自分だけの“逸品”を発見しよう!
「フード・アクション・ニッポン アワード2019」は、国産の農林水産物を消費拡大させる活動に貢献している事業者や団体などの産品を顕彰するコンテストで、農林水産省が主催しています。11回目を迎えた今年度は、大手百貨店や流通、外食、宿泊サービスなど各業界のトップ企業10社が審査委員となって、それぞれ1産品ずつ「受賞」10産品を選ぶ部門と、消費者が直接食べてお気に入りを投票する食イベント「フード・アクション・ニッポン食堂」で選ぶ「特別賞」5産品の2部門が決まりました。
「受賞」10産品と「特別賞」5産品を決める最終審査会は10月17日、東京・水道橋の東京ドームシティ プリズムホールで行われました。小雨が降るあいにくの天候にもかかわらず、多くの一般来場者が詰めかけ、日本全国の農林水産物を活かした産品を試食していました。さらに審査委員各社の代表も、自ら試食して評価。自社の流通販路を使って、私たち消費者に届ける価値のある“逸品”を厳しい目でチェックしていました。
最終審査会に出席した審査委員の各社代表は以下のとおりです。
・アマゾンジャパン合同会社 バイスプレジデント/消費財事業統括本部長 前田 宏氏
・イオンリテール株式会社 代表取締役社長 井出武美氏
・株式会社イトーヨーカ堂 代表取締役社長 三枝富博氏
・株式会社オンワード樫山 代表取締役社長 大澤道雄氏
・株式会社紀ノ國屋 代表取締役社長 堤口貴子氏
・株式会社トランジットジェネラルオフィス 代表取締役社長 中村貞裕氏
・株式会社阪急阪神百貨店 代表取締役社長 荒木直也氏
・株式会社フォーシーズ 代表取締役社長 淺野幸子氏
・星野リゾート 代表 星野佳路氏
・株式会社ローソン 代表取締役社長 竹増貞信氏
今年度は「日本の産品と出会い、“あなたの逸品”を発見しよう」をテーマに、北海道から沖縄まで全国各地から応募のあった1,491産品のうち、一次審査を通過した100産品によって最終審査が行われました。食品ロスや東日本大震災からの復興に取り組む産品、あるいは現役学生や在日外国人が開発した産品、農福連携の産品など、100産品を5ジャンル(一次生産物、調味料、加工食品、中食、飲料)に分け、各ジャンルから幅広く発掘したそうです。
食のプロたちが厳選! 受賞10産品を紹介
それでは、食のプロであるトップ企業10社の審査委員が選んだ「受賞」10産品を、選んだ企業ごとにご紹介していきましょう。
グルテンフリーヴィーガンラー油:グルテンフリーティーズキッチン
【アマゾンジャパン合同会社 選出】
グルテンフリー(小麦アレルギー)専門店を営むグルテンフリーティーズキッチンが開発した、日本初のグルテンフリーヴィーガンラー油です。独自の配合で旨味を最大限に引き出しており、インバウンドの訪日外国人にも人気が高い産品。選定理由について、審査委員のアマゾンジャパン合同会社の前田 宏氏は「試食したとき、ダイバーシティの香りを感じた。来年のオリンピックイヤーに向け、訪日外国人にも受ける商品。アマゾンのグローバルなプラットフォームで、お客様に届けていきたいと思い、選ばせていただいた」とコメントしました。
伝承牡丹焼「鯖ちくわ」:宮城学院女子大学
【イオンリテール株式会社 選出】
国産のスケトウダラをすり身にし、そこに金華さばを水産加工した後に残る新鮮なの中骨をレトルト加工して、落とし身として使用した「牡丹焼ちくわ」。昔ながらの味を再現するため、あえて化学調味料を使用しておらず、昔ながらの食感を演出するため、国産のヨシキリザメの落とし身を加えています。イオンリテール株式会社の井出氏は「産学の取り組みと、人気の高い鯖を原料にした着眼点が面白い。伝統製法や調味料不使用というこだわりもさることながら、ちくわという毎日食べてもらえる手軽な商品で、お客様の健康と地域への貢献への思いを感じた」と選考理由を話しました。
住所:宮城県仙台市青葉区桜ヶ丘9-1-1
産品の種類:加工食品(麺類・菓子類、調理冷凍食品、レトルトパウチ食品他)
公式ホームページ:http://www.mgu.ac.jp
九州ドライベジ:株式会社SUNAO製薬
【株式会社イトーヨーカ堂 選出】
九州産の3種野菜(キャベツ・にんじん・小松菜)を低温エアーズドライで乾燥。食感や栄養は可能な限り損なわないよう工夫して加工されています。さらに九州産のワカメをミックスし、「手間なし・ゴミなし・調理不要」という簡単で便利な美味しい乾燥野菜です。お湯で戻すことで5倍にふくらむため、少量でもたっぷり野菜を補える産品。選考理由について株式会社イトーヨーカ堂・三枝氏は「日常生活で、こんなものがあったら便利で助かると思った。人間に野菜は必要不可欠だが、毎日買って保存するのが大変。これは働く主婦や、男性の夜食にもピッタリ。九州の野菜を使っており、地域に貢献できる。欲しかった産品が、ようやく出てきたという気持ち」とコメントしています。
住所:宮崎県宮崎県宮崎市和知川原2丁目74番地
産品の種類:加工食品(麺類・菓子類、調理冷凍食品、レトルトパウチ食品他)
公式ホームページ:https://sunao-seiyaku.com
ブランデーケーキ(スタンダード):有限会社ロイヤル
【株式会社オンワード樫山 選出】
昭和31年からシンプルな製法で作り続けている、昔ながらのブランデーケーキ。焼き立てのパウンドケーキにブランデーシロップをお玉でひとつひとつ丁寧にかけ、銀紙で包んでいます。お酒の存在感を引き立たせる個性的で希少な存在の産品です。審査委員の株式会社オンワード樫山・大澤氏は「弊社は『オンワード・マルシェ』という地域のお取り寄せグルメを扱う通販サイトを立ち上げている。そのサイトで通販を取り扱うためには、日持ちしなければならない。いちばん良かったと思うのは、1日目と90日目で味が変わること。そして日本酒を使用した産品もあり、インバウンド向けにもちょうどいい」と選出の理由を語りました。
住所:山口県宇部市南小串2丁目4-2
産品の種類:加工食品(麺類・菓子類、調理冷凍食品、レトルトパウチ食品他)
公式ホームページ:http://so-royal.com/
土佐のぶしみそ:有限会社竹内商店
【株式会社紀ノ國屋 選出】
高知県土佐市の鰹節屋「竹内商店」と、100年以上の歴史がある高知「だるま味噌株式会社」とのコラボ商品です。「生ぶし・宗田ぶし・田舎みそ」というキーワードを入れ、化学調味料や保存料、着色料はいっさい使用しておらず、食の安全にも配慮された産品です。株式会社紀ノ國屋の堤口氏は選出理由として「紀ノ國屋では“食を豊かに”をテーマに、“おいしいこと”“安全・安心で高品質”“こだわり、ストーリーがある”という3つのポイントで、お客様に商品を紹介している。この産品は、日本を代表する鰹節と味噌のコラボで非常においしく、化学調味料などをいっさい使っていないため安全安心で、しかも高知の宗田節を使用するといったこだわりを感じる。改めて日本の良さをお客様に感じてもらい、みんなに愛される商品だと思う」と述べました。
住所:高知県土佐市宇佐町宇佐2824-3
産品の種類:加工食品(麺類・菓子類、調理冷凍食品、レトルトパウチ食品他)
公式ホームページ:https://kochikensanhin.com/product/detail.html?product_code=1002820
朝倉山椒タプナードVERT:カタシマ株式会社
【株式会社トランジットジェネラルオフィス 選出】
但馬地方に受け継がれて400年の歴史を持つ「朝倉山椒」は、徳川家康にも献上された最高級の山椒です。その爽やかな味を活かし、、グリーンオリーブベースに仕上げた「朝倉山椒タプナードVERT」は、和洋中すべて料理にマッチし、経済産業省「The Wonder 500」にも選出されています。株式会社トランジットジェネラルオフィスの中村氏は「弊社は60業態ほどの事業を展開しているが、洋の業態が非常に多い。この産品は非常に展開性が高い。山椒は日本原産のスパイスで、それをオリーブベースで仕上げて加工してあるので、海外の人にも馴染むのではないか。それを弊社の店で、さらに調理して良い形でお客様に届けられればと思う」と選出理由を説明しました。
住所:兵庫県養父市八鹿町八鹿1685-2
産品の種類:調味料(味噌、醤油、調味料関連製品他)
公式ホームページ:http://www.katashima.co.jp
coco-vege わたしにやさしいチップス(国産お野菜+ココナッツオイル):開屋本舖株式会社
【株式会社阪急阪神百貨店 選出】
国産の野菜とココナッツオイルにこだわり、身体にも地球にも優しい「優れ野菜」チップスです。特殊フライヤーの利点を最大限に活かして、野菜の栄養価をできるだけ壊さず、水分だけを蒸発させて仕上げた産品です。「もったいない精神で、野菜の剥がれや食品ロスを出さない製法で作られた地球にも優しい商品なのだろうと思った。おいしくて、しかもパッケージがとても可愛い。特に百貨店を訪れる女性や子どもたちにお勧めしたい産品だ」と株式会社阪急阪神百貨店の荒木氏は選出理由をコメントしました。
住所:大阪府富田林市中野町1-205-1
産品の種類:加工食品(麺類・菓子類、調理冷凍食品、レトルトパウチ食品他)
公式ホームページ:http://hirakiyahonpo.com/
タカノプリンセス:ナチュラルファームタニグチ
【株式会社フォーシーズ 選出】
真夏に食べられる美味しいイチゴ。もともと夏秋イチゴは業務用として使用され、酸っぱくて美味しくないものという認識がありますが、信州大学の教授が開発した「信大bs-8-9」というイチゴが、その概念を覆しました。この産品は、特別な栽培方法によって可能な限り糖度を高め、五感で味わえるブランド化したイチゴです。株式会社フォーシーズの淺野氏は選出理由として「弊社ではエンドユーザーに安心・安全で希少価値の高い商品を提供している。夏イチゴが甘いという情報を聞き、本当かと試食してみたら、とてもおいしかった。私たちが、すぐに商品化を思い浮かべられる産品を作ってくれたと思い、真っ先に選ばせてもらった。さっそく弊社で取り扱う商品の開発に取りかかりたい」と述べました。
AJIOH 食べるより美味しい冷凍ジュース クレメンティン:合同会社田島柑橘園&加工所
【星野リゾート 選出】
減農薬栽培のみかんを使用して、搾りたてをプロトン凍結させた「食べるよりおいしい」爽やかなジュースです。酵素がたっぷり含まれており、賞味期限は2年、解凍後も10日間大丈夫という産品。スペインとの交流が30年という代表が導入したジューサーによって、どんな大きさのみかんでもおいしく絞ることができるということです。星野リゾートの星野代表は「一次審査を通過した100産品は、すべておいしいので、それが選定基準にはならない。それ以外に2つの基準がある。ひとつはホテルのお客様と接点になるストーリーがあること。会話が弾むのはホテル業界にとって重要なポイント。もうひとつは“インスタ映え”。選出したジュース以外にも、いろいろな味のジュースがあり、カラフルで視覚的にInstagramで世界に発信してくれると思う」と選出の理由を語りました。
こうじチョコ:有限会社 仁井田本家
【株式会社ローソン 選出】
原料に、自社の所有する水田で育成した自然栽培米の等級外の米と天然水のみを使って製造された産品です。砂糖やカカオはいっさい使わず、酒蔵が作る米の発酵食品をキーワードに商品開発したということです。株式会社ローソンの竹増氏は選出理由について「開発者の思いは勉強させてもらいたいほど。ローソンは北海道から沖縄まであるが、各店舗が地域性を出してその街を幸せにできる存在になれたらと頑張っているが、仁井田本家は“世界最高の田舎を作ろう”と努力されている。非常に魅力的な商品で、ぜひ酒蔵に行ってチョコを食べて、勉強させてもらいたいという気持ちで選ばせていただいた」と話しました。
特別賞5産品も含め入賞100産品すべて購入できるマルシェ開催中!
なお、消費者が実際に食べて選んだ「特別賞」5産品は以下のとおりです。
・栗駒高原竹炭ヨーグルト(株式会社栗駒フーズ)
・プレミアム淡路島またねぎかくし玉擦りおろしドレッシング(株式会社今井ファーム)
・湯庵プリン ぷれーんはちみつとみのり(株式会社森山)
・すが野の国産たたきごぼう(株式会社すが野)
・広尾しおサイダー(企画:広尾地サイダー企画委員会、販売者:株式会社橘産業)
また、今回選出された「受賞」10産品、「特別賞」5産品を含む、入賞100産品が購入できるマルシェが10月18日(金)から20日(日)の3日間、東京・浅草の商業施設「まるごとにっぽん」1階入り口で開催中! 一度食べてみたいと興味を持った方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
開催期間:2019年10月18日(金)~20日(日)
会場:全国地域産品取り扱い施設「まるごとにっぽん」
住所:東京都台東区浅草2-6-7
TEL:03-3845-0510
公式サイト:https://marugotonippon.com/