(C) Yoko Nixon
マンハッタンで愛され続ける老舗の本屋
ストランドブックストアは1927年、マンハッタンの4th Avenueに当時あった48もの本屋がお店を連ねる「本屋街」の中の1店舗として誕生しました。本が愛され、本好きの人たちが集える場所を作りたいという思いを胸に生まれたこのお店は、後に訪れる人たちの社交場的な役割も果たしつつ人気を集めていきます。その後業界の衰退により周りの本屋が次々と閉店していく中、ストランドブックストアは本屋街の唯一の生き残りとなりました。1957年にはBroadwayと12nd streetの角の現在の所在地に場所を移し、ニューヨークのアイコン的存在となっています。
ストランドのユニークな点1:圧倒的な本の数
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ストランドブックストアは地下1階から3階まで、250万冊を超える本と雑貨で埋め尽くされています。売られている本全てを並べると18マイル(約29km)になることから、18Miles of Booksというキャッチコピーも有名です(実際にはもっと長いそうです)。本屋というよりも図書館に近いような圧倒的な書籍数で、新刊はもちろんのこと、中古本の買取や販売も行っており、その数の多さに驚かされます。
ストランドのユニークな点2:ジャンルを問わない幅広い品揃え
(C) Yoko Nixon
ストランドブックストアが取り扱っているジャンルは幅広く、小説はもちろんのこと児童書、コミック、アート、ニューヨーク関連書籍など、他の書店ではなかなか見かけないようなジャンルも豊富に取り扱っています。販売している本の中には一冊$1もしない「格安本」から、作家のサイン入り本や初版本などの「超レア本」まで幅広く、一番高価な本はアイルランドの作家ジェームス・ジョイスのサイン入り著書「ユリシーズ(Ulysses)」という本で、そのお値段は$45000(約500万円)もするそうです。3階がレア本の取り扱い階となっており、雰囲気を味わうだけでも訪れてみる価値があります。
ストランドのユニークな点3:「ストランド」ブランドを作り上げた雑貨の数々
(C) Yoko Nixon
ストランドブックストアで本の他にチェックしたいものといえばユニークなトートバッグ。様々な種類のオリジナルバッグはしっかりとした作りで、デザイン性が高くお土産としても人気です。他にもマグカップやカード、ピンバッジなど、一癖あるデザインの雑貨が数多く取り揃えられており、見ているだけでも面白いものばかりです。
ストランドのユニークな点4:本に没頭する楽しさに気づかせてくれる
(C) Yoko Nixon
本を読むことは自分のためになる、知識を得られる、学びにつながる良い事であるというのは周知の事実ですが、ストランドブックストアは本を読むことで得られる利益云々よりも、面白い本に出会った時のワクワクした気持ち、時間を忘れて本を読む楽しさを存分に味わってもらいたいという想いが伝わってくる本屋です。本好きな人だけが楽しめるのではなく、新しい出会いを求めて訪れる人にも満足してもらえるようなお店作りを続けてきたことがストランドブックストアを唯一無二の存在にした理由ではないでしょうか。
新旧の良さが混じったセレクションとオリジナルグッツやユニークな雑貨で独自のブランドを作り上げたストランドブックストア。NYに行かれた際には、他の観光名所と合わせて是非立ち寄りたい素敵な本屋のご紹介でした。
参考
[Irish America]