
海に囲まれた孤島の姿が蘇る、世界遺産「モン・サン・ミッシェル」

フランスの一大観光地、世界遺産「モン・サン・ミッシェル」。フランス北西部のノルマンディー地方とブルターニュ地方の間、サン・マロ湾にある小さな島で、中には修道院が聳え立ちます。かつて修道院が建てられた中世時代、僧侶たちはこの地を「周囲を海に囲まれた孤立した島」として、聖地の価値を見出していました。
月日がたち近隣にダムが建設されたことなどから、「島」としての姿が失われる懸念があったため、以前の風景を取り戻そうと、大規模なモン・サン・ミッシェル湾再開発プロジェクトが施行。現在では、大潮時の数時間には完全な孤島になる風景を取り戻しています。(大潮の時期は1年のうち20数日ほどで、月によって大潮になる時ならない時があります。)
モン・サン・ミッシェルまでの移動手段は大きく4種類

陸地から島へ「渡る」というコンセプトを元に、観光客のアクセス手段も変更されました。新しい駐車場はモン・サン・ミッシェルから2.5km離れた陸地側に設置され、陸地から島へ渡る際に車両で橋を通行できるのは、許可を得た車両のみ。多くの場合、「徒歩」か「無料シャトルバス」、「馬車」、「公共バス」のいづれかで島まで渡ることに。
馬車で移動する5つの利点
徒歩やシャトルバスなら無料でアクセスできますが、馬車の場合は1人片道6€(公共バスは1人片道3€)。移動時間もシャトルバスより時間がかかりますが、馬車を利用してみると、いろいろな利点が見えてきましたよ。
【1】移動中に必ず座れるのは馬車のみ

シャトルバスは座席数が限られているので、絶対に座れるとは限りません。馬車なら全員が座って移動できます。モン・サン・ミッシェルに着いてからも、修道院の入口まで上り坂、さらに修道院の中でもかなりの距離を歩くことになるので、体力を温存しておくには馬車は有効です。
【2】馬車のスピードがゆっくりなメリット

シャトルバスで移動する場合は片道12分。一番早く移動できる手段ですが、その分モン・サン・ミッシェルへ向かう間の写真スポットを逃してしまう可能性も。馬車の場合は、片道25分かけてゆっくり進むので、橋の途中などモン・サン・ミッシェルへ向かっている間も写真が撮りやすくなります。一番前の席を確保できれば、馬の後ろ姿越しのモン・サン・ミッシェルというような、旅情ある写真も。
【3】座席位置が高い

さらに馬車の座席は高い位置にあるので、徒歩の視点よりかなり上になり、開放的な風景が楽しめます。幌がオープンになっている馬車を選べば、窓に邪魔されることなく高い視点からの写真を撮ることもできますよ。
【4】モン・サン・ミッシェル到着時の降車位置

シャトルバスの降車場所は、モン・サン・ミッシェルの入口から350mほど手前になりますが、馬車の降車場はモン・サン・ミッシェルの入口間近。降車してからそんなに歩かず、モン・サン・ミッシェルへアクセスできます。
【5】旅ならではの非日常な体験

馬車に乗るという日常にない体験ができ、モン・サン・ミッシェルへの移動時間までもが旅の思い出として印象に残ります。途中、歩いて渡っている観光客と手を振りあいながら、旅情ある体験ができるはずですよ。
往復で同じ移動手段をしなければならないということはないので、片道ずつご自身の好みで移動手段を変えてみるのもいいですね。
[参照]
・ノルマンディ・モン・サン・ミッシェル観光局公式サイト(英語)
・フランス観光開発機構公式サイト(日本語)
[All photos by minacono]
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minacono ライター
日本とカナダで観光業界に勤務。旅行会社、現地ツアーオペレーター、航空会社、観光局、いろんな分野で旅と関わってきました。現在はフランス在住。美味しい食べ物とお酒がうまく出会った時すぐ感動する。犬好き。でも猫みたいな性格に憧れる。
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