何度訪れても新鮮な魅力に出会える京都。桜色の華やかな春、紅葉が鮮やかな秋も魅力に溢れますが、どこも人でいっぱいで少々落ちつかないもの。
ゆったりと京都を旅したい人にオススメなのが観光客が減るシーズンの冬。情緒あふれる街並みや寺院は静寂に包まれ、心も一層浄化されます。
JRグループや京都市・京都市観光協会などが共同で開催している京都デスティネーションキャンペーンでは、普段は拝観することができない障壁画、庭園や仏像などを特別に公開する「京の冬の旅 非公開文化財特別公開」を実施。
第53回となる今年は「京都にみる日本の絵画〜近世から現代〜」がテーマ。15寺院で貴重な文化財を鑑賞することができます。
今回はそのなかの一つ、「建仁寺 両足院」をご紹介しましょう。
300坪の庭園を有する建仁寺の塔頭寺院
建仁寺の塔頭寺院の1つ、両足院。建仁寺を創建した栄西禅師の入寂後、墓所として知足院が建てられたのがはじまり。その後火災による再建に伴って両足院と改称。季節の特別公開や坐禅体験以外では通常非公開のお寺です。
方丈からは情緒溢れる枯山水の庭園を一望。冬ならではの凛とした自然美も楽しめます。
豊臣秀吉や千利休をも魅了した長谷川等伯
生誕480年となる安土桃山時代に活躍した絵師・長谷川等伯の襖絵「水辺童子図」。
「竹林七賢図(ちくりんしちけんず)屏風」。慶長12年(1607年)、等伯が亡くなる3年前の86歳の時に描かれた貴重な作品です。
5年もの歳月をかけて描かれた水墨画
道釈画家・七類堂天谿氏によって描かれた「方丈襖絵」。建仁寺を創建した栄西禅師の800遠忌を期し、禅院絵画の文化と哲学を未来に継承するプロジェクトによるもの。なんと5年もの歳月が費やされたのだとか。
水墨画の中で道教と釈教(仏教)の教義・画題を描き示す道釈画。方丈の襖、腰襖、壁面、床の間の計92面を埋め尽くす姿は圧巻!
拝観時にはガイドから文化財についての説明も。大変わかりやすくお話していただけるのも魅力。(取材時は特別に副住職の伊藤東凌さんから説明)
書院から眺められる池泉庭園。冬の澄んだ空気と静寂に包まれ、心がすっと落ち着きます。
伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図」も特別公開!
2月1日~2月25日には伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図」、2月26日~3月18日には「しろき観音像」を公開。ぜひこの機会に貴重な寺宝を鑑賞して、京都の秘められた美を楽しんでみてはいかがでしょうか?
※記事中の写真は取材により特別に撮影しています。通常は撮影禁止となっておりますので、ご注意ください。
京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅」
https://ja.kyoto.travel