ロンドンは、意外にも大きな公園がたくさんある街なのですが、そのなかで最も大きいのが「Hampstead Heath(ハムステッド・ヒース)」です。夏目漱石がロンドン留学の際に何度も訪れた歴史あるスポット。そもそも、タイトルにある「池で泳げる」も気になるかと思いますが、まずは概要からご紹介しましょう。
ハムステッド・ヒースとは?
ロンドン北部にある公園で、その面積は約3.2平方キロメートル。そう聞いてもぴんときませんよね。園内すべてを見ようとすると1日がかりの大きさといえば、なんとなくイメージできるでしょうか。
ハムステッド・ヒースは、ひとことでいえば、牧場に来たような気分になれるところです。園内には、なだらかなアップダウンが続いていて、ところどころ草が伸びているせいかもしれません。刈り込みすぎていない、手を入れすぎていない素朴な魅力があって、高原にでも来たかな?と、ロンドンにいることを忘れてしまいそうになります。
森の小径のようなエリアもあります。
ほかに17世紀の邸宅を利用した美術館やイングリッシュ・ガーデン、テニスコートなどがあり、そこからも広大なことが想像できるかと思います。
男・女・共用に分かれた泳げる池
園内には18の池があります。そのうち3つが泳げる池なのです。しかも男性用、女性用、男女共用があるという、にわかには信じられない話です。
まず男性用の池を訪れてみました。池を泳ぐには、£2かかります。入口を入ったところに更衣室の建物があり、その先に池があります。
脇から見えると、ちょっと遠かったのですが、見た限り3つの波しぶきが動いているのが見えました。6月中旬の平日午後1時過ぎ。気温は21℃です。
こちらは女性用の池の入り口。男性用もそうなのですが、看板をみると、季節によって、泳げる範囲が違います。冬季は遊泳エリアが狭くなります。水温の関係のようでしょうか。冬季は12℃以下とあります!
女性用は、男性が立ち入り禁止になっています。入ると思いがけず賑わっていて、泳ぎ終わった人も数えたら数十人いました。若い人もいましたが、少し年齢層が高めです。シャワーを浴びるのに、水着の上半身をぽろりとさせる人もいて、女の園と感じました。
外側から女性用池を覗けるポイントもありそうでしたが、泳ぐ人の写真は遠くてもどうかと思ったので、お念のため池のふちの写真をお見せしたいと思います。
池の色は、遠くからみてもアレですが、近くでみてもこんな色です。カモも魚もいます。あるがままの自然を感じたいのでしょうか。
男女共用には、「水温が低くて水深があるので、力量のある泳ぎ手のみ」と看板にあります。10代と思しき、遊びできていなさそうな少女たちも入っていきます。
係りの人に、トライアスロンやっている人が多いのか訊いてみましたが、そんなことないようだということでした。
看板に、「ユニークな水泳体験」という言葉があったので、イギリスの人々はそういう意味で楽しむ人もいるのかもしれませんね。
残りの15の池は遊泳禁止となっているのですが、ルールを破る者も。
イギリスでは、犬が喜んで川や池で泳いでいます。かわいい!
見晴らしスポット
標高98mの展望台にやってきました。中学の国語の授業で習った「あの坂を登れば 海が見える」という詩が急に思い出されます。
本当に海が遠くにあるようにみえます。
こちらは、ヨーロッパで一番高い、とんがった建物ザ・シャードなどが見えます。
ハムステッド・ヒースは広くて、3つの池をまわり、展望台に行くだけでもかなり歩きまわることになり、その後の疲労と筋肉痛たるや!その理由のひとつに、位置情報がつかみにくく、道を何度か間違えたことがあります。やみくもに歩いては危険なので、Google Mapを頼りに公園の中を歩いていたのですが、街中よりもさらに、現在地を示す青い●が狂いやすく感じました。こういうときは、スタッフや常連っぽい雰囲気の近くにいる人に方角を教えてもらいましょう。
電話:+44 20 7332 3322
時間:24時間オープン
HP:https://www.cityoflondon.gov.uk/things-to-do/green-spaces/hampstead-heath/Pages/default.aspx
ハイゲート・ロード入口への行き方
1.地下鉄「Kentish Town」駅から88番か214のバスで乗車7分「Parliament Hill Fields」下車
2.地下鉄「Kentish Town」駅から徒歩19分
3.地下鉄「Archway」駅からバスC11で乗車7分「Parliament Hill Fields」下車
4.地下鉄「Kentish Town」駅から徒歩18分
(参考)
ニュースダイジェスト
[All photos by Shio Narumi]