(C)白山白川郷ホワイトロード (C)石川県観光連盟
日本海の砂浜から霊山まで。石川で一番広い自治体
白山白川郷ホワイトロード (C)石川県観光連盟
白山市とは先ほども書いた通り、石川県にあります。子どものころ社会科の教科書で、全国の都道府県の位置を暗記させられたと思います。石川県は日本海側で、北陸と呼ばれるエリアの一角を成しているのでした。
県庁所在地は金沢。なんだか地理の授業みたいになってきましたが、北陸新幹線が2015年に金沢まで延びてから、観光地として一層の輝きを増している都市になります。
その金沢市の西側に隣接して、白山市はあります。地図を見ると、とっく利のような形をした自治体。市の名前からも分かるように、開山から1300年の歴史を経た日本三霊山の1つ、白山(標高2,702メートル)を抱えています。
合併によってできた町のためとても広く、南側(とっく利の底)には白山国立公園、中山間地を経て北側(とっく利の注ぎ口)に発達する手取川沿いの扇状地の先には、広大な砂浜と日本海が広がっています。霊峰から日本海に至るその面積は、石川県で一番の広さを誇ります。
都市と大自然のどちらにも移動しやすい
ほうらい祭り (C)石川県観光連盟
白山市は金沢市と隣接しているため、金沢に通勤する人も人口の3割程度に達します。ただ、ベッドタウンとして住宅街があるだけでは、もちろん終わりません。平野部には広大な水田も広がり、北陸らしく加賀獅子頭などの伝統工芸も継承されています。北陸自動車道を走ると分かりますが、沿岸部には工業地帯も広がっています。
TABIZINE的な視点で言えば、白山、手取峡谷、お隣の岐阜県にある世界遺産、白川郷へと通じる白山白川郷ホワイトロード、温泉地を始め、観光地も充実しています。TABIZINEの過去記事「悪縁を断ち、良縁を結ぶ!人生の節目に参拝したい「白山比咩神社」【石川】 」でも紹介した縁結びの聖地、白山比咩神社もまさにこの白山市。
北陸鉄道石川線、IRいしかわ鉄道(旧JR北陸本線)が通っているため、金沢からのサイドトリップ先としても適度な距離感です。同じように住んでいる人たちも車で、電車で、金沢まで容易に出られます。一方で大自然へのアクセスも、海に、山に、渓谷にと充実しています。
北弥陀ヶ原の眺め (C)石川県観光連盟
東洋経済新報社の「住みよさランキング」では、白山市の利便度はとても低く評価されていました。その場合の利便度とは、買い物できるお店の数や飲食店の充実度を意味しており、その分野では確かに強い印象はありません(逆に金沢市と白山市に囲まれた、総合3位の野々市市の方が充実しています)。
しかし、金沢市と大自然の双方に移動できるという意味で言えば、利便性は高いと評価できるはずです。
移住者いわく「とにかく暮らしやすい」
白峰(重要伝統的建造物群保存地区) (C)石川県観光連盟
住みよさランキング第1位を裏付けるように、白山市は石川県全体の市町と比べてみても、県外からの移住者が多い自治体です。市が発表している転入者の数は、他の都道府県から来た人が1,425人(2018年度)。この数は過去5年で増え続けています。
このうち、市の移住支援制度や相談窓口などを利用した移住者の数は、北陸中日新聞の報道によると70人。この数は金沢市をしのぐ、石川県でもトップの数字です。
白山比咩神社 (C)石川県観光連盟
白山市は移住者に対して、住宅を手に入れるときの補助、学校生活を応援する制度、起業・創業者向けのサポート制度も充実させています。
白山市へ移住した友人いわく、一にも二にも暮らしやすいとの話。渋滞もなく、生活費も安く、適度に何でもあって、自然も身近にある、その上、近隣住民との距離感もある程度保たれていて、かといって放置されないおせっかいさもあり、水がおいしく、食が豊かなのだとか。
教育にも熱心で、白山市の場合はお隣の金沢も含めると働き場所も十分にあります。その気になれば自分で起業して、目立てるチャンスも大。
手取川 (C)Shutterstock.com
同じ移住でも、お隣の金沢のように下手にブランド化されている場所だと、何かと高くつくはずです。一度レンタカーを借りて、海から手取川の源流を目指し、旅してみてはどうでしょうか。
市全域が白山手取川ジオパークとして日本ジオパークにも認定されている同地の魅力を満喫できるはずでし、なぜ人々が移住したがるのか、感覚として伝わってくるはずですよ。
[参考]
※ 東洋経済「住みよさランキング 2019」の結果 ※ 県内、県外別転入、転出者数 – 白山市
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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