつつある模様。丁度桜が満開だったパリ郊外のソー公園でのお花見の様子をレポートします。
パリでととのってみた!アラブの銭湯「ハマム」体験記
Apr 13th, 2022 | 北川菜々子
パリジェンヌの休日の過ごした方として、昔から定番の「アラブの銭湯ハマム」。近年、パリには多くのハマムができて、ちょっとした休日の贅沢として人気があります。フランスにはバスタブがない家も多く、ゆったりと身体を癒すことができません。筆者宅も例外にもれず……。最近疲れた身体を休めるべく、ハマムに行ってきました。