TABIZINE編集部の山口です。
雪が深く、春の訪れが遅い飛騨地方では、季節の行事をひと月遅れて行う風習があるそうです。雛まつりも4月3日に行われるそう。先日訪れた「飛騨民俗村・飛騨の里」でも、飛騨高山雛まつりの一環として土びなが飾られ、桃の節句を祝っていました。
「飛騨民俗村・飛騨の里」は、飛騨の昔の暮らしを再現した集落博物館。
移築された茅葺き屋根の民家や、さまざまな民具のコレクションに触れることができます。
家の中の構造や暮らしの様子もじっくり見学できるので、なかなか見応えがありますよ。
今回、お雛さまが飾られていた民家は3軒。こちらは、古布を使ったお雛さま。
こちらは、旧富田家の土びな。
そしてこちらが、旧西岡家に飾られていた土びな。
現在のような立派な雛人形が一般的になったのは昭和40年代頃からで、それまではこうした土人形を飾っていたのだとか。毎年少しずつ土人形を買い足していって、何年もかけて段飾りをそろえたそうです。
これら約1000体の土びなは、高山市内の住民の方々からの寄付なのだそう。筆者は土びなというものを初めて見たのですが、その素朴なたたずまいと、祈りがこもっているような独特の雰囲気に、心をゆさぶられました。飛騨の里を見つめる土びなたちは、春を待ちわびながら、里を静かに見守っているように感じます。
なんというか、とても美しいものを見た、という気持ちになりました。
飛騨の里はライトアップも人気ですが、夕暮れの風景も風情があっておすすめです。ゆったりと流れる里の時間に身を任せて、昔から続いてきた人々の暮らしや想い、祈りに心を寄せると、いつもと違った世界が見えてくるように感じました。
http://www.hidatakayama.or.jp/hinamatsuri
2019/03/01(金)~2019/04/03(水)
高山市街地一円(観光施設、宿泊施設、一部民家など)
飛騨民俗村・飛騨の里
http://www.hidanosato-tpo.jp/top.html
岐阜県高山市上岡本町1-590
0577-34-471
開館時間 8:30~17:00 年中無休
入館料 大人700円 小人(小・中学生)200円