
(c)librairiecoiffard
文学の世界にひたれる電話ボックス

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この黒い電話ボックスの中には、「年鑑」があり、中には「ジョージ・オーウェル」や冒頭にも紹介した「アルベール・カミュ」など25名の著名な文豪の名前が記されています。
受話器を取り、好きな作家の番号(作家の誕生日!)をダイヤルすると、聞こえるのはあの懐かしい呼び出し音。そこから3分間、指定した作家の作品の朗読を受話器越しに聞くことができるのです。
この「文学電話ボックス」は、無料で自由に使用でき、聞くことができる作品は100冊(一部分のみの抜粋)。けれど、その100冊はすべて1919年以降に発売された本なんです。一体どうしてだと思います? 実はその「1919年」こそ、この文学電話ボックス誕生のきっかけとなるキーワードなのです。
街の書店の開店100周年記念イベントとして

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実はこの文学電話ボックスは、ナントにある書店の「Librairie Coiffard」が企画・製作したもの。2019年はこの書店の開店100周年にあたるので、それを記念しての企画なのです。そういう理由から、この電話ボックスで聞けるのは1919年(開店した年)以降に出版された作品になるのですね。お店と共に時を重ねてきた文学作品への愛着を感じます。

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この天井に届くほど高い本棚が、びっしり本で埋められている様子を見ても、本を愛する書店なのだと分かりますね。お客さまも、みなさん真剣です。

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この文学電話ボックス内に本はありませんが、同じく文学に触れることのできる場には変わりありません。 「Librairie Coiffard」は、フランスのメディアの取材に対し「私たちがこのアイデアで気に入っているところは、世界の文学を公開できるということです」と語っています。書店を神聖な場所と思わず、あえて書店に入ることを勇気づけるためにどうすれば良いかと考えて生まれたのがこの電話ボックスなのだそう。楽しみながら文学に触れらる、素敵な方法ですね。
ストリートから病院まで

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この文学電話ボックスは、まず最初にナントの街頭(書店のある通り)と市内の建築学校の屋根に設置されました。そう、実は2台あるんです! 街の喧騒からボックスで遮断され、文学作品の美しい世界に浸れるなんて、文字通り文学的じゃありませんか? 建築学校の生徒さんたちも、勉強に疲れたらぜひここで言葉の美に触れて欲しいです。
それにこの電話ボックス、とっても可愛らしいのでSNS映えもしますよね。若い人には、そういう面でも好まれるのではないでしょうか。
実はこの電話ボックスたち、今後はナントの大学病院に移転される計画なのだとか。病院に入院中の方々の心を、ぜひ美しい文学作品で慰めてほしいものです。
ナント観光の際には、ぜひ「Librairie Coiffard」や文学電話ボックスを探してみてください。
[Nantes. Au bout du fil, Camus, Orwell ou Yourcenar]
[Camus ou Yourcenar au téléphone : l’idée originale d’une librairie nantaise]
[Librairie Coiffard]
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