(c)2012 musée du Louvre – Olivier Ouadah
世界一の来場者を誇る、パリのルーブル美術館。2018年は年間来場者が1,020万人にもなり、自分たちの持つ来場者記録も年々更新しているのだとか。そのルーブルの象徴といえば、ガラスのピラミッド。大ヒット映画「ダ・ヴィンチ・コード」でも物語の重要な鍵として描かれていたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。そのピラミッドが、2019年に完成30年を迎えます。関連イベントも沢山控えていますので、ご紹介させてください。
「大ルーブル」プロジェクトから生まれたピラミッド
(c) Musée du Louvre (fonds EPGL)
そもそもルーブル美術館のピラミッドは、1981年9月に発表された「大ルーブル」プロジェクトの一環で建築されました。博物館の展示スペースを2倍(3万1千平方メートルから6万平方メートル以上)に拡大するという壮大なプロジェクトで、美術館の入り口や来場者の導線などを抜本的に見直す必要があったのだそう。
(c) Marc Riboud
そこでこのプロジェクトを担っていた中国系アメリカ人の建築家イオウ・ミンペイ氏は、21メートルの高さのガラスのピラミッドを設計し、美術館の新たな入り口として加えたのです。元々のルーブル美術館が、主にバロック式にデザインされた宮殿だったことを考えると、何とも大胆なアイディアですね。そして1989年3月29日に、満を持してガラスのピラミッドはオープンしました。
2019年は30周年イベント盛りだくさん
(c) 2019 musée du Louvre Olivier Ouadah
2019年に30周年を迎えるガラスのピラミッドにちなみ、ルーブル美術館では様々な関連イベントを計画しています。
そのスタートを切ったのが、フランス出身のストリートアーティストの JR氏によるインスタレーション。彼は3月下旬、ガラスのピラミッドとルーブル美術館の中庭に目の錯覚を利用したアートデコレーションを施して話題を呼びました。
そして3月末から2019年6月3日まで、ガラスのピラミッドに関する「La Pyramide a 30 ans exhibition」という展示が実施されています。
(c) 2013 musée du Louvre – Olivier Ouadah
4月30日には、アメリカの民泊仲介業者「エアビーアンドビー」創業10周年との合同イベント「ルーブル美術館で過ごす夜」が開催されます。抽選に当たった2名1組が、ルーブル美術館を貸し切れるというなんとも贅沢な企画です。抽選に当選した参加者は、ガイドに美術品の解説をしてもらった後、レオナルド・ダビンチの「モナリザ」の前で食前酒を楽しみ、「ミロのビーナス」の前でディナーを満喫。更にナポレオン3世の居室を再現した部屋でプライベートコンサートを鑑賞後、ピラミッドの中に設置されたベッドで眠るという夢のようなラインナップなのです。応募は4月12日で締め切ってしまいましたが、当選者が羨ましいですね。
(c) 2017 musée du Louvre – Olivier Ouadah
「音楽の日」とされ、パリじゅうに音楽が満ち溢れる6月21日には、音楽に関するイベントを開催予定。6月21日夜に、パリ管弦楽団(The Orchestre de Paris)による無料のシンフォニックコンサートが開かれます。目で楽しむ芸術と、耳で楽しむ芸術を同時に味わえる、贅沢なイベントです。
前述のようにルーブル美術館は世界一人気の美術館ですが、それにあぐらをかくことなく、次々に斬新な企画を出してくるところが素晴らしいですね。特に2019年は、ルーブル美術館に要注目です。
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