(c)Shio Narumi
日田市立小鹿田焼陶芸館
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小鹿田焼は、江戸時代中期から300年もの間、「一子相伝」つまりその技を親が子供の中の一人にだけ伝えてきたという、国重要無形文化財です。これまで一切部外者が入っていないんですね。
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土づくりから焼き上げるまで、一切機械を使わないのが特徴で、道具さえ手作り!刷毛目や飛び鉋(とびかんな:さきほどのお皿の細かい模様)などの道具で文様をつけたり、釉薬でアクセントを付けますが、絵は描きません。
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著名な陶芸家バーナード・リーチが訪れた際は、鹿を描いていますが(画像右)、これは特別。
色合いが素朴、かつモダン。ここでは小鹿田焼の歴史や特徴を伝える資料と、大型で完成度の高い作品をじっくり観ることができます。
所在地:日田市大字鶴河内(源栄町)138番1
TEL:0973-29-2020
開館時間:9:00~17:00
休館日:水曜日(水曜日が祝日に当たる場合は、その翌日)、年末年始
入館料:無料
HP:http://www.city.hita.oita.jp/shisetsu/bunkazai/6697.html
小袋定雄窯
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現在小鹿田焼には、9軒の窯元があります。そのなかで、小袋定雄窯で見学させていただきました。
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さきほど全行程機械を使わないとお伝えしましたが、土づくりもそうなんです。採ってきた土を、乾燥させたあと、川の水を使って、てこの原理で土を砕く「唐臼(からうす)」。24時間ごっとん、ごっとんと1か月かけて細かくします。唐臼だけで土づくりをする集落は世界で唯一だそうです。
2017年(平成29年)7月の九州北部豪雨災害のときは、土砂が入り込んで大変だったのを、多くのボランティアの人に助けてもらったとか。
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土づくりは粉砕後もさまざまな工程があり、陶土になるまでの話を聞いているだけで気が遠くなります。
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登り窯の大きさにも圧倒されました。
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小袋定雄窯では、成形後まもない作品を間近で見ることができるのですが、触れると形が崩れてしまうので、人を工房に入れる窯はほとんどないはず、とのことです。
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小鹿田焼は、窯元名を入れないで、「小鹿田」や「小鹿田焼」と入れます。
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そのせいか、価格が手頃です。たとえば、飛び鉋の直径24cmのお皿が2,300円(税込)など。
TEL:0973-29-2020(小鹿田焼陶芸館)
所在地:大分県日田市源栄町皿山
定休日:不定休
HP:https://www.visit-oita.jp/spots/detail/4665
別府市竹細工伝統産業会館
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館内に入ると、大きな作品が目を引きます。
高さ2mの作品で、真ん中の部分はたばね編みという技法で「龍」を、外側はりんこ編みという技法で「雲」を表現したもの。製作から25~26年が経ち、酸化していい感じに飴色になっています。
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これは、規則性のないやたら編みの技法で、5、6人で2か月かけて作り上げたもの。丸い部分が「太陽」で、離れると見えてくる曲線は、「別府の海と山の形」を表現しています。
やたらハイレベルな作品紹介が続きましたが、いったいなぜ別府で竹細工?と思ったでしょうか。大分県は、マダケの生産量が全国第1位です。昔から良質な竹に恵まれていたので、別府竹細工はなんと1世紀までその歴史をさかのぼることができるのだそう。
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竹細工の編み方のパターンは基本6種、アレンジして300種類ほど数えられるとか。
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館内には、人間国宝の、ため息が出るような作品が並んでいます。
(c)別府市竹細工伝統産業会館
また、エジソンが発明した京都の竹のフィラメントの白熱電球が展示されています。今でも点灯するところに竹の底知れない可能性を感じます。
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ショップでは、手軽なところでは、3,600円のピアス・イアリングなどもありますが。
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人間国宝がつくった作品のミニサイズが40万円(中央上)で売られていたりします!
竹細工の体験教室も要予約でやっていますので、訪れる際は事前チェックが良いでしょう。
所在地:別府市東荘園8丁目3組
TEL:0977-23-1072
開館時間:8:30~17:00
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)、年末・年始(12月29日~1月3日)
入館料:高校生以上310円(税込)、小・中学生100円(税込)
HP:https://www.city.beppu.oita.jp/06sisetu/takezaiku/takezaiku.html
今回ご紹介の2か所は、車で移動するのに1時間20分以上離れていますが、うまく旅行計画を立てて両方訪れることをオススメします。